オーストラリア アボリジ・ガナイ族に伝わるお話です。
むかしむかし、大平原にティダリクという大きなカエルが住んでいました。
ある朝、のどがからからで目が覚めたティダリクは、近くの池の水を飲み干します。
それでも足りないティダリクは、大平原にある水を次々と飲み干していきます。
水という水を全部飲み干し、やっと満足したティダリクのもとにやって来たのは…。
命の水を何とかして取り返そうとする動物たちの姿がユニーク。
カンカンに怒ったウナギのノンヤンが、必死な形相で全身を使って「みずかえせ」と
訴えるシーンは笑いを誘います。
ノンヤンのおかげで、大平原には元通り水が戻ってきて、動物たちは大喜び。
(ティダリクが一度飲んだ水を…というところには抵抗感も残りますが。)
ティダリクも、笑うってことは気分がいいことなんだなって気づいたみたい。
ダイナミックなタッチで描かれる大自然の世界。
蘇った水の青さに引き込まれました。