たぶん、ベースにあるのは「赤ずきん」です。
そこから、とても今どきの(この絵から受ける印象は)ニューヨークあたりの大都市の裏町が舞台になっています。
だから、グリムの「赤ずきん」よりずっとリアルで、ゾッとする怖さがありました。
主軸の物語も怖いですが、この物語を語っている小さなおおばあさんと、その部屋もよく見るとめちゃくちゃ不気味です。
邦訳は金原瑞人さんなので、日本語の言葉としてはとても読みやすかったです。
絵本作品としてのレベルはとても高いものだと思いますが、日本人には絵柄的にちょっと敬遠されるかもしれません。
アメリカの映画やアニメが好きなお子さんには喜ばれるかもしれません。
ただ、ひとりの親として、出来たらこの作品は子どもたちにはあまり触れてほしくないです。
善悪をある程度見極める力が付き、世の中の理を感じることができるような年齢以上の方になら、芸術作品としてお勧めできます。