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安藤パパの育児日記 update
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2月29日(日)
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7時57分、起床。洗顔後、濃いめのミルクティーで朝刊読。BGMは、パット・メセ二ーの『イマジナリ-・デイ』。日曜の読書欄は商売柄、毎週必チェック。
お、今週は中井貴恵が、こんな絵本を紹介してるぞ。これ、ヒロシ(3歳6ヶ月)にぶつけてみるかな。
8時30分、テルノ(6歳)を起こす。「『ふたりはプリキュア』、始まるぞー」
9時15分、テルノと出家。次の土曜が保育園の卒園式なので、きょうはヘアCUT。「先に行ってるよ」
10時04分、表参道の美容室Z。「こんちはー」
「おー、テルちゃん、いらっしゃい」と子ども好きの店長N氏。早速、二人でシャンプールームへ。
11時02分、テルノと僕で並んでカットしてもらってると、カミさんとヒロシが遅れて到着。きょうは4人まとめて散髪なのだ。
13時52分、テルノ→カミさん→ヒロシ(嫌がってもうタイヘン。。)→僕の順番で終了。
「テルちゃん、卒園式と入学式、がんばってねー!」と店長の見送りで美容室をあとに。
13時55分、近所の「胡桃蕎麦」でランチ。眠たく荒れ気味のヒロシに手を焼きながら食べる。
14時27分、原宿キディランド。「おもちゃ、一個ずつだぞー。できれば安めのな」
「パパ、ワカッテルヨー、タカイノハ クリスマス ヤ オタンジョウビ ダヨネ!」
15時43分、帰宅。フー、疲れた。でも家の中が散らかっているので、すぐ掃除機。「パパ、エアコンのフィルターもお願いね!」と、花粉症全開のカミさんから特別オーダー。「OK!」。BGMは、ホール&オーツの『Do
it for love』。
17時33分、磯崎ママおすすめの絵本、『おとこの子とおもっていた犬』がbk1から届いたので、テルノと読む。「ボクノハー!?」とヒロシが焼餅を焼いて僕をバシバシ叩くので、一緒にスーパーまでおつかいへ行くことにする。「パパ ガム カッテイイ?」「ダメ」「Boooo〜〜!」。
22時35分、絵本タイム後、ヒロシはカミさんと就寝。
22時36分、「じゃあ、こっちもそろそろ寝るか?」と娘を促すと、
「パパ、あのね。歯が痛いの?」
「えっ、どこ?」。テルノは奥歯を指してる。さては詰め物が取れたな。
「痛いよ〜。。。」。ペイン度数も増してるようだ。こりゃ診てもらわないとダメかな、と休日診療受付のテレフォンセンターへ急ぎTELするが・・・
「歯科の休日深夜は、東京中どこもないんですよ」と、つれない返事。
「テルー、歯医者さん、どこもやってないって」
「痛いよ〜」。と涙ポロポロでますます痛がるテルノ。
「じゃあ、これ飲んで様子みよう。大丈夫だよ、パパがついてるから」と、買い置き薬の「小児用バファリン」を3錠飲ませる。
23時02分、「どうだい?効いてきたか?」
「うん。。痛くなくなってきた。フワァー」。眠気も来たようだ。
「そのまま、おやすみ。そばにいるよ」
「なにか唄って、パパ」と言うので、枕元でビートルズの「♪ブラックバード」をリトルヴォイスで唄う。
23時07分、「ZZZ・・・」、テルノ就寝。
23時08分、僕は起き出してPCオン。きょうはコラム原稿の〆切日。3月末に創刊される『KOKOCHINO(ココチノ)』という、「クウネル」系雑誌から、パパ‘s絵本プロジェクトのコンセプトや活動について書いてくれと依頼されたのだ。創刊号の企画書によれば、僕が好きな絵本作家・荒井良二氏も出るらしい。
26時10分、原稿フィニッシュ。メール送稿し、マッカランのオンザロックスでクールダウン。BGMはマイケル・ブレッカーの『ニアネス・オブ・ユー』。テルノの様子をみるが、規則正しい寝息だ。
27時02分、ベッドにもぐりこみ、白石一文の新刊『見えないドアと鶴の空』を31頁読んで就寝。
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3月1日(月)
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7時35分、今月のケータイアラーム曲、EW&Fの「♪レッツ・グルーヴ」で目覚める。きょうは天気悪いし、寒いなぁ。保育園準備→皿洗い。
8時15分、「てるてる家族」見ながら、子どもたちと朝食。
「僕はテルを歯医者に連れてから行くから、ヒロシは先にママが連れていって」とカミさんに保育園を頼む。
8時38分、そろそろカミさんの出勤時間。
「そういえば、きょうが仕事、最終日だったね」
「そうよー。10年なんてあっという間ね」
「ご苦労さん。今夜はワインで乾杯しよう。気をつけて行っておいで」
「ハイ。あ、そうだパパ。雨降りそうだからベランダの洗濯物入れといて。じゃあ、行ってきまーす」。ヒロシを連れて颯爽とラスト出勤するカミさんを娘と見送る。「ママー、お仕事ガンバッタネー!」
8時48分、テルノを連れて、近所のD歯科へ。
「きょうは抜歯じゃなくて虫歯治療なんだから、頼むぞ、テル」
「う、うん。」、まだ前回の抜歯恐怖が覚めやらないようだ。
9時13分、少し手間取ったが、なんとか終了。しばらくハイチュウはダメだぞ、テル。
9時14分、冷たい雨の足が早まってきた。タクシーで保育園へ向かう。
9時22分、娘とハグし、園をあとに。「パパー、きょうは早く帰ってきてねー!」
10時01分、出社。ログオン。今週のスケジュールCheck。メールレス17本。
11時32分、会社の窓から外を見ると、雪!おいおい、3月だぜー。
12時11分、金丸弘美さんの『ゆらしぃ島のスローライフ』を読みながらランチの弁当をひとり食べてると、半月ほど前にパパ‘s絵本プロジェクトでインタビュー取材を受けた「教育新聞」の掲載誌が届く。記事を読み終え、「しかし僕みたいなのが、こんな堅い媒体に出るとはねえ」と述懐。この新聞は全国の教育関係者が読んでる業界紙。中ボーの頃にシゴかれた生活指導の先生たちも読んでくれてるかなあ。
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3月2日(火)
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7時45分、起床。保育園準備。きょうからカミさんがしばらく家にいるので、送りは任せることに。
8時48分、カミさんと子どもたちが保育園へ出かける。僕は皿洗い。
9時39分、本郷税務署。きょうは午前中休みもらって、ザ・確定申告。しっかり取り戻さなきゃ!
19時05分、会社から帰宅。明日は大阪出張で僕が不在なので今夜、ひなまつりのお祝いをすることに。
カミさんがちらし寿司と蛤汁をこさえてくれる間、子どもたちと僕は雛人形のホコリを掃除し、ぼんぼりの明かりを点ける。
19時18分、ごちそうが食卓に並んだので、乾杯のあと皆でsing
a song。
「ゴーニン バヤシ ノ フエタイコー、キョウハ タノシイ ヒナマツリ〜♪」
「お、ヒロシ上手いじゃないか」
「テ、イウカサァ(←最近のヒロシの口癖)、ホイクエン デ ナラッタシ ボク」
「さ、テル。食べなー」
「うん!」と、ママ特製のちらし寿司をパクつく娘。大きくなったよなー。今年は就学だから雛祭りの感慨もヒトシオっす。
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3月3日(水)
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7時35分、起床。出張準備。きょうは保育園休むらしいので家族はまだDreamin’。
カミさんも会社勤めを終えたので、しばらく子どもとのんびりするのがいい。
9時10分、支度と皿洗いを終え珈琲飲んでると、子どもたちWake
Up。
「パパー、ドコイクノ?」とヒロシ。
「パパは、のぞみに乗って大阪行くだよね!」とテルノ。
「ボクモ イクイク!」と身体をくねくねさせながら、連れてけモードのヒロシ。
「また今度な。お土産買ってくるからさ」
「ナンノ オミヤゲカナー?テ、イウカサァ、ボク シンカンセン ノ オモチャ ネ パパ!」
「ラジャー、ラジャー」
9時14分、玄関で子どもたちとハグし、出張用デイバッグとゴミ袋を持って出家。
「パパー、行ってらっしゃい」。娘がキスをしてくれた。
10時13分、東京駅から、のぞみ71号でGO WEST。
10時36分、田中パパから「いま東京駅出たよ」とケータイにメール着信。実はいま、紀伊国屋・大阪本町店のビジネス書売場で「お父さん、子どもに絵本読んであげてます?フェア」が開催中で、きょうはその現地取材があるので、田中パパと同行出張なのだ。
10時40分、「新大阪のブックストア談で待ってますぜー」とメールレス。
12時02分、姫野カオルコの『ツ、イ、ラ、ク』を読みながら駅弁食。
12時49分、新大阪駅着。BS談へ。うん、相変わらず棚がシャープな書店だ。
「そうだ」と気になる新刊、筒井康隆&永井豪の『三丁目が戦争です!』を探すが見当たらず。文芸書棚を構築中の男性スタッフに尋ねると「ああ、あの復刻版ですよね?」とクイックレスポンス。
「どこにあるの?」
「きょう入荷でバックヤードにあります。少々お待ちください」と彼はダッシュで店奥へ。・・・待つこと68秒。
「お待たせしました!こちらです」
「おお、これかー」。内容も面白そうだし、このスタッフ君のナイスな接客が気に入ったので、
「これ、もらうよ。ありがとう」
13時12分、田中パパ到着。「この店は絵本どうなの?」
13時37分、紀伊国屋・本町店着。この辺りはいわばビジネス街。東京で言えば、虎ノ門とかのイメージだろうか。
「こんちわー」と、まず児童書担当の女性に挨拶。彼女から「こちらです」と案内されたフェア台は店のメイン入口脇の一等席。「ああ、こんなに大きく展開してくれたんだ」と、田中パパと喜ぶ。
13時40分、今回フェアを組んでくれた男性担当者・百々(どど)係長と会う。
「大きなフェアなので驚きました。スタートしてもう10日くらい経ちますが反応はどうですか?」
「絵本もまずまず売れてますが、パパ‘sの皆さんのオススメが載ってるこのチラシを持ち帰るお客さんが多いんですよー」とうれしそうに語る百々さんは30代前半のパパ。聞けば現在1歳&2歳半の男の子(←大変だろうなあ、奥さん)がいて、ただいま育児真っ最中なのだ。そんな折、偶然昨年末の僕らの新聞記事をみて、この企画を思いついてくれたらしい。
「ところで百々さんご自身は、子どもと絵本楽しんでますか?」
「ええ、皆さんに触発されて毎朝出勤前の15分間、子どもたちに絵本を読んでます。最初の1週間はちょっとシンドかったけど、今ではそれが普通で子どもたちも喜んでくれてるようです」。おー、ワンダフル!そう、これまで書店や図書館でおはなし会をやってきたが、僕らを呼んでくれる担当者はみな女性だった。今回はブックフェアだが、こうして男性スタッフから声がかかったことが一歩前進した感じで僕はウレシイのだ。
14時01分、読売新聞(大阪)・生活情報部のN記者が来店。フェア棚前で早速取材開始。田中パパと僕に矢継ぎ早に質問が飛ぶ。彼女も絵本が好きなようなので、いい記事書いてくれそうだ。(※3.10掲載記事はこちら)
16時32分、南港にあるワールドトレードセンタービルにある某FM局へ。今日は今夏スタートする予定の、僕のラジオ番組の打ち合わせと営業用デモテープの収録を行なうのだ。
19時04分、録音終了。なかなか満足できるものが出来ず、また今月中にもう一度来ることになった。やっぱり難しいなー、DJは。でもラジオのDJになるのは10代の頃から夢だったので、がんばるぞー。
19時54分、本町へBACK。今夜はせっかくなので大阪の書店員たちと懇親会@和民。田中パパがその幅広い書店人脈でフェアでお世話になった紀伊国屋さん以外にもジュンク堂や喜久屋さんの精鋭スタッフを集めてくれたのだ。読売新聞のN記者も参加で追加取材?
「はじめましてー」と初対面の人も多し。出版社勤務時代に関西へはよく営業に来ていたが、大阪の書店員さんの「ノリ」のよさはあの頃も今も変わらない。みんな「ショーバイしてる!」って感じで僕は好きだ。
20時46分、ケータイが鳴る。ヒロシからだ。「パパー、オミヤゲ カッタァ?」。
21時11分、宣伝会議のOクンが遅れて来店。彼は昨年末、大阪に転勤になったばかりの大阪支社スタッフ。講座運営のほかに書店営業もやっているとのことなのできょうはゲストで呼んだのだ。彼のところは最近、『懐かしい日本の言葉』という本がいまベストセラーになっているので、大阪の書店さんと仲良くなって営業の幅を広げて欲しいな。
25時28分、結局2次会もそのまま和民だったが、ようやくお開き。大いに語らい飲んだ大阪の夜でした。ラジオ番組始まったら聴いてねー。生ビール×2、レモンサワー(生)×13.
25時37分、田中パパとタクシーで梅田・東急インへ。朝食の時間を約束して各々の部屋へ引き揚げる。
25時58分、シャワー浴びて泥眠。
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3月4日(木)
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8時15分、起床。熱いシャワーで目を醒ます。
8時30分、ホテル1Fのレストランへ。田中パパとお互い腫れぼったい目でバイキングブレックファスト。
9時35分。チェックアウト。梅田駅から御堂筋線で新大阪へ。座席指定してから、子どもたちへのお土産を物色。その後、駅構内のカウンター喫茶で珈琲。ふー、やっと酒が抜けて来たぜ。
10時49分、のぞみ80号で東京へBACK。昨日買った絵本『三丁目が戦争です!』を田中パパと回し読み後、パパ‘s絵本プロジェクトの今後の活動方針などを確認しあう。
13時26分、東京駅着。田中パパと別れて会社へ。
23時58分、角川書店のFさん、Aさん、Sさんと神楽坂で飲み後、帰宅。保育園連絡ノートチェック後、子どもたちの枕元にお土産を置く。
24時47分、入浴後、メール数本。夕刊読んでから就寝。
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3月6日(土)
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6時40分、起床。いよいよきょうは娘の卒園式だ。
6時50分、「じゃあ、ちょっと行ってくるね」とカミさんが外出。彼女は着物で出席するのだが、自分で着れないので同じクラスのお母さんで着付けの先生をやってるKクンママ宅へ出掛けたのだ。
7時07分、子どもたちを起こす。「起きろー。きょうはお祝い会(←卒園式のこと)だぞー」。
「パパ イヤ!コナイデッ!ウエ〜ン。。。ママ ドコォ〜?」。わかった、わかった。ったく〜。
7時45分、かみさんが作っていってくれたサンドイッチで朝食を済ませ、子どもたちに着替えをさせる。テルノはこの日のために買ったフォーマルな水色ワンピース、ヒロシは濃紺のスーツにエンジのネクタイだ。
「パパ カッコイイ 、ボク?」。決まってるぞ、女の子にもてるぜ、ヒロシ。
7時52分、カミさん、艶やかな和服姿でいったん帰宅。
「あ、ママ。着物カワイイ〜」と娘。
「さすが着付けのセンセイだねえ」
「さあ、テルちゃんの髪、結わかなきゃ」
8時34分、皆で出家。先刻まで降っていた雨は止んだが、和装のカミさんと子どもたちはタクシーで保育園へ向かう。僕は途中、カメラのリチウム電池を買うため徒歩で行くことにする。
8時40分、コンビニで電池を買い、大通りを渡って、毎朝通いなれた保育園への坂を登る。
「ん、そういえば朝、この坂を一人で登るのは初めてだなー」と思ったそのとき、突然雲の切れ間から地上へ春の陽射しが差してきた。「ああ、あのときもこんな天気だったな」。と急に昔を思い出し、シーン回想。
確かあれは霧雨が降る梅雨の蒸し暑い日、まだ生後8ヶ月のテルノを連れて保育園へ行った日のことだ。坂に差し掛かったところでベビーカーが嫌いな娘の機嫌がバクハツ。「あーん、あーん」と、ベルトから逃れるように身をよじらせて泣きじゃくリ[始めた。「ホラホラ、もうすぐ着くからー」とあやしていたとき、勢い娘がべビーカーから落ちそうになった。「あっ!」と差し出した右手で娘の体を押さえコトなきを得たが、下手したら怪我する危ないところだった。
どうしよう?相変わらず小雨が降っていたが、まだイヤがる娘をまた乗せると同じことになると思い、気を取り直して左腕で娘を抱き上げ、右手で荷物満載のベビーカーを押して坂を登った。で、これが重いのなんのでいつもより急坂に感じられて頂点がなかなか見えて来ない。「ほら、テル。泣いてばかりいないでパパにしっかり抱きついてな。・・・ハァハァ」。レインコートの下は汗びっしょりだ。
と、そのとき!急に雨が止み一陣の冷たい風が流れて雲の切れ間から光が差してくる。すると「キャハハ!」。陽射しを浴びて娘の機嫌はすっかり治り、同時に左腕がスウッと軽くなり、その後はスイスイと無事保育園に着いたのだった。・・・「あれからもう6年の歳月が流れたのか」。そう思うと不覚にも熱いものが胸をこみあげてきた。チキショー。涙2cc。
8時52分、保育園着。「本日はおめでとうございます!」。園門で職員さんから声をかけられる。
8時54分、卒園児控え室へ行くと、カミさんと担任のS先生がテルノを交えて談笑中。「あ、おとうさん。きょうはおめでとうございますー」。「こちらこそ、きょうまで大変お世話になりました」
8時58分、「テル、がんばってな」と娘と別れホールへ。会場は園児たちの家族で既に超満員。ステージ最前列に用意された「卒園児保護者席」は一人分しかないのでカミさんに譲り、僕は最後列でスタンディング観覧。
9時、お祝い会(第1部)スタート。入場の音楽に乗って0歳児から卒園児まで全員がゾクゾク入場。既に寸劇用の衣装を身にまとっているので「かわいいー」と会場から声が飛ぶ。テルノは「ライオンキング」のナラ役の衣装で登場。
9時10分、ヒロシのクラスの劇が始まる。狼と山羊の話だ。ヒロシは男なので当然狼役かと思いきや、なんと山羊役で登場。あとの5人はみんな女の子なのに何故ヒロシだけ?
9時50分、3歳、4歳児クラスの出し物も終わり、いよいよ卒園児クラスの劇スタート。あの「ライオンキング」のテーマソングが流れ、ナレーター役のIちゃんが澱みなくストーリー紹介を始めた。すごいじゃん、Iちゃん。「ライオンキング」は登場キャラも多く、ストーリーも複雑なので上手くできるだろうかと心配していたが、子どもたちはみんなセリフをよく覚え、自信に満ちた顔で堂々と演じている。その姿に卒園児の親たちはしきりに感心。テルノもそうだが家にいる姿とかなり違って見えるんだろうなぁ。
10時、ライオンキング終了。パチパチ。一列に並んで挨拶する子どもたちに会場からは大きな拍手。僕を見つけた娘が誇らしげに手を振ってきたので、思わず「いいぞ!テル、Good
Jobだ!」と声を上げてしまった。
卒園児に限らず全園児が一ヶ月間、懸命に練習してきょうに臨んだが、そのがんばる姿には親たちも子どもの一年間の成長を強く感じたことだろう。ヒロシもよくがんばったぞ!涙3cc。
10時05分、休憩後、第2部スタート。ここからが卒園式も本番だ。
劇の衣装から着替えてフォーマルになった卒園児たちが、ピアノが奏でる優しい音楽とともに再入場。会場からは暖かい拍手。園児はみんな緊張しているのか、さっきとはずいぶん違う感じ。ひとりずつ会場に向かって深々と一礼してから自分の席に着席した。
10時07分、「卒園証書を園長先生からいただきます」という主任先生のリード後、担任のS先生がひとりずつ名前を呼び、その子は前に歩み出て「親へのメッセージ」を述べてから証書をもらうがこの園のやり方だ。さあ、スタート。最初に呼ばれたのは僕と一緒に映画も行った事がある、いつも利発なAちゃん。フルネームで呼ばれたあと、「ハイ。お母さん、いつも美味しいごはんつくってくれてありがとう」。クー、泣かせるねえ。保護者席に座るAちゃんママはウンウンとうなずきながら、流れる涙をそっと拭う。もう会場は、その姿に大方の人がもらい泣き。あちこちで洟をすする音もするぞ。
10時10分、「アンドウテルノさん!」。いよいよ4番手、娘の番だ。キンチョー!
「ハイ。お父さん、お母さん。いつも楽しいところに連れて行ってくれてありがとう」。うん、ちょっと声が小さくてよく聞こえなかったけど、よかったぞ、テル。そして拍手のなか、卒園証書をもらいに園長の前に進む娘。
「小学校に行っても、やさしいテルちゃんでいてください」と手渡しながら園長。
「ハイ。ありがとうございます!」。両手でしっかり証状をもらい、深く頭を垂れる娘の姿に涙4ccだ。
10時25分、卒園児23名全員が証書をもらい終わり、続いて合唱。
「卒園児が唄います。曲は『♪さよなら、ぼくたちの保育園』です」というアナウンスに続いてS先生が弾くピアノがイントロを奏でる。や、やばい。この曲は毎年、僕の涙腺を緩ませてきたあの曲だ!
♪たくさんの毎日を ここで過ごしてきたね
なんど笑って、なんど泣いて なんど風邪を引いて
たくさんの毎日を ここで遊んできたね
どこで走って、どこで転んで どこでけんかをして
さよなら、ぼくたちのほいくえん
ぼくたちの遊んだ庭
桜の花びら降る頃は ランドセルの一年生〜
こりゃ、たまらん!ワンコーラスも終わらないうちに会場の洟すすり音はヴォリュームUP。特に卒園児の親たちは6年間の思い出が、まるで走馬灯のようにいま脳裏を駆け巡っているのだろう。中にはハンカチで口を押さえ、嗚咽にも近い声をあげている人もいる。僕は「まだまだ」と歯を食いしばり、ステージで堂々と胸を張って唄う子どもたちの姿を「しっかり目に焼き付けておかねば」と頑張ってのだが、園児の横で立って一緒に唄う、もう一人の担任・N先生(1歳から5年間ずっと担任)が、ボロボロ泣いている姿を見て完全ノックアウト。その瞬間、娘の姿が涙で霞んでいきました。・・・10cc。。。
10時40分、いよいよクライマックス。卒園児たちの退場だ。もの哀しいBGMのなか、またひとりずつ立って、保護者席にいる親が迎えに来るのを待って一緒に退場、というのがエンディングスタイルだ。
最初の子が割れんばかりの拍手の中、母親と一礼して手を繋いで退場する。パチパチ。しばらく僕も他の子を拍手で見送っていたが、どうにも我慢が出来なくなった。
10時44分、退場口へひとり移動。そこにいる先生に「あの僕もここから迎えに行っていいですか!?」と訊いてみる。保護者席にはカミさんがいるので娘のところに行くのは彼女の役だが、どうしてもどうしても僕も一緒に行きたくなってしまったのだ。
「いや、ここは出口ですし・・・。一応、お一人ということで・・・」と若いA先生がいまでも飛び出さんとする僕を制止する。それでも懇願してると、ヒロシの担任できょう総合司会を務めたS先生が寄ってきて、
「おとうさん、行ってあげてください!最後だし、テルちゃんもきっと喜びますよ!」
「ありがとう!」という間もなく飛び出すと、カミさんと娘は礼をしてもう退場口に向かい始めたところだった。
「テルッ!」。僕の姿をみてのけぞるカミさん。
「あ、パパー!!」。ワー!と会場から歓声が飛ぶ。走り寄ってきたテルノを抱きとめ、左にカミさん、右に僕が娘と手を繋ぎ、あらためて園長と会場に向かって礼。そして拍手のなか3人笑顔で退場したのだった。
10時48分、控え室に戻るが興奮冷めやらず。あとから戻ってきた来た仲良しのNちゃんママに、「安藤さん、我慢できなかったんでしょ?」と。「そうなんだよねえ」。「でもテルちゃんはやっぱりパパが迎えに行かないとね!」。
そう、Nちゃんママにそのあと聞いたのだが、退場する3人の姿を見てヒロシが2歳児席で泣いてたそうだ。
「アー、ボクハ ボクハ?ママー、パパー、ネーネー、ドコイッチャウノーー!!」
11時過ぎ、その後、式終了後も園庭でみなで写真を撮ったりして名残惜しい時間が流れる。みんなさっきまで泣いてたけど、いまは笑顔また笑顔だ。
「テル、さっきはパパが出て行ってビックリしたかい?」
「うん、ちょっとね。でもうれしかったよ!」。その言葉をきいても、もう涙は出なかった。(つづく)
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