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絵本

パパ’s絵本プロジェクト


田中パパ


1962年生まれ。
グランまま社、パルコ出版などを経て、再び現在絵本出版社グランまま社編集長。絵本編集、エディトリアルプロデューサー。
育児コラム、絵本コラムなど、数誌で連載中。監修に『赤ちゃん絵本ノート』がある。
★好きなもの ; バーニンガム、長新太、いとうひろし、フィリップ・K・ディック、キングクリムゾン、ラヴェル、たき火、ビールとばか話。
東京・世田谷区在住

  
田中パパの育児日記
 

田中パパのおすすめ絵本リスト

表紙  作品名 コメント

どんどん きいて! ASK ME!
作・絵:
アンティエ・ダム
訳: 石津 ちひろ
出版社: 小学館
本体価格: \1,500
発行日: 2004年06月
 

 言葉って、口に出すことで、初めて自分のものになるんだよね。胸の中に置いたままにしておくのは‘想い’、それを口に出すのが‘ことば’ってことかな。想いとか気持ちって胸の中で整理するのがなかなか難しいけど、言葉にしたり、書きとめたりすると、とてもすっきりはっきりしてくることってない?
 この絵本は、子どもやあなたの今や過去を形にするビックリ箱だ。
「あかちゃんのころ どんなすごいことをしてた?」「おもしろいなって おもう わるいことばは なにかある?」「パパが とくいなものって なあに?」「ぜったいにキスしたくない あいては だれ?」「すなはまに じぶんのなまえを かいたことって ある?」こんな問いかけが見開きに一つずつ入ってて、これに答えることで初めて成り立つ仕組みになっている。パパと子どもとかわりばんこに答えあってもいいし、夕食後に家族全員でこの本を開いてみてもきっと楽しいはず。
 いい問いかけには、いい答えが返ってくる。その答えに質問で返すことで、だんだんと言葉って共有できるものなんだってことが分かってくる。会話が何だか楽しいってことが自然に感じられるはずだよ。
 

 

ちいさな天使と兵隊さん
作・絵:
ピーター・コリントン
出版社: すえもりブックス
本体価格: \1300

まさしくサイレントムービー。でもスリルとアクションとロマンス盛り沢山の大活劇。
初めて読んだ時は、コータとどうやって楽しもうかな、って悩んだけど、いろいろ試した結果、いろいろな読み方でいいんだ、って分かったよ。
海賊に盗まれた銀貨を取り戻すため、ちいさな天使が立ち上がる。めざすはピアノの上の海賊船の模型。そう、これは「トイ・ストーリー」と同じ、おもちゃの世界のお話。
文章がない分、絵の説明には創作力が求められるけど、逆にそれはコドモに任せて、聞き役に回るのも楽しい。
かようびのよる』(デヴッド・ウィーズナー作 徳間書店)と一緒に読むと、まさに映画を観終わった時のような満足感が得られると思うよ。

 

もっと おおきな たいほうを
作・絵:
二見正直
出版社: 福音館書店
本体価格: \410
発行日: 2003年11月

戦争や軍拡について、子どもと話し合ったこと、ある?
「子どもが小さいから、もう少し大きくなってから」もしそう思うとしたら、いつになったら話し合うつもり?学校や新聞に任せてるとしたら、あなたは親、そして大人として、とても大切なことから逃げていることになるよ。
絵本の世界には、大人の本と肩を並べるくらいたくさんのテーマや問題提起が詰まってる。
子どもがまだ理解できないとか、テーマが重たいとか、結末が厳しすぎるとか、そんなことを大人の尺度で判断せずに、どんどんチャレンジしたらどうだろう。じゃないと、ディズニー映画やドラエモンみたいに、明るくて楽しくてチープなハッピーエンドにしか感動できないことになっちゃうかもよ。大人も含めて。だからボクは、「子ども向け」とか「児童書」とか、「何歳向けの絵本」とか「よい絵本」とかのくくり方、実は気に入らないんだよね。
 さて、この絵本。タイトルの通り、軍備のエスカレートを描いたお話なんだけど、戦争とか軍拡なんて言葉は一切出てこない。王様とキツネが大砲を自慢しあって、兵器開発を競う姿をコミカルに描いているだけだ。でも、このお話には、深遠な真実がどっしりと腰を下ろしているのがわかるはず。こんなにも端的に軍拡競争を描けるのは絵本だけかもしれない。
 作家の二見正直さんは、1978年生まれ。絵本の出版は今回が初めて。それも、投稿と聞いている。次作がとっても楽しみだ。
 それにしても、ページをめくるたびに「おおお〜!」とビックリできる、本当に楽しい絵本にめぐり合えた。今年のイチオシ。
 

 

ザバジャバ ジャングル
作・絵:
ウィリアム・スタイグ
おがわえつこ
出版社: セーラー出版
本体価格: \1214
発行日: 1977年3月20日

『つる草をきりはらいながら レオナルドは すすんでいました。
だれも はいったことがないという、ザバジャバ ジャングルです。』
こんな妙な書き出しから始まる何だか意味不明なナンセンス絵本。
ジャングルに分け入って行くと、ページをめくるたびに想像を超えた局面が現れ、それがどうもつじつまが合わないけど、妙に「そうそう、そんな感じ〜」という気がしてくるから不思議だ。世の中、すべてのつじつまが合う訳じゃないし、こうしてストーリー展開に身を委ねるのも楽しい。どうみても、これはレオナルドの夢の中のお話だと思うけど。
残念ながら今は書店では手に入らないかも知れないけど、こういう絵本がもっともっと長生きしてくれるといいなぁ。

 

さよならさんかく
作・絵:
わかやま けん
出版社: こぐま社
本体価格: \800
発行日: 1977年3月20日

1歳1ヶ月のアイクの「今のお気に入り」の一冊。どうみても和製ブルーナという感じで、今まで近寄らなかったが、とにかくこの絵本でアイクはゴキゲンなのだ。悔しいけどボクが読むよりも妻が読むときの方がいい笑顔だ。
「さよなら さんかく またきて しかく」から始まる遊び歌にそってページが進むんだけど、リズム感の楽しさが心地いいのだと思う。妻は続けて10回ぐらい読まされたこともあるらしい。
しかし、このデフォルメされたこぐまちゃんやキリンを見て、子どもはどうやって本物の動物と結び付けて同一視できるのだろうか。ブルーナもそうだけど、服を着て、おめめが×印のウサギが出てくる絵本がなぜ0歳児向けの「はじめての絵本」としてこれだけ盲目的に与えられているのか、う〜ん、やはり分からないなぁ。
批判してるんじゃないよ。念のため。誰かお便りください。

 

 

てではなそう 「すき」と「なりたい」
作:
さとうけいこ
さわだとしき
出版社: 柏書房
本体価格: \1,200

ボクラは、コミュニケーションの方法を言葉と文字だけに頼りすぎていないだろうか?
この絵本は、自分を表現する最もシンプルなセンス、「●●が好き」と「●●になりたい」だけに焦点を当てた手話の絵本だ。「ボクはきみが好きだ」から始まって「きみは何が好き?」そして「ぼくは 恐竜が好き」へと続く。
「なりたい」の章は更に感動的だ。「何になりたい?」「鳥になりたい」そして「きみは何をしたい?」という結び。
手話が耳の不自由な人の言語だなんて考えは、夢がない。体全体を使ったこのボディランゲージは、表現力を豊かにするはずだし、あらためて「会話する」という本来の意味を考える上でも素晴らしい絵本だと思う。
それから、ふと思ったけど、絵という表現方法も、文字や言葉よりも早くて正確な伝達力があることがはっきり分かった。

 

 

はじめて出会う育児の百科
監修:
汐見 稔幸/榊原 洋一/中川 信子
出版社: 小学館
本体価格: \3,800
発行日: 2003年12月

 絵本ではないんだけど、本作りの切口が斬新で共感できたので、あえてここで紹介。

 育児百科というと、親が不安なった時に読む、いわば「お助け本」という認識だった。「ウチの子は一歳になったのにまだよちよち歩きもできない」とか「指のおしゃぶりが治らない」「トイレトレーニングをいつ、どのようにはじめたらいいのか分からない」などなど。自分のコドモがフツーに成長しているかが日々の最大の話題であり不安要素でもある現代のママには、そうした育児書や育児雑誌は大事な情報源だっていうことはよくわかっているつもりだよ。でも、本を読んで、逆に不安感が高まったり、「この時期は、こうあるべき」という本のアドバイスをコドモに押し付けてしまう場合もあるよね。
この本が面白かったのは、コドモの自然な発育に合わせたアドバイスを医者や学者さんだけでなくて、様々な分野の人たちがしていることで、とても温度感のある優しい言葉で紹介しているところ。お父さんの育児参加についてもかなり積極的な呼びかけをしている。
なにしろ絵本でコミュニケーションを、という欄では、ボクみたいな不良のオッサンを起用しちゃうんだから。ボクの他にも、お散歩、おむつ交換、育児休暇、肩車などお父さん向けのコラム満載だ。
 それから、従来のお母さん向けマニュアルという親の立場優先の考え方をひっくり返して、子どもの立場、成長を優先して構成してある部分も画期的。「からだ」(監修 榊原洋一)「こころ」(監修 汐見稔幸)「ことば」(監修 中川信子)という三つの柱で、ゆっくりと優しく解説してくれる。特に汐見稔幸氏の「こころ」についての解説は必読。
 できれば、マニュアル本としてよりは、育児についての読み物として、コラム集としてリラックスしながらゆっくりと読んで欲しい一冊だと思う。

 

にらめっこしましょ
作:
長 新太
出版社: 福音館書店
本体価格: \390
発行日: 2003年05月01日

これ、生後11ヶ月になるウチのアイクが今一番ハマっている絵本なんだよね。毎日最低10回は読んでるよ。続けて読んでも飽きないんだよね、あかちゃんは。
「にらめっこしましょ」の次の見開きは、「あっぷっぷ」でウサギやブタやタコがおバカな顔をするんだけど、この「あっぷっぷ」のページで、アイクは「がーがー」とすごい反応をする。自分でページをめくるのも、この本で初めて覚えた。それだけ次のページが待ち遠しかったんだと思う。
最近特に蛍光ピンクの色彩が強い長新太作品だけど、大人の目には眩しいくらいの激しい彩色も、あかちゃんにとっては、実に楽しそうだ。

 

いやといったピエロ
作:
ミーシャ・ダムジャン
絵: ヨゼフ・ウィルコン
訳: いずみ ちほこ
出版社: セーラー出版
本体価格: \1,262
発行日: 1988年

鎖でつながれ、いつものように団長の命令を聞くことを拒絶した、サーカスのピエロとロバ、ポニー、キリン、ライオンそしてイヌ。彼らはサーカスを飛び出すと、自分たちのしたいことを語り合い、その実現に力を尽くす。彼らがしたかったことは、自分たちのサーカスを作ること。さぁ、どんなサーカスが出来上がるのか。
これは言うまでもなく、自由の賛歌であり、これから新しい一歩を踏み出そうとするものへの応援歌でもある。ボクの20ヶ月の短い会社勤務のきっかけになり、そして会社を去った時に手元に残ったのが、この一冊。作者の故ミーシャ・ダムヤンは、ノルドズッド社の創設者。画家のヨゼフ・ウィルコンは、ポーランドを代表する絵本作家。今年で73歳。
残念ながら版元在庫僅少の様子。
 

ぶらぶらばあさん やまからうみへ
作:
馬渕公介
絵: 西村 繁男
出版社: 小学館
本体価格: \1,360
発行日: 1999年

ぶらぶらばあさんというのは、へちまの神様。その名の通りおっぱいがぶらぶらしてる魔法使いのスーパーばあさん。人間の姿をしたフンコロガシのフンたろうと一緒に旅をして、色んなことを解決しちゃう痛快物語。頭が良くなる代わりに魂を吸いとる木の話、かわいい女の子が、いきなり大声で「うんこ!」って叫んじゃう話。おまじないの時に、シワシワのおっぱいをぶらぶらさせたりして、おバカで奇想天外。本流のモチーフは直球勝負で、小気味がいいんだなぁ。西村繁男も、実はこういう作風が好きなのかも、とふと思った。
※このコメントは<サプリナ・絵本だいすき!'03年9月のおすすめ絵本>で紹介された内容の転載です。)
 

たいへんなひるね
作・絵:
さとう わきこ
出版社: 福音館書店
本体価格: \800
発行日: 1990年3月15日

このばあさんも、破天荒で底抜けに元気がいい。外でお昼寝がしたくて、寒い冬の雪雲を追い出して、春を呼ぶお話なんだけど、なにしろその雪雲の追い出し方のスケールが大きい。大きなラッパを吹いて森中の動物達を叩き起こし、雷をけしかけ、特別製の花火をあげちゃう。こんなハイパワーでゴーマンなばあさんがいたらマイるだろうなぁ、と思いつつ、何をしでかすか予測不可能なストーリー構成に、ヒットシリーズの底力を感じる。子どもが元気なのは当然としても、じいさんばあさんが元気だと、世の中が明るく見えてくるよね
※このコメントは<サプリナ・絵本だいすき!'03年9月のおすすめ絵本>で紹介された内容の転載です。)
 

ジローとぼく
作・絵:
大島 妙子
出版社: 偕成社
本体価格: \1,000
発行日: 1999年06月



 

大好きな飼い犬「ジロー」と入れ替わってしまった「ぼく」が体験する不思議な一日。
全編、「ぼく」のモノローグなんだけど、仲良しのジローによせる視線や、犬の立場から見た家族の風景がなんとも温かくて懐かしくて心地いいんだなぁ。
視点が、犬の時は犬小屋から、ニンゲンの時は縁側のある居間から、というふうに使い分けられているのもすごく効果的。アリンコや庭先の金タライで冷やされているスイカなど、細かい日常の描写も伸び伸びと描かれている。
 

おばけがぞろぞろ
作・絵: ささき まき
出版社: 福音館書店
本体価格: \743
発行日: 1994年06月10日

でてくるでてくる。色んなところから、ぞろぞろと。
とにかく現れかたが面白い。おばけの名前が更に面白い。
「ぞんびえくん」「おろむかくん」「ぞぞまるちゃん」「おびるべちゃん」…作者の頭の中を覗いてみたくなるようなヘンな名前だ。みんなコワイけど、ファンキーなおばけたちなんだ。妙にウケて、何度も何度も繰り返し読んだけど、ボク自身も全く飽きることがなかった不思議な絵本。
読み終わった後「だから、なんなの?」って聞いちゃだめだよ。読んでる時間そのものがこの絵本とコドモを繋いでいるわけだから。
 

つきよのかいじゅう
作・絵:
長 新太
出版社: 佼成出版社
本体価格: \1,359
発行日: 1990年

湖に現れたのは、恐竜? 怪獣? それとも、もしかして。いや、そんなはずじゃないでしょ? あれ、なんかヘンだぞ。 ダメダメ、それだけはやめて!ページをめくるたびにフシギなナンセンスの世界にひきこまれる絵本。これを本屋さんで見つけた時、お店で大笑いしちゃって、ひんしゅくを買った憶えがあるけど、こういうおバカな絵本を買って帰るお茶目なパパであり続けたいもんだ。
※このコメントは<サプリナ・絵本だいすき!'03年8月のおすすめ絵本>で紹介された内容の転載です。)
 

がたごとがたごと
作:
内田 麟太郎
絵: 西村 繁男
出版社: 童心社
本体価格: \1,300
発行日: 1999年4月


 

汽車に乗って、がたごとがたごと。街を抜け、山を超えていくうちに、なんだかとんでもない異界に誘い込まれていく。乗っている人もみんなお化けに変身してる。着てる服は一緒なんだけどね。うちの子どもは、読み進むうちに、次はどうなるのかな?っていう期待感がつのって、思わず自分でページをめくろうと手を伸ばしてきたっけ。
※このコメントは<サプリナ・絵本だいすき!'03年8月のおすすめ絵本>で紹介された内容の転載です。)
 

お月さまってどんなあじ?
作・絵:
ミヒャエル・グレイニェク
訳: いずみ ちほこ
出版社: セーラー出版
本体価格: \1,500

 

お月さまを、ほんのひとくち食べてみたくて、動物たちが互いの背中によじのぼって、とっても苦労しながら、やっとのことで、ねずみがパリッとかじるんだね。で、それをみんなで分けて食べるんだけど、「お月さまのあじは、みんながそれぞれ一番好きなもののあじがしました。」っていうお話し。
お月さまのあじは、ラムネみたいにスーッとしてて冷たいのかな、とか色々想像して読み進んできたのに、最後に「きみが一番好きなものの味だよ」って言われるわけ。シュークリームでもいいし、たこ焼きでもいいわけ。お話を聞いていた子が自分で自分に質問して、答えて、初めて成立する絵本なんだね、これは。
ゆっくりと読みながら、自然な形で子どもとおしゃべりを楽しめる。
それにしても、用紙の風合いをみごとに引き出した美しさと、ページ構成の高度な技には無条件に脱帽。
 

クレリア えだのうえで おきたできごと
作・絵:
マイケル・グレイニエツ
訳: ほその あやこ
出版社: セーラー出版
本体価格: \1,800

 

あおむしのクレリアが、気持ち良さそうな枝を見つけて休んでいると、クモやバッタやてんとう虫が次々にやってきて、そのたびにクレリアは、「にょろ」って言いながら体を縮めて、みんなに場所を譲ってあげるんだけど、そのうちに体を縮めすぎたクレリアは、小さくなって消えてしまうんだよなぁ。
虫たちは、クレリアをあちこち探したり、みんなで「たずねムシ」のポスターを作ったりするわけだけど、クレリアは出てこない。このお話は、それでおしまい。シュールな顛末に、父子ともにボーゼン。
「あなたのまわりにクレリアがいたら、おしえてください。」という巻末の一行にある通り、絵本の中の架空の生き物を、読み手の子どもたちが、実際の生活や夢の中で探す、という手品みたいな導き方に大拍手。
「たずねムシ」のB4ポスターが付いていて、最後に大笑い。 版元には「クレリア目撃情報」がいまだに寄せられていると聞く。ボクもハガキを出そうかな。
読み終わった後に、「はい、おやすみ!」だけじゃあなくて、語り合うことが出来るって、とても楽しいことだと思うよ。これは、そんなキッカケをくれる扉みたいな絵本。
 

3びきのかわいいオオカミ
作:
ユージーン・トリビザス
絵: ヘレン・オクセンバリー
訳: 小玉 知子
出版社: 冨山房
本体価格: \1,400

3びきのコブタのパロディ。つまり弱々しくてかわいい3びきのオオカミと、凶悪な 大ブタのお話。ページをめくるたびに、この大ブタの過激さがエスカレートしていく プロセスがたまらなくキモチいい。なにしろ、オオカミが作った家を電気ドリルやダ イナマイトでぶっ壊しにくるんだから。
でも、原本の「さんびきのこぶた」、結構スゴイ結末だってこと、知ってる?
 

いつもちこくのおとこのこ ジョン・パトリック・ノーマン・マクへネシー
作・絵:
ジョン・バーニンガム
訳: たにかわしゅんたろう
出版社: あかね書房
本体価格: \1,456

 

ライオンや高波に襲われていつも遅刻してしまう男の子。でも先生はジョンの言葉をハナから信じてくれない。ナンセンス絵本だけど、読むたびに色んな解釈が生まれる、ということは何歳児とでも楽しめる。とにかくインパクトが強烈。

遅刻を肯定する内容が絡む為か、幾つかの図書館では一般の開架をしていない。図書館に適しているか否か、そういうことを判断する人達がいる、ということが、まず気に入らない。本屋さんと違って、販売目的で選書するわけじゃないので、逆に動機が不純に感じてしまうんだなぁ。

なぜあらそうの?
作・絵:
ニコライ・ポポフ
出版社: BL出版
本体価格: \1,300

 

野に咲く一輪の花を奪い合う野ねずみとカエルの諍いが、やがて凄惨な全面戦争にエスカレートしていくプロセスをテキストを使わずに絵だけで表現している。文字がないだけに、一緒に読むのに結構苦労したけど、戦争についてコドモと語り合うきっかけになった。
作者のニコライ・ポポフは、これだけの強烈なモチーフと優れた描写力にかかわらず、作品を殆ど発表していない。最近は何も描いていない、と編集者のノイゲバウアー氏から聞いている。とても惜しい気がする。
 

ドオン!
作:
山下 洋輔
絵: 長 新太
出版社: 福音館書店
本体価格: \1,100

 

長新太の絵本は、すごい。コドモに善かれ、なんて計算はまったくされていない分、最初の1ページ目から、あっという間に不思議な笑いの世界に入ることができる。この本は読む時の、ことばのリズム感や勢いがとても楽しかった。 最後の「ドオン!」をどれだけ大声で言えるか、パパは試されそうだけどね。
長さんの絵本で他に好きなのは「ゴムあたまぽんたろう」「キャベツくん」「おなら」。ボクは日本で一番ユニークでUnusualという表現がぴったりの作家だと思っている。
 

ねえ、どれがいい?
作・絵:
ジョン・バーニンガム
訳: 松川 真弓
出版社: 評論社
本体価格: \1,300
 

この楽しさは、コメント不要。
試しに借りてみよう、なんて、ダメ。
必ず買うこと。

だいくとおにろく
作:
松居 直 (再話)
絵: 赤羽 末吉
出版社: 福音館書店
本体価格: \743
 

川から鬼が現れるシーン、そして「めだまぁ よこせっ」と大工に詰めよるシーンのインパクトが強かったらしく、何度も何度も読まされた。 そのつど、鬼のキャラを変えて読んでみたら、かなり楽しめた。怖い声、ずる賢い声、サイコっぽい声、間抜けな声などなど。
 

けんはへっちゃら
作:
谷川 俊太郎 
絵:
和田 誠
出版社: あかね書房
本体価格: \971
 

わらしべ長者を現代に置き換えたとはいえ、ウチのコータは主人公のけんに同化しつつ、けんがおならをする部分ではいつもグフグフ笑っていた。ここに描かれている少年は、ボクの心の中にもきっといるはずの等身大なんだね。飄々としたイラストも完璧。
ボクが小3の頃に読んだ懐かしい絵本。奥付の初版年が自分と同時代の絵本を探す、という切り口も面白いかも知れない。
 

島ひきおに
作:
山下 明生
絵: 梶山 俊夫
出版社: 偕成社
本体価格: \1,400
 

読み進むうちに、怒りとやるせなさで段々と声に気迫がこもってしまう絵本。スタインベックの「二十日鼠と人間」じゃないけど、純朴なものに対する世間の冷たい仕打ちに憤りつつ、それでも何度も読んでみたくなる絵本。お父さんの低くて、静かな声で読むととても効果的だと思うよ。
人間ってずるいなぁと思えば思う程、鬼が不憫でならなくなる。かわいい、とか楽しいとか、ためになるとかじゃなくて、理不尽なこと、納得できないことが燻り続けるような絵本がもっともっとあってもいい、って思う。
 

いたずらきかんしゃちゅうちゅう
作・絵:
バージニア・リー・バートン
訳: 村岡 花子
出版社: 福音館書店
本体価格: \1,100
 

一番たくさん読んだ絵本。ウチのコドモは、どんな時でも最後まで眠らずに聞いていた。彼が好きだったのは、ちゅうちゅうが古い支線に迷いこむページ。 バートンの曲線的な構図は、スピード感、距離感をよく表現している。 ボクもコドモの時、大好きだった絵本。

さるのせんせいとへびのかんごふさん
作:
穂高 順也
絵: 荒井 良二
出版社: ビリケン出版
本体価格: \1,600
 

こんなに底抜けに楽しい絵本があったなんて、大感激。 意味性も教訓も癒しも皆無。ただ、コドモと楽しく笑いあえるだけ。でも、そういう共有体験こそ、かけがえがない記憶になるんじゃないかな。

つれたつれた
作:
内田 麟太郎
絵: 石井 聖岳
出版社: 解放出版社
本体価格: \1,500
 

着想も面白いし、絵のスケールも底抜けにでかい。「じいさんは つります。なんでも つります。」という冒頭からして何か起こりそうな予感に満ちている。お父さんのお話は、法螺話し。というのがボクの基本なんだけど、この本は、まさにそれ。
内田麟太郎で「がたごとがたごと」も、とっても楽しい絵本。気持よく法螺に乗ることができる。 絵の石井聖岳は、1976年生まれ。デビュー作ながら、迷いのない力強いタッチと逆に力のうまく抜けた遊びのセンスに、底力を感じる。

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