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移動するものたち

移動するものたち(小学館集英社プロダクション)

谷川俊太郎さん推薦! 黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち……移民の旅の現実を描くサイレント絵本

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新刊
そうじきの なかの ボンボン

そうじきの なかの ボンボン(フレーベル館)

世界にはまだ、誰も知らない不思議とすてきでいっぱい!

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ムース

ママ・40代・その他、男14歳 女9歳

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自己紹介
 1992年から米国シアトル在住。夫と子ども2人、犬1匹の暮らしを緑豊かな自然の中で楽しんでいます。
好きなもの
子どもの絵と歌声、絵本、パペット、自然素材のおもちゃ、アート、音楽、スポーツ、裏庭、潮風
ひとこと
 子どもといっしょに絵本を開く時間が、至福のひとときです。

 絵本ナビとの出会いは2002年、息子8歳、娘3歳の夏でした。オレンジ色が基調の気さくなウェブページに惹かれ、即メンバーに。以後、絵本とふれあいの記録が楽しくて、夢中になって投稿を続けました。500冊を越える絵本の思い出が残せたことは、絵本ナビのおかげです。1人で書いていても楽しかったのでしょうが、ほかのメンバーの感想を読むことで、共感したり刺激を受けたり、楽しさが倍増しました。そんな日々の集大成として『幸せの絵本1』にいくつか感想を掲載していただいたことは、格別の思い出になっています。心から感謝いたします。
 最近、子どもたちを取り巻く生活環境の影響で、絵本は日本語よりも英語中心になってきました。それに伴い絵本ナビからも少し遠ざかっていますが、新しく日本語の絵本を読んだときは必ず投稿しようと思います。
 現在、ブログで英語絵本中心の記録を日課にしています。よろしければ、どうぞごらんください。

ムースさんの声

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自信を持っておすすめしたい 自分を知るジャクソンのすてきなお話  投稿日:2006/03/18
カクレンボ・ジャクソン
カクレンボ・ジャクソン 作・絵: デイヴィッド・ルーカス
訳: なかがわ ちひろ

出版社: 偕成社
 恥しがりやのカクレンボ・ジャクソンは目立つのが嫌いです。いつでもどこでも目立たないように、まわりの風景に溶け込めるようなお手製の服を着ていました。ある日、お城のパーティに招待され、どんな服を着ていけばいいのか困ってしまいます。何しろジャクソンは恥しがりやなので、お城でだって目立ちたくないのですから……。
 原書で手にしたとき、タイトル『Halibut Jackson』からイメージが湧かなくて、かわいらしいお話とイラストなのだけれど、どうもぴんときませんでした。「Halibut」と聞いて、え? あのよく食べている魚のハリバット? 隠れるイメージならわたしの場合、カメレオンですが、これだとインパクトが強すぎることは確か。やさしいジャクソンの性格が出せません。……以来、ハリバット(=カレイ)から受けるイメージのせいで、わたしの中では何だか不思議な絵本ということになっていたのです。でも、邦訳タイトルを見て感動でした。これなら英語圏の子どもたちが楽しんだように、わたしもカクレンボ・ジャクソンの魅力が心の底から味わえます。
 伝えられるメッセージもしんみり心に響き、すてきです。はずかしがりやさん、はにかみやさん、あるいは見過ごしてしまいそうなことをしっかり感受できる人に贈りたい絵本ですね。
 繊細で洒落たレトロ調のイラストが中間色に包まれ優しげです。一風変わったペン画ではありますが。もちろんジャクソン探しを楽しみましょう。
 娘とわたしは布と宝石に囲まれたジャクソンの仕立て部屋を見て「いいなあ〜」」とため息をつきました。布やリボン、レース、ボタンに目がないのです。
参考になりました。 2人

自信を持っておすすめしたい 眠りに誘うやさしいファンタジー  投稿日:2006/03/18
ぼくとくまさん
ぼくとくまさん 作・絵: ユリ・シュルヴィッツ
訳: さくま ゆみこ

出版社: あすなろ書房
 ファンタジーから夜の眠りに誘う、穏やかな作品です。原書タイトルは『The Moon in My Room』で「月」がメインなのですが、「くま」でも「月」でも安らかに眠りに誘うはたらきに変わりはありませんでした。
 小さな男の子がお部屋にひとり。部屋の中には、なんでもあります。「じぶんだけの おひさまも、じぶんだけの おつきさまも、じぶんだけの おほしさまも、きや はなが そだつ おにわも、やまや たにも、 それに、ともだちも たくさん います。」――さらりと、でも構成は熟考されて描かれた繊細なラインが、ページごとに吹き抜ける風と射す光を伝えてくれるかのようです。友だちの中には大切なくまさんがいるのですが、くまさんの姿が見えません。くまさんは、どこに行ったのでしょう。
 絵本に使用される色は、赤、緑、黒の3色のみ。でも、余白が生かされ着色がほんのり薄めなので、ふんわりやさしいベールにおおわれる印象を受けます。自然のめぐりとともに時間が過ぎた、幼い日の追憶がよみがりそうな画風です。
 ひとつ気づいたことは、月にかけられた「はしご」の光景。エリック・カールの『パパ、お月さまとって!』(原書『Papa, Please Get the Moon for Me』1991年)と同じなのです。シュルヴィッツの初版が1963年なので、ここからインスピレーションを得たのかもしれないと一瞬どきっとしました。
 娘は、作中の山や谷にがまくんとかえるくんが住んでいると言っていました。こういうつぶやき、あとどのくらい続くのでしょう。考えると、淋しくなったりします。彼女は原書ですでに読んだそうで、読む前にくまさんの居場所をこっそり教えてくれました。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい 笑いのつぼにはまる笑劇絵本  投稿日:2006/03/18
ハトにうんてんさせないで。
ハトにうんてんさせないで。 作・絵: モー・ウィレムズ
訳: 中川 ひろたか

出版社: エムオン・エンタテインメント
 バスに憧れ、運転したがっているハトの心情がストレートに、でもユーモアいっぱいに描かれるお笑い絵本。ハトの一人芝居が寄席風で、おおいに笑いを誘う要因になっています。たった1人(1羽)でこれだけ演じてしまうのだから、このハトは大物。この「間(ま)」は、アニメーション製作にかかわってきた作者ならではの「勘」みたいなものなのでしょう。ハトさんの演技は、老若男女、誰もが楽しめます。
 原書ではたくさんのシリーズが出ています。でも、記念すべき第1作目は中でも特に印象大ですね。息子はハトのイラストをノートに貼って楽しむほどファンになりました。
 邦訳タイトルの句点「。」は、原書どおり感嘆符「!」にすべきところでしょう。
参考になりました。 2人

自信を持っておすすめしたい 心あたたまる意外な余韻  投稿日:2006/03/18
せかいで いちばん つよい国
せかいで いちばん つよい国 作: デビッド・マッキー
訳: なかがわ ちひろ

出版社: 光村教育図書
 いろいろな作風を見せる作者なので、ずっと気になっていた作品。邦訳タイトルが原書『The Conquerors』にはないインパクトを生み出していて、そんな意味でも興味をそそられました。
 「大きな国の 人びとは、じぶんたちの くらしほど すてきなものはないと、かたく しんじていました」「われわれが せかいじゅうを せいふくすれば、みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな」――。読む前から無意識のうちに「せかいでいちばんつよい国」=「米国」と決め付けて、その対外政策を風刺した絵本と勝手にイメージしていましたが、意外にもその手のいやらしさはなく、逆にやさしい子守唄が聴こえてくる心あたたまるお話でした。人と向き合うときどんな心を抱けば通じ合えるのか、そんな人間としてもっとも大切なメッセージを届けてくれます。軽やかな色合いのペン画もいいのでしょう。大国VS小国という重いテーマをユーモアと平易さで鋭く描いた、後味の優れた絵本です。
 読後の余韻に浸りたくて「大統領は最後に何をしたんだっけ?」と、くどいのを承知で息子に尋ねると、「歌を歌ったんだよ」――。こんな穏やかな気持ちで読み終えられるとは、想像もしていませんでした。
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自信を持っておすすめしたい 冬の抒情をほんのり歌う  投稿日:2006/03/18
ふゆのまほうつかい
ふゆのまほうつかい 作・絵: ジュリー・モンクス
訳: 代田亜香子

出版社: 小峰書店
 冬の抒情がやさしい言葉でつづられる詩の絵本は、表紙の淡い色合いを目にしたときから宝物絵本になる予感がしました。実際、鉛筆のモノトーンだけで描かれる雪模様の見返しデザインを目にして、本文を読まずとも予感が的中したことを確信。思ったとおりの絵本だったのです。
 ほとんどのページが白を背景に鉛筆の輪郭だけで描かれる部分とくすんだ中間色からなる部分からなり、冬の透明感と時めきを上手く表現しています。グレーの文字を先頭に置く言葉の配列とタイトルの色使いも、同様のイメージをかき立てます。表紙題字は原書『Winter Magic』より雰囲気が出せているのでは。言葉と文字にシンプルな工夫が施された、冬の贈り物にぴったりの絵本ですね。
 娘は冒頭、モノトーンの犬と色ページの小鳥(足跡つき)を見て、「かわいい! これ、だ〜いすき!」と言って絵本を抱きしめました。色と空間使いが巧みなので、動物たちの息づかいが伝わってくるのでしょう。
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自信を持っておすすめしたい かわいい恋の物語  投稿日:2006/03/18
ちっちゃくたって おっきな愛
ちっちゃくたって おっきな愛 作: ジーン・ウイリス
絵: ジャン・ファーンリー
訳: 金原 瑞人

出版社: 小峰書店
 ねずみのちびちびくんは、恋をしています。でも、その子はずっと上のほうにいるので、会いに行くのが大変。キスをしたいちびちびくんは、とにかく上を目指してがんばります。最初は指ぬきに乗り、その上にマッチ箱を乗せ、その次にスイカを乗せ……。
 バレンタインにぴったりのかわいらしい仕掛け絵本です。主人公たちのサイズが異なるので、この恋には距離が存在し、ハラハラ、ドキドキ。ちびちびくんの恋が成就するのか、いつの間にか応援しています。恋のお相手はのびのびちゃんというのだけど、彼女がどんな子なのかはページを開いてからのお楽しみ。
 ひとつひとつ踏み台になる「もの」が、仕掛けを駆使して紹介される趣向がかわいらしい。ページをめくるごと、微妙なバランスの上で精一杯背伸びするちびちびくんが健気です。
 原書『Never Too Little to Love』で見つけ感動したのもつかの間、しっかり邦訳も出ていることを知りさらに飛び上がって喜んだ絵本でした。バレンタインに必読です。
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自信を持っておすすめしたい くま好きさんに  投稿日:2006/03/17
クマクマ、クマがいっぱい!
クマクマ、クマがいっぱい! 作: マラ・バーグマン
絵: ヘレン・クレイグ
訳: 山口 文生

出版社: 評論社
 タイトルのとおり、茶ぐま、白くま、黒くま、パンダ、大きいくま、小さいくま、色とりどりのくま……と、たくさんのクマたちが登場する絵本です。今読んでみると、探し物、あてっこ遊びにもいいなあと気づいたりして。「黄色くてリボンをつけているクマ」「しましまパンツをはいて笑っているクマ」を探してみたり……、お話の展開以上に遊べる要素がいっぱいです。
 息子のくまは「白くまちゃん」、娘のくまは「くまちゃん」。それぞれ赤ちゃんのときにいただいたくまたちなので、思い出がいっぱいです。なので2人とも、自分のくまはどこにいるのか……と、イラストに見入っていました。
 くまはテディベアにも代表されるように子ども時代に欠かせない存在で、それゆえ、絵本にもたくさん登場します。一度、家にくま絵本がどれだけあるか数えてみたことがありました。割合として予想通り、くまが1位。2位が犬、ねずみ、うさぎ、3位ゴリラ、とら、鳥、4位ライオン、ぶたという結果でした。さすが、クマちゃん! 
 息子のおすすめで星5つです。
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自信を持っておすすめしたい 好奇心いっぱいのデイジー  投稿日:2006/03/17
こっちにおいで デイジー
こっちにおいで デイジー 作・絵: ジェーン・シモンズ
訳: 小川 仁央

出版社: 評論社
 「ママのそばにいるのよ」「こっちにいなさい」――。そう言われて「はーい」とお返事しても、あひるのデイジーはまわりに気がとられ、いつの間にかお母さんとはぐれてしまいます。
 デイジーの姿は、親にはおなじみの光景かもしれません。わたしも即座に息子と重ね合わせ、幼い子どもの好奇心に、ほほ笑ましいと感じながらもハラハラする気持ちを想起しました。
 小さなデイジーの体験は、ほんの短い時間でのできごとですが、大胆な構図と筆致でドラマチックに描かれます。迫りくる緊張感は作品のクライマックスで、読み手もいつの間にかガマの茂る水辺に誘われている感じ。作者の実力が感じられます。ここは何度読んでも息を凝らす場面ですね。
 緑香るさわやかな風がわたってきそうなイラストなので、読むとしたらこれからの季節がぴったり。あどけないデイジーの表情を見ているだけで、シリーズ化された理由も納得できるというものです。小さなお子さん向き。
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自信を持っておすすめしたい チャボと一家のあたたかい交流  投稿日:2006/03/16
チャボのオッカサン
チャボのオッカサン 作・絵: ボブ・グラハム
訳: まつかわ まゆみ

出版社: 評論社
 湖でおぼれかけていたところを助けたことから、ケティの家にチャボがやってくるようになります。動物と家族の交流物語と聞くとよくあるお話と思うかもしれませんが、これがなかなか味わい深いのです。「ふつうなら おはなしは これで おしまい……でも、おわらなかったんです!」のナレーションが3回ほど続き、そのたびに、次は何が起こるのだろうと好奇心いっぱいにページをめくることになるのですから。赤ちゃんだったケティがお姉ちゃんになるまで描かれるお話は、連続ドラマのように展開され巧みに読者をひきつけていきます。
 ケティの家族がまたいかしています。お父さんはピアスにポニーテール、アイビー帽といういでたちで赤ちゃんのケティを背負い、お母さんは赤毛のベリーショートでパンク風。でも礼節をわきまえた若夫婦で、チャボのために何度も農場に足を運ぶ心優しい2人なのでした。
 お話のおもしろさで満足し心がホカホカ温まる読後感は、他ではあまり体験したことがありません。タイトルもそうですが、内容もユニークで秀作です。裏表紙見返しまで味わうことが大事ですね。
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自信を持っておすすめしたい あひるどんの哀歌が聞こえる  投稿日:2006/03/13
はたらきもののあひるどん
はたらきもののあひるどん 作: マーティン・ワッデル
絵: ヘレン・オクセンバリー
訳: せな あいこ

出版社: 評論社
過酷な労働に追い立てられる1羽のあひるどんが主人公です。農夫ののらくらどんは、その名のとおりの怠け者。家事、農場の仕事はあひるどんがすべて切り盛りしていました。これを見かねた農場の動物たちは知恵を出し合って、ある計画を立てます。
 疲れてフラフラのあひるどんの姿が涙ぐましい絵本です。ストーリーはよくある展開かもしれませんが、なんといっても1番の魅力はオクセンバリーの表現力豊かな絵と動物たちの鳴き声でしょう。「ぐわっ!」「もおおっ!」「めええっ!」「こけっ!」――これだけでコミュニケーションをとる動物たちの姿がほほえましいです。完全に擬人化せず、動物のままで話す姿がユーモラスなのですね。
 画力は、さすがです。のらくらどん、あひるどん両者の表情を見ているだけで、もう大満足という感じ。息子にはすでにおなじみのお話でも、やはり、絵と音が魅力なのだと思います。娘といっしょに聞き入っていました。
 それにしても、あひるどん、よく頑張りました。心から拍手を送ります。
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