新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

mach_ikeda

パパ・50代・神奈川県、女の子11歳

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mach_ikedaさんの声

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なかなかよいと思う 素敵な「としょかんのきまり」  投稿日:2016/11/29
としょかんライオン
としょかんライオン 作: ミシェル・ヌードセン
絵: ケビン・ホークス
訳: 福本 友美子

出版社: 岩崎書店
子供たちを見つめる優しいライオンが描かれた表紙。
「としょかんライオン」というのはどんな物語なのだろう、と表紙をめくるといきなり通りを闊歩するライオンが目に入ってきます。ここから既に物語のはじまりはじまり。

のっしのっしと図書館に入っていくライオン。みんな固唾をのんで見守ります。百獣の王、ライオンですが不思議と怖さはありません。
小心者のマクビーさんと、きまりにうるさいけれどきまりを守れば寛容なメリウェザーさん、そして、としょかんのきまり―「はしってはいけない」「しずかにしなくてはいけない」これらのきまりがこのあとの物語に絶妙に絡んできます。
子供達はやっぱり無邪気。次第にライオンに慣れ親しんでいきます。

ライオンが大きなこえで吠えても、不思議と怖ろしさを感じないのは、ライオンに愛情こめて描いているからでしょうか。ユーモラスにさえ見えます。たくさん書かれた「うおおおおおおおおお!」を3歳の娘が指で追いながら読みます。

としょかんのきまりに従い、静かにすることを約束したライオンは晴れてとしょかんへの出入りを許され、子供たちだけでなく、気難しそうなメリウェザーさんとも打ち解け手伝いをするようになります。

でも幸せは長く続かないもの。
怪我をして動けなくなったメリウェザーさんを助けるため、としょかんにいられなくなるのを覚悟でライオンは「いきてきたうちで、いちばんおおきなこえで」吠えます。その姿は気高く、そして堪らない哀しみを秘めています。
強く悲しい「うおおおおおおおおお!」をまた娘が指で追いながら読みます。

ライオンがいなくなったとしょかん―なんてさみしいんでしょう…。みなあのふさふしたライオンに会いたいのです。
とうとうあのマクビーさんが動きます。けして悪い人ではなかったのです。ライオンを見つけたマクビーさんは素敵な言葉を残して去ります。

新しいとしょかんのきまり。
「おおごえで ほえてはいけない。ただし、ちゃんとしたわけがあるときは べつ。」

こうしてライオンはまたとしょかんに戻りました。みんなの笑顔。
心がほっこりする物語です。
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なかなかよいと思う 大人もたのしめる  投稿日:2016/11/26
つばめこうくう
つばめこうくう 作: もとやす けいじ
出版社: 佼成出版社
まず、表紙のインパクトで思わず手にとってしまいました。
柔らかいタッチでありながら、ビビッドな色づかいが目を引きます。

表紙をめくると裏表紙にも、本当の機内にある「あんぜんのしおり」さながらのかわいいイラストが描かれており、いやがうえにも期待が高まります。

「ようこそ!くうこうへ!」の出だしで始まる語りとダイナミックな構図に、一気に引きこまれます。
つばめが飛行機になっているので誰が乗るのだろうと思っていたら、お客さんやスタッフはみんな虫…。
何度か飛行機に乗った事のある3歳の娘も、「ここにも虫がいるよ!こっちにも虫!」と大興奮。
はじめて飛行機に乗るというカエル家族を主軸にして話が進みます。
空港の内部の様子も、兎に角緻密で至る所に”空港あるある”が散りばめられていて「そうそう」と頷いてしまいます。一方でジュースの缶がカウンタになっていたり、太いストローが搭乗通路としてさりげなく使われていたりして、斬新なアイデアに娘ともども感心しきり。

プールから離陸したつばめ飛行機から見下ろす地上の様子もまた楽しい。特にニューヨークとおぼしき街のきらきら光るネオンの中にはウィットに富んだパロディもあって思わずニヤッとしてしまいます。
そのまばゆい光のページから一転、次のページでは静かに輝く月と一面の星空のなかを飛ぶつばめ飛行機が描かれており、その静けさを一層際立たせています。

さあ、よがあけたらいよいよ目的地のみなみのしま。
さんさんと輝く太陽、トロピカルな海の描写がまた美しく、みなみのしまでは常夏の島らしくオレンジ一色の空港がお出迎え。

最後は機体をつばめから外しておつかれさま、という形で終わっていますが、もっとこの世界観に浸っていたく、若干物足りなさを感じるほどでした。
どんな人が作者か見てみたら飛行場で働いていたとか。”道理で”と合点がいきました。きっと楽しく仕事をされているんだろうなと想像できます。
物足りない気持ちをカバーしてくれるように、最後まで飽きさせない趣向なのか、背表紙の裏にも楽しいイラスト、背表紙にも競合会社?のマークが描かれ、実際に商標として使えそうに見えるほどセンスの良さを感じます。

総じて、大胆な構図、メリハリの利いた色づかいと細部にまでこだわった緻密な絵、子供にとってはワクワクするでしょうし、大人でも大人の視点で楽しめる本でした。に留まらず、特に飛行機や空港といった題材及びカラフルなタッチは、海外でも大いに受け入れられるのではないかと思いました。
参考になりました。 0人

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