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2009年11月29日

『ピックとニックの冒険』山本真嗣さんが遊びにいらして下さいました!

山本真嗣さんがあそびにきてくださった記事は移行いたしました。

『ピックとニックの冒険』山本真嗣さんが絵本ナビオフィスに遊びに来てくださいました!

2009年11月24日

絵本『かわいいことりさん』他
翻訳者石津ちひろさんにインタビューしました!

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それぞれ個性的な翻訳絵本『かわいいことりさん』『サラちゃんとおおきなあかいバス』『おばけやしきにおひっこし』(全て光村教育図書刊)。これら3冊の翻訳をされているのは絵本作家、翻訳家として活躍されている石津ちひろさんです。

更にこれから発売される最新刊『ふゆのようせい ジャック・フロスト』の発売を記念しましてインタビューが実現しました!それぞれの作品の魅力について翻訳された石津ちひろさんからの口か語られるこの企画。何とも贅沢だと思いませんか?
インタビューを通して、絵本作家としての石津さんの魅力についてもたっぷりお伝えできると思います。どうぞお楽しみください。

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石津ちひろ
1953年愛媛県生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。3年間のフランス滞在を経て、絵本作家、翻訳家として活躍中。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞、『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞。訳書に『リサとガスパール』シリーズ(ブロンズ新社)他多数。

石津ちひろさんの作品はこちらから>>>
            

お会いした瞬間から、太陽の様に明るく気さくなオーラが伝わってくる石津ちひろさん。最初から笑いの絶えない楽しい雰囲気の中、取材をスタートさせて頂きました・・・。


◆特別な一冊『かわいいことりさん』                                                    

まず最初の一冊は、石津さんもお気に入りというこんな絵本についてお伺いしました。          

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かわいいことりさん』 
クリスチャン・アールセン・作 石津ちひろ・訳  光村教育図書刊
※作品の内容詳細・みどころはこちらから>>>


最初に出会った時から・・・。
小さな頃から鳥が大好きだったという石津さん。モチーフとしての鳥も好きで、色々小物を集めたりもされていたそうです。だからこそ、この絵本は、表紙をひと目見てとても気に入ってしまったそうなんです。

「でもそれ以上に、読んでみてその内容に強く心を惹かれました。人間にとって、避けて通れない「死」というものが大きなテーマになっていて、本当は悲しいお話なのですが、でも、もしこんな形で人生の最期が迎えられるのであればそれは幸せなことなんじゃないかと思えたんですね。この絵本の登場人物たち(鳥を観察するのが仕事のプリュームさん、鳥のさえずりが好きな奥さんのマドレーヌさん、そして孫娘のチェリーちゃん)みんなが鳥を通して密接なつながりがありますよね。そこのところがうまく出せればいいなと思いました。」

個人的にもすごく思い入れのある一冊
そもそも「動物が好きな人に悪い人がいない」という想いがあるとおっしゃる石津さん。この作品も、とにかく好きなお話だなと思って、心を込めて翻訳されたそうです。でも完成した後、石津さんにとって大きなある出来事があったそうで・・・。

「この絵本が出来上がったあと、(本作を出版された)出版社の方にお会いしたんです。その時に、なぜかしきりに自分の父の話をしたんですよね。普段あまり父の話をすることなんてなかったのに。実は、そのちょっと前から父は具合が悪かったのですが、出版社の方にお会いした後すぐに容態が悪くなったと連絡が入り、慌てて駆けつけて、その10日後に亡くなったんです。
そういうかなり悲しい事があって。でもこの本があったおかげで、『父はいつもそばにいてくれるんだ、見守ってくれているんだ』と思えて、支えになってくれたところがあったんです。絵本の中のチェリーちゃんのように、父から受け継がれていくものがあるんだろうな、と。父が最期に『みんながいるから幸せ』と言っていたのがとても心に残りました。
そんな風に自分の事とも照らし合わせながら、例えば悲しい思いをした人でも、この絵本を読めば何か救いを感じるんじゃないかな、と考えて。だからとても大切な一冊なんです。」

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作者クリスチャン・アールセンの魅力について
石津さんの目から、この作品の具体的な魅力についてもお伺いしてみました。

「登場人物、鳥、果物、ケーキなど、出てくる全てのものをすごく丁寧に描かれていて、愛情が感じられますよね。日常生活をとても大切にされている感じが伝わってきて、いいなと思います。色づかいもとても鮮やかで、お子様が見ても親しみやすいんじゃないかしら。それに、悲しみも喜びも感情を色で表現されていてるのも魅力的。
重厚なテーマを扱っているけれども、読んだ後にほのぼのとした気持ちになれるんですよね。それでいて大切なものは残る感じ。それは、絵の力によるところも大きいのかもしれませんね。『死』というものをいい意味で身近であたたかく描かれているところにとっても共感できます。」


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翻訳について
静かに淡々と、でも楽しさや愛らしさも伝わってくるような文章がまたとても魅力的。翻訳される時に気をつかう部分はあるのでしょうか?

「翻訳している時はいつも無意識ですね。原書の雰囲気を壊さずにと思って表現しています。しっとりと落ち着いた感じで、でも重くなりすぎず・・・という感じに自然と表現できたかな、と思ってます。」

原書のフランス語のニュアンスも出ていると喜ばれていた編集の方。きっと、英語とフランス語、両方に堪能な石津さんならではの表現もあるのでしょうね。

読み終えた後に・・・

「この絵本を読み終えた後に、家族や親子、または兄妹、夫婦間など少しでも感想を述べ合ったりしてくれたらいいなと思いますね。一冊の絵本なんですけど、一つの演劇、映画を観終わったような感じってあると思うんですよね。絵本以上の広がり、深みがあるような気がします。まだ小さいチェリーちゃんですが、こういう思い出があれば、きっとこれからの困難も乗り越えていけるんだろうな、なんて思ったりします。」



 ◆子どもの心に寄り添うお話『サラちゃんとおおきなあかいバス』                                                 

次にご紹介するのは、小さな女の子が主人公のこんな絵本。

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サラちゃんとおおきなあかいバス
ジェーン・ゴドウィン・作 アンナ・ウォーカー・絵 石津ちひろ・訳 光村教育図書刊
※作品の内容詳細・みどころはこちらから>>>

取材日の2~3日前に出来上がりを見られたばかりという石津さん、ちょっとほっとされた様子で話して下さいました。

まず名前をつけるところから
「原作では主人公の女の子は『LITTLE CAT(リトルキャット)』と表現されているんです。愛称なのかな?それで、まず女の子に名前をつけたいと思ったんです。親しみが持てるように『~ちゃん』がいいなと思って。絵本の中でも一番小さいですしね。それから、日本にもありそうだけど世界共通の名前は・・・と考えて。そしたら知り合いの娘さんの「サラちゃん」っていう子が思い浮かんだの。(石津さんの)娘に聞いてみたら『うん、ぴったりぴったり。』って言ってくれて。」

そうして決まった名前サラちゃん。

「親しみやすくて、愛おしい存在。でも本人にはすごく不安な気持ちがあって・・・。そんな感じが出せたらいいなと思ったんですよね。」

石津さんにとってのサラちゃん

「最初、原書で『LITTLE CAT』と表現されていたこともあって、猫好きの私としては、この子のことを見守ってあげなきゃいけない存在だなと思ったんです。でもそれと同時に、私自身、子どもの頃二人の姉の後ろをついてまわっていて、サラちゃんに自分を投影するような感じもあって。立場として両方の感情がありましたね。」

赤いバスとサラちゃんの関係
そんな小さなサラちゃんと対照的に、とても大きな存在として描かれている赤いバス。その関係性の変化もこのお話の大きなみどころですね。

「サラちゃんにとってのこの大きな赤いスクールバスというのは、楽しいのだけれど、どこかちょっとやっかいな存在でもあるんです。(お姉ちゃんはすぐに友達の所へ行ってしまうし、好きな場所にはなかなか座れないしね。)だけど憧れの存在でもあって。ある日、ハプニングがあったけれど、サラちゃんは一番前の特等席に乗って一日過ごせるんです。まるで自分だけの秘密ができたみたいに。『わたし、一番前にのったことあるんだもん。』って。その満足感でこれからの日々、もう赤いバスのことはずっと好きなんじゃないかなと思えました。
赤いバスというのは、『物』なんだけれど、サラちゃんにとってすごく大きな存在で、社会でもあるわけですよね。自分が小さいばかりにいつも損な立場にあるんだけど、ある日一人で不安な思いをして、でもそのおかげで一番前に座れるというラッキーなできごとがあって。」

そんなちょっとした事が、サラちゃん自身をリラックスさせるかけがいのない思い出になったのでは、とおっしゃる石津さん。大人の目線から見ると、本当に些細で微笑ましい出来事なんだけれども、確かに自分がサラちゃんの目線に降り立ってみると・・・これは大事件ですよね。サラちゃんの目線を追っていくうちに、子どもの頃の不安な気持ちを思い出したり、自分の中のそんな経験と結びつけて思い出したりして。
(実際この取材時にも、それぞれみんなの小さい頃の思い出や、バスの中での出来事などが次々と飛び出して大いに盛り上がったんです!)

「そんな心情の変化やバスの存在感の変化が、絵によって繊細に細かく、そしてとても愛らしく表現されています。読みながら、また眺めながら、子ども達は自分に照らし合わせて、また大人は思い出したり見守ってあげたりしながら楽しんでほしいですね。」



◆立派なご意見番!                                                              

少し話ははずれますが・・・『サラちゃんのおおきなあかいバス』についてのお話の中で、名前を決定される時に娘さんに相談されたとおっしゃっていましたね。

「娘には普段から色々手伝ってもらってるの(笑)。小さい頃からバレエを習っているので『くるみわり人形』などのバレエの絵本では、ポーズを全部チェックしてもらったり。作品についても意見を聞いたりするんです。結構ダメ出しがあるんですよね。『全然ダメじゃん。』『うん、随分よくなった。』『これじゃ石津ちひろじゃないよ。』なんて(笑)。」

ご家庭での雰囲気も伝わってきます。そんな一面が垣間見られると、石津さんにぐっと親しみを感じられて嬉しくなっちゃいますね。
さて、次にご紹介する作品では、そんな娘さんがご意見番として大活躍されたそうで・・・。



◆娘さんもお気に入り!『おばけやしきにおひっこし』                                                    


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おばけやしきにおひっこし
カズノ・コハラ・作 石津ちひろ・訳 光村教育図書刊
※作品の内容詳細・みどころはこちらから>>>

テンポの良い絵本の翻訳は結構大変!?

「この作品は絵がとってもくっきりしていて、文章が短くて、リズムがあって、きびきびしていて。軽やかな感じを・・・と思って訳してみたんです。そしたら娘から『全然ダメ、テンポが良くない』ってはっきり言われて(笑)。それでまた最初から全部やり直したんですよね。」

確かにこの作品は、先に紹介した2冊とはがらっと雰囲気が変わりますね。石津さんに対するこちらの勝手なイメージで想像して、こういうパキっとした感覚の作品の方がご自身に近くて翻訳しやすいのかなと思っていると・・・。

「翻訳の時は結構しっとり系の方がすんなりと出来上がるんです。言葉遊びなんかを作っていると、歯切れのいい言葉づかいがぱっぱと浮かぶんです。それが翻訳になると、こういうタイプの作品は、結構何度も何度もやり直しながら、絵と合わせてしっくりくるように完成させていく事が多いんですよね。(『リサとガスパール』シリーズなんかもそういう感じなのだそうです!)娘が感覚的にダメ出しをしてくれることも多いですね。」

それでも次に出来上がってきた石津さんの文章は、編集の方もはっとする程がらりと変わっていて、本当に感動されたのだそうですよ。結果的には、娘さんもこの作品が大のお気に入りとなったそうです!


作品の魅力
表紙からぱっと目をひくこの作品。オレンジと黒の2色の風景に、白い紙をはったような表現のおばけがとってもユニークです。作者はイギリスで活躍されているカズノ・コハラさん。まだとてもお若い方なのだそうです。翻訳者の石津さんの目から、その魅力を語って頂きました。

「使っている色自体はとても少なくて、構図もシンプル。でもここまでみごとに表現できるなんてすごいなと思いますね。人を引き込む力があるんですよね。すぐ目の前でその出来事を見せてくれているような。版画で表現されているんですけど、リアルに目の前で展開しているような躍動感があって。お話の方も、テンポが良くてぐいぐい進んでいきます。読み聞かせ会などで読んだとしたら、例えば絵本に慣れていないようなお子様でも引き込まれていくでしょうし、みんなが楽しんでいる様子が目に浮かぶようですね。」

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マージョリィとオスカー
この作品も、原書では名前はついてなかったそうです。そこで親しみを持ってもらうために名前をつけようという話になったそうです。ところが、カズノ・コハラさんは日本人の方なので(イギリスを拠点に活動されているので、原書は英語。)翻訳版を出版するにあたって、コハラさんご自身の指定で新たに名前がつけらたそうですよ。
女の子がマージョリィで、ねこがオスカー。魔女らしく、それでいてとってもキュートな名前ですよね。



 ◆最新刊は『ふゆのようせい ジャック・フロスト』                                                  

以上3冊に加えて、最後にご紹介するのはこれから発売される新刊『ふゆのようせい ジャック・フロスト』。『おばけやしきにおひっこし』の作者カズノ・コハラさんの新作です。取材時にはまだ出来上がっていなかったので、どんな内容なのか、石津さんに少しご紹介して頂きました。


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ふゆのようせい ジャック・フロスト
カズノ・コハラ・作 石津ちひろ・訳 光村教育図書刊
※作品の内容詳細・みどころはこちらから>>>

『おばけやしきにおひっこし』とはまた違った魅力!

「『おばけやしきにおひっこし』と同じ作者の方の新刊なんですが、雰囲気がまたガラっと変わって。こちらは冬の冷たくて澄み切った空気、ひやっとする感じが伝わってきますよね。色が本当にきれいで、空気感がすごよく伝わってきて。」
今作の舞台は冬。きれいな青い風景に、まばゆいばかりの白い線がとても印象的!

「季節は冬。退屈していた男の子の所へ、ジャック・フロストという『ふゆの精(日本語で直訳すると霜の精なのだそうです!)』が現れるんです。ジャック・フロストと一緒に、男の子は雪や氷の上であらゆる冬の遊びをします。この場面は実際に一緒に体験しているようで、見ていてすごくワクワクするんですよ。
でもある時男の子が聞くんです。『ねえ、ずっといっしょに遊べるの?』
ジャック・フロストは『遊べるよ。でもぼくの前で春の話はしないでね。魔法がとけちゃうから』と言うのですが・・・。(続きはお楽しみに。)
ちょっと切ない部分もあるのですが、最後にとてもあたたかい気持ちになれる内容です。
もちろん、雪がたくさん降る地方の子どもたちが読んでも楽しいですし、反対に雪を見たことがない様な暖かい地方の子ども達も、憧れの気持ちで楽しんで読めるかもしれませんね。」

これから要注目の作家さん
この作品では、前作とはまた違った魅力を発揮しているカズノ・コハラさん。冬の風景の描き方など、とても大人っぽく上品な雰囲気。でも登場人物たちがとても可愛らしく、そんなバランス感覚が何とも絶妙と石津さんも絶賛!コハラさんの作品は、出版されたイギリスでまず火がつき、更にニューヨークでも『おばけやしきにおひっこし』(初めての絵本!)でニューヨークタイムズ・ベストイラスト賞に選ばれるなど、世界が注目する新進気鋭の絵本作家さんなのです。これからの展開も本当に楽しみですね。

翻訳版にだけ登場!
最後にとても石津さんらしいエピソード。『ふゆのようせい ジャック・フロスト』では男の子と一緒にワンちゃん(犬)が一緒に描かれています。原書では文章には登場していないそうなんですが、石津さんの翻訳バージョンにはちゃんと一緒に登場しているそうです。

「(編集の方に)言われて、『あぁ、そういえば』って気がつきました。ワンちゃんとか動物が出てくると無視できないんです、私(笑)。自然と登場させていました。」

そういえば『おばけやしきにおひっこし』でも、猫にもしっかり名前が与えられています。本当に動物が大好きなんですね。

今回ご紹介頂いた作品4冊に、石津ちひろさんが直筆サインを描いてくださいました!

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気になる作品がありましたら、是非チェックしてみてくださいね。
続いて、絵本作家石津ちひろさんについてもお伺いさせて頂きました。



◆絵本作家 石津ちひろさんが生まれるきっかけ                                                    

今回の特集の様に、絵本の翻訳家として大活躍されている石津ちひろさん。(「リサとガスパール」シリーズも全て石津さんが翻訳されてます!)でも「言葉の魔術師」と評される通り、回文やなぞなぞを初めとして言葉遊び絵本をたくさん生み出されている作家さんでもあります。その他絵本作品も合わせると、絵本ナビに登録されているだけでも170作品以上!そのラインナップを見ていくと、意外と慣れ親しんでいた絵本が実は石津さんの作品だった・・・という方も多いのではないでしょうか?そんな石津さんに、絵本の仕事に携わるきっかけとなったエピソードをお伺いしてみました。

全てのきっかけは回文から

「絵本の仕事を始めさせて頂くきっかけとなったのは『まさかさかさま 動物回文集』(絵・長新太 河出書房新社刊)でした。」
と石津さん。全ては回文がきっかけなのだそうです。

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「パリに留学していた時に、たまたま集まっていた2~3人の日本人のお友達とカフェでお茶をしていた時、『回文の作りっこをしよう。』という話になったんです。その当時、回文なんて知らなかったので聞いてみると『上から読んでも下から読んでも同じもの』とのこと。で、『例えば・・・きしゃのやしきとか?マカオのおかま?』なんて口に出してつくってみたんです。そしたらお友達が『紙に書かないで出来るんだ。すごーい、天才!』なんて言うから、『てんさい?じゃあ・・・さいさんててんさいさ。』どんどん出来たんです。それがすごくお友達に受けて。私こんなに受けたことなかったかも!なんて思った事が回文作りの最初のきっかけでしたね。」

うーん、何とも軽やかなきっかけ。口に出してみたら出来たなんて、石津さんらしいエピソードです。でも、ここからがもっとスゴイ。

回文が本になるまで

「それから日本に帰ってきて。暫く回文の事は忘れていたんですけど、ある日部屋にかすみ草を飾った時にふと『カスミソウ?逆さに読むとウソミスカ。じゃあ・・・わたし かすみそう うそみすかしたわ』できた!と。他にも『きりん ねていて ねんりき』『ちんぱんじいから かいじんぱんち』なんて色々思いついたんです。お友達に話してみたら、『それ絶対面白いよ!動物ばっかりで作ってみたらどう?』って言ってくれたんです。それで10個位書いてたんですよね。」
このお話を聞きながらも、石津さんの口からスラスラ出てくる回文に驚かされっぱなしです。いくらでも出てきそう・・・。

「ある日、何かのきっかけで河出書房新社の方から『お茶でも飲みにいらっしゃい。』と誘われたんですよね。飲みにいらっしゃいと言われても、何も持っていかないのも・・・と思って、作った回文を10個位持って行ったんです。そしたら『これ、面白いかも!』と言ってくださって。この動物回文を80~100個位書けたら本に出来るかもしれない、と言われたんです。」

もう、その帰りからずっと回文を考え始めたという石津さん。この頃お子様が誕生されたばかりで、なんと0歳の赤ちゃんを抱えながらずっと作っていらっしゃったそうです。目に見えたもの何でも回文にして・・・。

「そしたら130個位出来たんです。」

130個!そうして本を作る事になったら、今度は絵を長新太さんが描かれることになって。今では回文を書きながら絵が同時に浮かぶ事も多いという石津さん、この時の長さんとのやりとりで色々学ばれた事が多かったそうです。何ともうらやましい話ですね。その後も藤枝リュウジさんと組まれた人気シリーズなど、回文や早口言葉など言葉遊びシリーズは沢山出されてます。

お子様との生活の中で生まれた「なぞなぞのたび」
それにしても、まさに子育ての思い出と、回文作成の思い出が一緒になっている感じなのではないでしょうか?

「そうそう。だから娘は小さい時、原稿用紙のマスを○で埋めながら『オシゴト』『マシャカシャマよ』なんて言ったりしていましたね。ちょっと大きくなると、幼稚園のお迎えの自転車の上で『ママ早く帰りたい』って言うから、お腹空いたのかな?と思ったら『いい絵の考えが浮かんだの』なんて口にされて、驚いたこともあります(笑)。」

「そんな風にして家でずっと仕事していたから、じゃあもう日曜日だけは仕事をやめよう、娘となぞなぞでもしよう!・・・で生まれたのがこの『なぞなぞのたび』なんです。」

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まさにお子様との遊びの中から生まれた絵本だったんですね。この絵本、小学生に大人気です。この日も石津さん自ら出題してくれました。

「あさにはなくて ひるにあらわれ よるのあいだは ずっといて 
 あさになると またきえる さていったいなあに?」
さあ、皆さんも考えてみてくださいね!絵を見ながら考える問題なので、気になる方は本を覗いてみてください。(※答えは記事の最後で)

更につながっていって・・・
その『なぞなぞのたび』を、あるイベントでみんなの前で読む機会があったそうです。たまたま新沢としひこさん(シンガーソングライダー・絵本作家)が司会をしていらしたそうで。(新沢さんはすごく回文がお好きだったらしく、石津さんに初めて会われた時も「あの『まさかさかさま』の石津さんですか!』なんてすごく喜ばれていたそうなんです。)

「なぞなぞをいくつか読み終えた時に、新沢さんが『石津さんのなぞなぞって、何だか詩みたいだよね。』って言うから、照れ隠しに『知らなかった?私詩人なのよ。詩を書かない詩人なの。』って言ったんです(笑)。」

それをたまたま会場で編集者の方が聞いてらして、数日後、石津さんに声をかけられたそうなのです。「詩集を出しませんか。」って!それがきっかけで出来上がったのが『あしたのあたしはあたらしいあたし』。

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ここまでお伺いしていて多くの方も感じられているでしょうが、本当に<お仕事のしりとり>みたいだと思いませんか!何だかとっても不思議なお話です。その後も絵本のお話を書かれたり、翻訳の仕事をなさったり。大活躍の石津さんなのです。
石津ちひろさんの作品一覧はこちらからどうぞ>>>




◆娘さんとの貴重なエピソード!                                                 

お話の中で、度々登場している石津さんと娘さんとのエピソード。子育て中の方が多い絵本ナビ読者にはとっても気になる部分ではないでしょうか。そんな皆さんの為にとっておきの微笑ましいエピソードも教えてくださいました!

「実は、リサとガスパールの絵本の中でよく登場するセリフ『ひゃー、やっちゃった。』というのは、娘の口グセだったんです。よく驚いた時に『ひゃー!』って言ったり、失敗したら『やっちゃった。』なんて言っていて。」

そうだったんですね!あの可愛らしいセリフは、シリーズを通してもとっても印象的ですよね。あれ、そういえば『あしたうちにねこがくるの』の中にも「ひゃー、かわいい」というセリフがありますね?

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「あ、そうそう。これもそうですね。」
それから思い出したように・・・
「そういえば、娘が小学生の頃に移動教室をかねて山登りに出かけた事があったんです。その日に担任の先生が宿泊先から家に電話をかけてくださったんです。どきっとして、『何だろう?』 と思っていると、先生が『実は・・・娘さんが、猫を拾ったんです。』って言うんです。『それが・・・とっても可愛いんです。2匹なんです。』って(笑)。」

娘さんは猫を連れて帰りたいと泣くし、校長先生に確認をしなければならないし、ミルクをやらなければならないし、ちょっとした騒動になっていたようなんです。

「それで、家でわくわくしながら待っている間に私が考えたんですよね。『どんな猫なんだろう?』『山にいた位だからすごく弱ってるのかな?』『目は何色なんだろう?』なんて。そしてたらすご―く可愛かったんです!!まさに『ひゃー、かわいい!』です。あの絵本は、実はこの出来事がきっかけで生まれたんですよ。」

そのまま2匹の猫は石津さんのご家族になられたそうです。



◆最後に・・・                                                  

絵本作家になられて良かったと思われる事はありますか?

「もちろん、自分の作品が本として出来上がるというのはとっても嬉しいことです。でも、何よりも・・・これは答えにはなっていないかもしれないんですけどね。絵本の仕事を始めてから、この業界の方達が本当にいい方ばかりなので嫌な思いをした事がないんですよね。絵本作家の方にしても、編集の方にしても。とてもいい方に囲まれて生活できるというのが、本当に幸せなことだなあって思うんです。」

絵本ナビ読者に向けてメッセージをお願いできますか?

「絵本っていうのは一冊ずつ完結していますよね。でも、例えば自分の好きな猫の絵本であったり、乗り物の絵本であったり、テーマを決めて読んでみたり。そういう風に系統をつけながら読んでいくと、世界が広がっていって楽しいですよね。
それからなぞなぞだったら、お子様に読むだけでなく、自分自身も一緒に考えたりして楽しんでほしいですね。更に自分でもなぞなぞをつくってみたり、回文や折句なんかを考えてみたり、参加してみる事を是非おすすめします。
他にも、例えば今回ご紹介した『かわいいことりさん』の本を読んだ後だったら「鳥を見つけてみよう』とか、「サラちゃん~」だったらバスに乗ってみようとか、シーツでおばけになってみようとか、絵本を読んだ後、日常生活に結び付けて考えてみると楽しめるかもしれませんね。」

なるほど、そんな風に絵本を楽しめるのも実際に子育てを楽しんでこられた石津さんならではなのかもしれませんね。

「それから大きくなってから絵本を読む事によって、子どもの頃の感覚を思い出せるという効果もあると思うんですよね。自然体だった頃の感覚を思い出したり、小さい頃に親に読んでもらって嬉しかった時の感覚を思い出せたり。そういう意味では、親子で絵本を読む時間っていうのは子ども達にとっては宝物のような、本当に大切な時間なのでしょうね。」

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ありがとうございました!
色んな方との出会いがとっても嬉しいとおっしゃる石津さんですが、話していると、こちらの方が何だか幸せな気分になってくるんです。きっとまわりの皆さんもそう思われているのでしょうね。ついつい長い時間お話をお伺いしてしまいました。
翻訳のお話から回文のお話、更には子育てエピソードまで、本当に独自の才能に溢れている石津ちひろさんに魅了されっぱなしのインタビューでした。

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最後に記念にパチリ!
この後、ご一緒にお茶までお付き合い頂いたのでした・・・。


※なぞなぞの答えは・・・「る」


2009年11月22日

豪華な顔合わせ!100年愛される絵本展オープニングより。

講談社創業100周年記念を記念して創作された4冊の絵本の原画が一堂に揃う、豪華な原画展が11月3日より新宿・コニカミノルタギャラリーで催されました。

長谷川義史さん『てんごくのおとうちゃん』のインタビュー記事を作成させて頂いた縁で、オープニングパーティーに出席させて頂きました!


あべ弘士さんの『エゾオオカミ物語』の迫力ある、そして美しいオオカミやふくろうの原画に驚かされ。荒井良二さんの『えほんのこども』では、原画ならではの新しい発見にワクワク。いもとようこさんの『とうさんのあしのうえで』では、改めていもとようこさんの優しく美しい絵にうっとり。そして長谷川義史さんの『てんごくのおとうちゃん』。話してくださった一つ一つのエピソードを思い出しながら原画をじっくり味わう贅沢さを体験!

そして。

何とこの日はあべ弘士さん、荒井良二さん、長谷川義史さんの豪華顔合わせが実現されたのです!

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それぞれの先生が、この絵本に立ち向かわれていた時のエピソードを可笑しく話してくださり。
入り口の看板に3先生が、それぞれ直筆でイラスト入りのサインをその場でスラスラ~

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あべ弘士さんが・・・                    荒井良二さんが・・・
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そして長谷川義史さんも。

感動です。

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貴重な3ショット!

「100年愛される絵本」って、考えてみればとても大きなテーマ。
今この絵本を読んでいる子ども達が大人になっても、そのまた子ども達が大人になっても同じ様に愛され続けているとしたら・・・。
そんな作品が生まれた瞬間に立ち会えた事自体が、嬉しくなってくるのです。

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作家さんの渾身の4作品。是非皆さんも味わってくださいね。

2009年11月18日

鈴木のりたけさん「続・しごとば」制作日記 その10

鈴木のりたけさんの「続・しごとば」制作日記は移行しました。
「続・しごとば」制作日記 その10
鈴木のりたけ「続・しごとば」制作日記


「続々・しごとば」PR日記公開中!
鈴木のりたけ「続々・しごとば」PR日記

あなたのお気に入り「あいうえおん」は?
アンケート結果の発表です。

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今年の6月、絵本ナビメルマガで『あいうえおん』の特集号をご紹介しました。
メルマガバックナンバーは">こちら>>>

その際に作者のあきびんごさんからの宿題として、「お気に入りあいうえおん」を募集しました。
詳細はこちら>>>

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あいうえおん
あきびんご・作 くもん出版・刊

この度、大好評の絵本『あいうえおん』がそのままカルタになりました。

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あいうえおんカルタ


その発売を記念に、カルタの札を使ってアンケート結果をご紹介してみましょう!


■ あなたのお気に入り「あいうえおん」を教えてください!                 



★1位
・・・1位はこちらの2点。べんとうは大人に、ゼリーは子ども達に人気がありました!

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「ベンチで べんとうが べんきょう」

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「ゼリーに ぜんぶ ぜっけん」



★3位
・・・次に人気があったのは、りりしいトラがカッコイイこちら。

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「とんぼに とらが とまってる」


★4位・・・4位以下は票が割れました。あなたのお気に入りは入ってますか?

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「ポストから ポップコーンが ぽろぽろ」     「メロンと めだまやきの めがね」
karuta_tin.jpg tin.jpg   karuta_oni.jpg oni.jpg
「ちりとりに ちいさな チンパンジー」     「おにの おならは おおきいな」

karuta_zarigani.jpg karuta_zarigani2.jpg
「ざぶとんに ざると ざりがに」

★9位

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「てんしと てんぐが テニス」
「ぶどうがぶたにぶつかる」
「あひるの あかちゃん あまえんぼう」
「いぬが いちごを いただきます」

★その他 

「きゅうきゅうしゃに きゅうりと キューピー」
「ニュースで にゃんこの にゅうがくしき」
「たこと たぬきが たいそう」
「すずめが すべりだいで スキー」
「げんかんで げたが げらげら」
「しゃちが しゃしんにしゃべってる」
「ケチャップと ケーキが けんか」
「ばしゃに ばけた バナナ」
「だるまが だいこんに だきつく」
「ぎょろめの ギョーザが ぎょうれつ」
「うまの うしろに うしがいる」
「へびの へやは ヘルメット」
「コアラが こたつで こっくりこっくり」
「パンダが パイナップルで ぱくぱく」
「さると つるが るすばん」
「ちょうの チョコレート ちょうだい」
「うさぎの ギターは ギザギザ」
「ヨットが よっぱらって よちよち」
「あんパンが しんかんせんを うんてん」



■ オリジナル「あいうえおん」を思いついた方は教えてください!                 

●「さると サメが さかなつり」

●「はさみの はしに はえ」(ハサミの端にハエ)

●「はな(花)が はな(鼻)に はな(話)しかける」

●「ウーパールーパーが うけつけで うまれる」

●「かっぱの からは かめ」

●「スリッパの すきまに すずめばち」

●「おかあさんが おおかみと おてだま」

●「あめのひに あまがえるさん あささんぽ」

●「おとうさん おみせで おろおろおろ」

●「きゅうりの きゅうどう かにとかきがかった」

●「くつに くりが くっついた」

●「パパの パンが パンクする」

●「ぶらんこに ぶらさがる」

●「さんまが さかみち サイクリング」

●「ビ-ルに 備長炭で ビビンパ」

●「かっこう かけっこ かてるかな」

●「ごきぶり ごきげん ごみのやま」

●「さるが ささっと さっていく」

●「きりんが きしゃに きりきりまい」

●「まんとひひが まらかすもって まわってる」

●「遠方に エリンギ似の えんどう君」

●「ほんのり ホットケーキの 本心」

●「ななめの なめこが 泣き通し」


皆さん、力作ありがとうございました!!
あきびんご先生にお伝えしましたからね。

他の方もこんな風に是非「オリジナルあいうえん」を作って遊んでみてくださいね。
意外と白熱しちゃうかもしれませんよ。

絵本『おそばおばけ』のできるまで
谷川俊太郎×しりあがり寿×祖父江慎

クレヨンハウス刊 谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」シリーズ第9弾『おそばおばけ』で谷川さんと組まれたのは漫画家しりあがり寿さん!この異色の組み合わせは聞いただけでもワクワクしてきます。更にブックデザイナーとしてもひっぱりだこの祖父江慎さんも加わって。一体どの様にアイデアが練られていったのでしょう。今回、クレヨンハウスさんが制作風景を絵本ナビの為に特別にご紹介してくださることになりました。これは貴重です。お楽しみください・・・。

 ■ あかちゃんから絵本の新作はこの3人で!  


『おそばおばけ』は、なんといっても谷川俊太郎さん×しりあがり寿さん+祖父江慎さんという、すごすぎる組み合わせ。最初の打ち合わせからもう、びっくりの展開でした。
谷川さんが、しりあがりさんのために用意したテーマは「せん」。
「ひと筆描きの線」が主人公という提案に、「ライブでできちゃうかも?」と、祖父江さんがその場でコピー用紙を貼り合わせ、しりあがりさんが鉛筆を手に「えいや~っ」と描きはじめ・・・(このようすを詳しく知りたい方は、[月刊クーヨン]2008年4月号を読んでみてくださいね!)。

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第1回目の打ち合わせのようす。左から谷川さん、祖父江さん、しりあがりさん。「ひと筆描きでやったらどう?」「フムフム」
(撮影/宮津かなえ)


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打ち合わせのテーブルが作業台に! いきなり絵本完成!? と思いきや・・・。
(撮影/宮津かなえ)


しかしながらやっぱり、あかちゃんになりきって絵本をつくるには、少し時間が必要でした。
宿題として持ち帰ったしりあがりさん。その後考えることおよそ1年・・・。
着地点を求めて絵本はさまよいました。もう、「せん」は無理かも・・・そんな気さえしてきた頃、しりあがりさんのラフスケッチを見た谷川さんから、パウル・クレーのポストカードが。細い線で描かれたその絵は、なるほど不思議な魅力がありました。・・・やっぱり「せん」でがんばることに。

「せん」=「めん(麺)」というアイデアがひらめいてからは、祖父江さんの事務所で作画の日々。弥次さん喜多さんなど、ご自身のキャラクターはサササーッとものの数秒で描き上げてしまうしりあがりさんですが、このシンプルな線は、意外に難しい! 祖父江さんの「これ!」というOKが出るまで、ひたすら線を描き続けたのでした・・・。



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コズフィッシュ(祖父江さんの事務所)で、しりあがりさん作画中。


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しりあがりさん原画です。こうして「ぼく」と「おそば」別々に描かれたものを組み合わせました。


そうしてようやく完成した絵に、谷川さんが「おそばおばけ」のことばをつけてくれました。うひゃー、「そばばばーん!」だって……! 

「読んだひとはきっと、一日でつくったんじゃないかと思うよね」と言い合いながら、手塩にかけて、手間ひまかけてできあがった絵本です。でも、そんな苦労はみじんも感じさせないこのナンセンス&ユーモアが、すばらしいではありませんか??
読者の方からは、「一度読んだときから子どものアンコールが出た」などうれしいお便りが届いています。
(文/クレヨンハウス編集部 吉原美穂)


☆完成した絵本がこちら!

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おそばおばけ
谷川俊太郎・文 しりあがり寿・絵 クレヨンハウス刊
※内容詳細はこちらから>>>

谷川俊太郎 
詩人。21歳のとき、第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行以来、絵本、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など、幅広く活躍。著作に『谷川俊太郎詩集』(思潮社)、『みみをすます』『わたし』『ことばあそびうた』(以上、福音館書店)、翻訳に『マザーグースのうた』(草思社)、『スイミー』(好学社)など。さまざまな画家、アーティストとの共作「あかちゃんから絵本」シリーズ(クレヨンハウス)は、今作が9巻目。

しりあがり寿
美術大学を卒業後、キリンビール株式会社に入社し、パッケージデザイン、広告宣伝等を担当。1985年、『エレキな春』(白泉社)で漫画家としてデビュー。近年はエッセイ、映像、ゲーム、アートなど多方面に創作の幅を広げている。著作に『真夜中の弥次さん喜多さん』(マガジンハウス)、『地球防衛家のヒトビト』(朝日新聞社)、『ゲバラちえ子の革命的日常』(中央公論新社)、『ゲロゲロプースカ』(エンターブレイン)など。

2009年11月16日

クリスマス配送日のご指定を承ります。

絵本ナビShopでは、クリスマス配送日指定を承ります。
ご希望の方は、絵本ナビShopでお会計いただく際、「配送・ギフト・支払方法」の
ページにて、お届け希望日をご指定ください。

なお、配送業者(ヤマト運輸)、および道路事情などの大変な混雑が予想されますた
め、12月23日~25日の配送日指定につきましては、ご希望のお日にちにお届け
できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

2009年11月12日

「オリジナルこびと」大募集!
新着こびとのご紹介<その2>です。

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※「オリジナルこびと」大募集に関する情報を随時更新していきます!

■最新「オリジナルこびと」のご紹介です!

皆さんが送ってくれた「オリジナルこびと」に、なばたとしたか先生が順にコメントを付けてくださいます。前回ご紹介したチャーミングなこびと2人(※こちら!)に続きまして、今回もユニークで愛嬌のあるこびと6人を新たになばた先生のコメント付でご紹介します!!


★たんぽぽこびと

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□なまえ    たんぽぽこびと
□体長      5~10cm
□せいそく地  空
□食べもの   水
□特ちょう    世界のみんなにしあわせをはこぶ。


【考えたひと】

RRさん   9さい

【なばたとしたか先生より】たまに飛んでるアレはコビトだったのか。
タンポポにこいつがいっぱい付いていると思うと、可愛いやら気持ち悪
いやら(笑


★木のえだコビト

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□なまえ    木のえだコビト
□体長      5~10cm
□せいそく地  草むら
□食べもの   水
□特ちょう    自分の頭に木がはえているので、その木に水をやる。
          そのため手が長い。どんどんのびる。


【考えたひと】

RRさん   9さい

【なばたとしたか先生より】気の枝はそこら中にあるから身を隠しやすいかもね。
みんなの家の庭にもいるかも?


★ばくだんコビト

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□なまえ    ばくだんコビト
□体長     6cm 
□せいそく地 工事現場の岩の間に隠れている。も~しかしたら、パンクしたタイヤの中にも入っている。
□食べもの  石とさかなコビト
□特ちょう   爆発して稲妻を放つ。
         アリを爆発させる。
         爆発して、ばくだんコビトの卵をあちこちに飛ばす。


【考えたひと】

しょうごくん   7さい

【なばたとしたか先生より】こわっ!いつも丸まってるのかな。
爆発して卵を飛ばすってすごいね(笑



★カレーニドジコミ

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□なまえ    カレーニドジコミ
□体長     10cm~15cm (トウチンをふくまない)
□せいそく地 家の中(カレーがある場所)
□食べもの  自分がおいしくしたカレー(少しカレーをぬすむ)
□特ちょう   インド人のようで、ときどきカレーに集まる。

※つぎの日にカレーがおいしくなっているのこのコビトのしわざ。


【考えたひと】

トミソーヤくん   9さい

【なばたとしたか先生より】
1日たったカレーはおいしいよね!
コイツのおかげだったとは!でもちょっとカレーを盗むんだ(笑


★ピカリワンパクコビト

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□なまえ    ピカリワンパクコビト
□コビト綱   ワンパク目 電気科
□体長     8cm~12cm (トウチンを含む)
□せいそく地 電気の中
□食べもの  おもにソケットや電球のはへん。
□特ちょう   コビトの中でも特にワンパクで動いていないと気がすまない、少しワンパクなコビト。
         仲間が住んでいる電気をせんりょうしてまう、仲間をたまにこがされり。
※電球が明るいのは実はこのコビトが中にはっているのだ!!
 街灯などあらゆるものの中にかくれている。


【考えたひと】

亨ビトさん   40さい

【なばたとしたか先生より】わんぱくと言う言葉を久しぶりに聞いたなぁ(笑
もしかしてこいつが動けば動くほど光が明るくなるのか。
電球の中で必死に走って人力発電してたら面白いね!


★エアコンオオコビト

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□なまえ    エアコンオオコビト
□コビト綱   大風目 省エネ科 エコ属
□体長     1cm~7cm 
□せいそく地 エアコンの中
□食べもの  エアコンについたほこり
□特ちょう   
いつもエアコンの中に住んでいて、エアコンからすずしい風やあたたかい風がでるのはこのコビトのおかげかもしれません。エアコンの中でこのコビトの群れがうちわであおいでいるからです。このコビトたちはすごくガンバリヤです。みなさん感謝しましょう!エアコンについたほこりなども食べてきれいにしてくれます。あたたかい風の時は、みんなで口から「はぁ~」と息をはいてあたたかい風を出します。エアコンが臭いのはこのコビトの口臭です。覚えておきましょう。


【考えたひと】

亨ビトさん   40さい

【なばたとしたか先生より】
みんなコビトの息で暖まっていたとは(笑
温風は「はぁ~っ」で
冷風は「ふぅ~っ」だったらいいかもね^^


可愛いこびとからかなり強烈なこびとまで・・・。こびとを見ているとどうしてこんなに力が抜けるんでしょうね(笑)。

さて、なばた先生は現在「こびとかるた」(!)制作真っ最中。
もう少しで、その力作が皆さんの前にお目見えするようですよ!
送ってくださったオリジナルこびとは全てご紹介する予定です。もう少しお待ちくださいね。。。(絵本ナビ編集部より)

2009年11月10日

【プレゼントキャンペーン実施中!】
絵本ナビShopリニューアルのお知らせ

 
 
いつも絵本ナビShopをご利用いただきありがとうございます。
絵本ナビShopからリニューアルオープンのお知らせです。


●リニューアルポイントその1●
お客様のニーズにあわせて、より探しやすく ~6つのジャンルを設定しました

 ◆本
  絵本・児童書を様々なテーマでご紹介。
  約4万タイトルの豊富な品揃えからお選びいただけます。
  育児書、実用書など、暮らしを豊かにしてくれる書籍もどうぞ。

 ◆キャラグッズ
  絵本の世界観そのままのキャラクターグッズをズラリと取り揃えています。
  お気に入りのあのキャラクターをお手元に。大人の自分使いにも人気です。

 ◆おもちゃ
  BRIO、ボーネルンド、プラントイなど、デザイン性が高く知性と感性を育む
  海外のおもちゃを中心とした品揃え。
  安全性にも配慮されています。

 ◆インテリア
  子ども部屋やリビングで、素敵な空間を演出してくれる、
  そんなキッズ家具や乗用玩具をセレクトしました。
  お友達がうらやましがることでしょう。

 ◆ギフト
  赤ちゃんや子どものいるご家庭へのギフトにぴったりのアイテムです。
  出産祝い、お誕生日、入園入学・進級など、目的別にお選びいただけます。

 ◆ベビー
  赤ちゃんのいる暮らしが楽しくなるアイテム満載!
  赤ちゃん絵本、ベビー用食器、ベビーグッズなど、
  今しか味わえない幸せを引き立ててくれます。


●リニューアルポイント2●
デザインを全面リニューアル、より見やすく、よりわかりやすいサイトになりました

総合トップページ(ホーム)では、取り扱いジャンルのオススメを一覧、
絵本ナビShopで取り扱っている幅広い商品がご覧いただけます。
各ジャンルでの人気商品も表示、今の絵本ナビShopでのトレンドが一望できます。
もちろん、商品の特徴をきちんとお伝えするサイト作りはそのままです。

また、新たに価格帯や商品カテゴリによる検索機能も追加しています。

より見やすく、よりわかりやすいサイトに・・・。
絵本ナビShopではこれからもお客様のご要望にお応えしていきます!!


<< 絵本ナビShopリニューアルキャンペーンのお知らせ >>

絵本ナビShopでは、今回のリニューアルを記念して、
期間限定絵本ナビShopリニューアルキャンペーンを開催いたします。
この機会に絵本ナビShopを、どうぞご利用ください!

■キャンペーン内容
期間中、税込5,250円以上お買い上げのお客様の中から抽選で以下の賞品を差し上げます。

  【一等】 全国百貨店共通商品券 壱万円分 (1名様)
  【二等】 全国百貨店共通商品券 五千円分 (4名様)
  【三等】 図書カード          参千円分 (10名様)
  【四等】 絵本ナビポイント  1,000ポイント (20名様)

■期間
2009年11月10日(ご注文分)~2009年12月24日(ご注文分)

■参加方法 
期間中に、絵本ナビ・絵本ナビShopで税込5,250円以上お買い上げになられるだけで
自動的に抽選の対象とさせていただきます。
特にお申込の必要はありません。
期間中は、1回あたり5,250円のご購入をしていただければ、何度でも抽選の対象となります。

■ご当選者の発表について
抽選は2010年の年明けを予定しています。
厳正なる抽選の上、ご当選された方には絵本ナビShopより
個別に連絡をさせていただき、賞品の発送をいたします。
なお、四等に当選された方(絵本ナビポイント1000ポイント)については、
ご連絡の上、ポイントを付与させていただきます。

2009年11月05日

メリークリスマス!絵本の読み聞かせ+コンサート

◆池袋コミュニティ・カレッジからのお知らせです。

 ・メリークリスマス!絵本の読み聞かせ+コンサート                        


■タイトル:
メリークリスマス!絵本の読み聞かせ+コンサート

絵本の話を中心にお菓子と紅茶を頂きながら、楽しく過します
1部(13:00~13:30)志茂田景樹:絵本読み聞かせ
2部(13:30~14:00)山田詩子:クリスマス絵本のお話とティーサービス
3部(14:00~14:30)東京音大学生・弦楽四重奏※演奏曲:クリスマスソング、ディズニー曲など。

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■日時:
2009年11月28日(土) 13:00〜14:30 

■場所:
池袋コミュニティ・カレッジ
場所の詳細はこちら>>>

■受講料:
会員 2,625円 / 一般 3,150円 / こども 1,050円
終了後、著書販売とサイン会あり 教材費:(お土産付き) 940円

■講師:
絵本作家、児童書作家、小説家、 「よい子に読み聞かせ隊」隊長
志茂田景樹
『黄色い牙』で第83回直木賞受賞。99年「よい子に読み聞かせ隊」結成後、タレント活動や小説執筆をセーブし、全国各地で読み聞かせ行脚を行い、童話・絵本執筆も手掛ける。

絵本作家、イラストレーター、 カレルチャペック紅茶店オーナー
山田詩子87年に“おいしい紅茶を楽しく!”をコンセプトにカレルチャベック紅茶店を開店、イラストレーター・絵本作家として雑誌の連載・挿絵など著書も多数あり。

詳しくはこちらをご覧ください。>>>

2009年11月04日

鈴木のりたけさん「続・しごとば」制作日記 その9

鈴木のりたけさんの「続・しごとば」制作日記は移行しました。
「続・しごとば」制作日記 その9
鈴木のりたけ「続・しごとば」制作日記


「続々・しごとば」PR日記公開中!
鈴木のりたけ「続々・しごとば」PR日記

絵本『ピヨピヨもりのゆうえんち』
工藤ノリコさんにインタビューしました!

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絵本の中せましと動き回るピヨピヨ5人きょうだいが大活躍。
一度見たら忘れられない愛くるしさ!と噂の絵本「ピヨピヨ」シリーズ

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待望の第3弾ピヨピヨもりのゆうえんちの発売を記念して、作者の工藤ノリコさんにいくつか質問をさせて頂きました!ピヨピヨ一家の世界に、すでにはまっている方にも、今気になり始めている方にも、その魅力をより深くお伝えすべくご紹介していきます。


■ テーマは遊び!                                              

【質問1】最新刊『ピヨピヨもりのゆうえんち』のテーマを教えて頂けますか?

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ピヨピヨもりのゆうえんち』 工藤ノリコ・作 佼成出版社

「森の中の遊園地でみんなに楽しく遊んでもらえたら、と思って描きました。」


工藤さんがおっしゃる通り、この絵本の中ではピヨピヨひよこ達5匹はもちろん、登場する全ての子ども達はとにかくあちらでもこちらでも遊んでいます。まさに子ども達にとっての「至福の瞬間」がつまっている様です。


【質問2】この作品を描かれている時、工藤ノリコさんご自身の子どもの頃の記憶が根底にあったのでしょうか?


「記憶のイメージと、浮かんでくるイメージと、半々な気がします。
この『森のゆうえんち』は、子どもの頃に連れて行ってもらった 「こどもの国」とか「アスレチック公園」など自然の中で体で遊ぶだけの場所で 本当に楽しく遊んだので、ピヨピヨたちもきっと楽しいだろうと思って 連れて行きました。 本格的な遊園地で大がかりな乗り物にのるのも楽しいですが、 身ひとつで走り回って遊ぶのが、何より楽しいと思うので。」


【質問3】描いていて、特にここが「お気に入り」という場面はありましたでしょうか?


「巨大な木でみんなが遊んでいるシーン、みんな楽しそうで描いてて楽しかったです。 」


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↑夢中になって遊んでいる様子を見て、子ども達は自分の事の様に楽しくなり、大人はそんな顔を見て幸せな気分になってしまうのでしょうね。


■ 個性的なキャラクター                                          

広い広い「もりのゆうえんち」。ピヨピヨ一家はあちこち動き回りますが、同時に回りにはたくさんの家族がそれぞれの休日を楽しんでいます。それが一度気になり始めたら目を離せなくなってしまうのです。家族構成、性格、お弁当の中身など・・・登場する家族の数だけ繰り返し楽しめるほど!そして、実はこの脇役家族達はシリーズを通して登場しているんです。ブタさん一家、ライオンさん一家、クマさん一家、ゴリラさん一家などなどなど。
このように、工藤ノリコさんが愛情を持って描き出される登場人物やその表情はとても個性的!
キャラクターについてもいくつか質問してみました。


【質問4】個性的でインパクトの強いキャラクター、でもそれが実在の子ども達に重なって見えてくるのが不思議(例えば息子)。ひょうひょうとしているようでいて、でも好奇心に満ちあふれていて、好きなものにはまっしぐら!登場人物にはモデルがいたりするのでしょうか?


「いるような、いないような・・・。」


【質問5】「ピヨピヨ」シリーズの中で、特に工藤さんがお気に入りの一家というのはいるんでしょうか?


「どの家族も大好きです。」


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↑個人的にはカワウソ一家が気になって仕方がないのです・・・。(『ピヨピヨスーパーマーケット』より)


【質問6】「ピヨピヨ」一家のチャームポイントはどんなところ?


「お母さんがのんきなところでしょうか。」

だからピヨピヨ一家はいつも平和でハッピーな雰囲気にあふれているのかも?


■ 絵本作家工藤ノリコさんについて。                             

絵本作家工藤ノリコさんについても少しお伺いしました。

【質問7】 絵本作家になられて良かったな、楽しいな、と思う事を教えて頂けますでしょうか?


「思い浮かんだイメージを、読者の皆さんと共有できることが嬉しいです。 」

【質問8】 こんな絵本がつくっていきたい!というのがございましたら教えて頂けますでしょうか?


「文章だけのお話を書き、挿絵も少しつけてひとつの作品に仕上げてみたいです。」


【質問9】絵本ナビ 読者の方へ向けてメッセージをお願いします!

「絵本をひらいて、楽しい時間を過ごしてもらえたら、とても嬉しいです。」


■ 最後に・・・                                                  

最後に『ピヨピヨもりのゆうえんち』を皆さんにどんな風に楽しんでもらいたいか、素敵なイラストとともに直筆メッセージで描いてくださいました!

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工藤ノリコさん、ありがとうございました!
やっぱり可愛いピヨピヨ。すっかり工藤ノリコさんのペースにはまってきています。

そんな私にとって、そしてピヨピヨファンにとって嬉しいお知らせがあります。
今回の特集企画を記念して、ピヨピヨオリジナルグッズ絵本ナビ限定商品として販売できることになりました!

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↑ピヨピヨひよこぬいぐるみ。絵本からそのまま飛び出してきたような表情がたまりません!

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↑やっぱりピヨピヨは5匹じゃなくちゃ、という方にはお得な5個セットもあります!

購入は絵本ナビShopページからどうぞ>>>


工藤ノリコさんの絵本の世界をもっと覗いてみたくなった方は・・・

工藤ノリコさん作品紹介ページはこちらから>>>
工藤ノリコさん公式HPはこちらから>>>

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