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2008年01月16日

●●特別企画メイキングレポート「絵本ができるまで」●●
【5】完成記念!名入れサイン本で販売開始です。

今週で5回目、いよいよ最終回です。
絵本も無事完成!
先週もちらっとお伝えしました通り、
最後は、「名入れサイン本」販売で締めくくりです。

isukun_super_468bana.jpg
絵本ナビのメルマガ「石井聖岳さん名入れサイン本特集号」はこちらから。

1月の下旬に全国の本屋さんに届けられる予定の
森のイスくん」。


絵本ナビでは、どこよりも早く先行販売してしまいます!!
そして、もちろん石井聖岳さんの直筆サイン入り。
更に、宛名としてあなたのお名前、もしくは贈る方のお名前を
入れてもらえますよ。
イメージはこんな感じです。

isukun_sign.jpg
↑(わかりにくいですね・・・後は届いてからのお楽しみです。)

可愛いイラストが入っているようですよ。
私も息子と息子のお友達にプレゼントしようかな。
 
「イスくん」名入れサイン本購入ページはこちらです>>>


更に、このブログでも何度か登場した
石井聖岳さん×津田さんの前作
ぷかぷか」も
名入れサイン本販売の対象です。
本当に気持ち良いほど平和なこの絵本。  
是非、抜けるような青い空の色を直接確認してみてくださいね。

pukapuka_sign.jpg
↑こちらもサインのイメージ。更にわかりにくいですね・・・。

勘の鋭い方ならピン、ときますでしょうか。
「あれ」が描いてありますね。

「ぷかぷか」の名入れサイン本購入ページはこちらです>>>

それでは、届きました方。

こんな工程で出来上がったんだね・・・。
イスくんみたいな子、いるよね。
イスくん、本当に楽しそうに遊んでるね。

なんて、お話しながらじっくり味わってくださいね。

最後まで読んでくださった方、
ご協力頂いた石井聖岳さん、ゴブリン書房津田さん、
ありがとうございました。

また次回作を楽しみにしています!

2008年01月09日

●●特別企画メイキングレポート「絵本ができるまで」●●
【4】印刷、製本、そして・・・。

今朝、保育園に送ろうと、自転車に乗せる前に息子がひとこと。
「じてんしゃくんは どこから きたの?」
???
どんな質問?・・・しばらく考えてから、あーそうか!
昨日の夜読んだ「森のイスくん」からきてるんだね。
取りあえず「うふふふ」と笑って答えておきました。(時間もなかったしね。)
また、帰ってきたら一緒に考えてみましょう。

さて前回は、「入稿」から「下版」までをご紹介しました。
要するに、ほぼ原稿内容は決定しているのですね。
  
という事で、次はいざ印刷!
後は、印刷所で刷るだけ・・・なのかと思いきや、
ここでも刷り上りの「色味」のチェック。微調整。

編集の津田さんも立ち会います。
印刷所のオペレーターさんとやりとりしながら、色味の指示を出していきます。

DSCN0146blog.jpg

↑色校正と印刷されたものを比べながら、チェックする津田さん。
真剣です。(当たり前ですね。)鬼気迫るものが・・・


オペレーターの方はボタンで色味の調整をしていくそうです。
(主に濃淡の指示など。)
昔は、インクの量などを殆ど感覚で調節して。職人技ですね・・・。
いかに苦労していたか、容易に想像できます。
作家さんによっては、ここで立ち会う方もいらっしゃるようですよ。
職人さんを怒らせるも、一歩も譲らない作家さん。
こんな図も、容易に想像できますね(笑)。

絵本を手許に取るとき、もう一つ気になる部分がありますね。
そう、表紙カバーと帯。こちらは、専門のデザイナーさんに依頼するそうです。
ちょうど「入稿」の時期と同時進行で「カバーと帯」のデザイン作業も進んでいたそうです。
原画の画像データをもとに、どの場面を表紙に使うか、
どの様にカットするか、
背表紙や裏表紙を含めたデザインはどうするか・・・。
また、帯というのも書店に並ぶと大分印象が変わりますよね。
こちらも最終的に印刷所で色味チェックをして刷り上げます。
今回は表紙に光沢(PP加工)を出すので、中味部分とは少し違う調整です。

DSC_1288.jpg

↑出来上がった「森のイスくん」のカバーと帯。

DSC_1303blog.jpg

↑カバー、帯かけるとこんな感じ。
帯をかけても表紙の絵の印象が変わらない・・・というのがポイントですね。


印刷所で刷り上った紙を「刷本」と言うそうです。
この刷本を製本工場にまわして、「製本」。
1枚で表4場面、裏4場面。合わせて8ページ分ある刷本を
「折り機」で折り畳み、1冊分になるように丁合して・・・
背の部分を針金で止め、余白を裁断し・・・などなどの工程が機会で
どんどん進んでいくようです。
ここで絵本の形として出来上がったものが出荷されていきます。

ここで、本当に完成―!!
津田さんお疲れ様でした・・・。

DSC_1300brog.jpg

・・・とここで、お知らせです。

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来週1月16日(水)の絵本ナビのメールマガジンで、
「森のイスくん」発売記念特別企画を行います!!

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通常、1月下旬に本屋に並ぶ予定となっている「森のイスくん」。
絵本ナビで、特別に先行発売が決定しました!
そして、もちろん作者石井聖岳さんの名入れサインが入りますよ!!
(ご希望の御宛名を入れてサインをして頂きます。)
石井さんと津田さんの前作「ぷかぷか」も対象本になりますよ。
詳しくは、来週お知らせしますね。お楽しみに・・・。
その前に。

moriblog.jpg
森のイスくん」立ち読みアップしましたよ。
まずは覗いてみてくださいね。

森に佇む「イスくん」は、大人の目で見ると明らかに異物・・・。
そんな彼を目の前にした森の動物達は、珍しがりながらも自然に遊び始めます。
口数の少ない「イスくん」ですが、彼のことをみんなで色々考えている様子は
本当に嬉しそう。                   → 続きはこちら

2008年01月04日

●●特別企画メイキングレポート「絵本ができるまで」●●
【3】入稿。

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森のイスくん

出来たてほやほやの「森のイスくん」を、
一足お先に息子と一緒に読ませて頂きました!
「イスくんとは一体何者ぞや?」
じっと聞き入る、4歳の息子でした。
興味津々、また明日から何回も読んで反応を観察しますね。

さて、「絵本ができるまで」第3回は入稿です。
ここからは、なかなか普段は馴染みのない、専門のお仕事になると思います。

↓校正紙を前に、入稿の作業内容の説明を聞いているのですが・・・。
DSC_1110.jpg


これがなかなかややこしい。
素人の私がご紹介する・・・という事で、
どうかプロの方は軽く聞き流してやってくださいませ。

前回完成した原画
この原画をどの様な作業を経て、絵本の形にしていくのでしょうか。

まず、原画を受け取ったら印刷会社に持って行きデータ化してもらいます
今回の「森のイスくん」の場合、原画をデータにした時点で
4種類の紙に試しに印刷する「テスト稿」というのを行ったそう。
そのテストからイメージを掴み、紙の種類を選びます。(ここで作家さんと確認。)

データ化した画像を見ながら、編集者津田さんがレイアウトをしていきます。

・少し大きめに描いてある原画の画面を、絵本のサイズに切り取ります。
 (予め作家さんに印をつけてもらっています。)
・テキストの位置、文字のデザインや色などを決めます。
・必要があれば多少画像の拡大・縮少をすることもあるそうです。

などなどの作業。

そして、「入稿」です。

◇◇◇◇入稿とは・・・
出来上がった原稿を印刷所に渡す事。
絵本の場合は、原画とテキストのレイアウトなどが決定したデータが
印刷所の手に渡る事ですね。
◇◇◇◇◇◇

色味などの刷り上りをチェックする為に試し刷りをします。
これを「色校正」といいます。

↓刷り上った原稿は「色稿」。一番手前は原画です。
DSCN0114nyuukou.jpg

この「色稿」を見ながら、「もっと濃く」「この青はちょっと違う。」とか「イメージと違う。」「雰囲気が・・・。」
などなど、データで修正すべく指示を出していくのです。(勿論、実際はもっと具体的にね。)

なぜ、こういう段階があるかというと・・・。

印刷する際に、原画の色そのままというのはまず出ない、と考えていいのです。
基本的に印刷は、CMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)つまり
青、赤、黄色、黒の4色のみの掛け合わせで刷り上げるのだそうです。
(それでも出ない色は、特色というのを作るそうですが。)
それを、いかに原作の色の雰囲気に近づけるか、絵本のイメージ通りの色を出すか・・・
これは、絵本にとって大きな勝負であり、大変重要な作業なのですね。

↓これを切り取ると、絵本の形になる様に印刷されています。
(紙の端についているのがCMYKの4色ですね。)
DSCN0111nyuukou.jpg


ちなみに1回目の刷りを初稿と呼び、
直しがある場合はまた刷り直し。これを再稿
更にある場合は三稿・・・と続きます。
今回は、三稿まで行ったそうで、
これは、結構大変な作業になった事を物語っています。

森のイスくん」では、清々しい空の色や、
遊びに行きたくなる様な雰囲気の森の緑など・・・この辺りのポイントを
再現するのに特に苦労したそうです。
石井さん×津田さんの前作「ぷかぷか」では、やはり「青」を出すのにかなり苦労したそうで、
でも絵本を見ると、なるほどこの空の色が全ての鍵になっているのがよくわかります。

さぁ、色も決まりこれでOK!
となったらそのデータを印刷の工程へ。
この段階を「下版」と呼びます。
(今回は入稿から下版まで、約一ヵ月強。通常よりちょっとかかった様です。)
「下版」と聞くと、なんだか山場を終えてほっ・・・とした感覚かな、
と思いきや。
「いやいや、出来上がるまでは全然気が抜けないよ。」
だそうで、次の段階の印刷でも、色味は変わるのだそうです。
津田さんも、印刷所へ行き立ち会うそうですが・・・

今回はここまでです。次回は印刷、製本。そしていよいよ完成です。

作者の石井さんも、勿論その都度確認作業を行っていきますが、
基本的には、津田さんの仕事を信頼されているそうです。
「良いものを創ってくれる。」という安心感は、
作家さんにとっては何よりですね。

2007年12月26日

●●特別企画メイキングレポート「絵本ができるまで」●●
【2】原画制作スタート!

前回でお伝えした通り、「ラフの制作」で絵本の内容や展開が大体決まりました。
いよいよ絵本づくりの要!「原画の制作」に入ります。
作家さんにとって、勿論ここが絵本づくりの仕事の佳境となるのでしょう。
さて、石井聖岳さんの場合はどんな様子でしょうか。

k_ishii brog.jpg
まずは石井さんの今までの作品はこちらでチェック!>>>

ehon4076.jpg
こちらは石井さんのデビュー作「つれたつれた
    
ehon7804.jpg
石井さん×津田さん(担当編集者)の前作品「ぷかぷか
    
さぁ、原画のスタート・・・と言っても、いきなり1ページから順に仕上げていく、と言う訳ではない様ですよ。

津田さんいわく、先にラフで大体の完成形は決まっているものの、実際のイメージは
色の入った原画を見ないとなかなかわからない・・・とのこと。
要するに、1枚原画を仕上げるまでは、まだまだ試行錯誤。
「原画スタート!」という段階とは言えないのかもしれませんね。

実際に、今回は最初に2場面を徹底的に描き込み、方向性を決めていったそうです。
ここで編集者津田さんが「鬼」と化すのです(笑)。(石井さん談。)

↓↓まずは石井さん、原画の制作風景です。

 CIMG2019.JPG
大きさは、ほぼ原寸大。素材はアクリル絵の具です。
殆ど「無心」の状態です。

CIMG2020.JPG
1枚仕上げるのに2~3週間かかるそうです。
      
何だか傍から見ると1番「楽しそう」なこの場面。
でも、絵本の出来が決まっていく大事な大事な瞬間なのです。
石井さんと津田さんの真剣勝負の現場なのですよね。
納得いく絵本」を生み出したいからこそ、津田さんは心を鬼にして
こだわりを通していくわけです。

最初に描いたシーンは、今回5枚描き直したそうですよ!
それは、例えば「色味」だったり「書き込み具合」だったり、
「登場人物の見え方」や「構図」だったっり・・・。
津田さんの抽象的な投げかけに対しては、石井さんの場合、
「ただひたすら描いてみる」ことで答えていったそうです。
やはり大変な作業です。

そして、原画制作がスタートします。

↓↓本邦初公開!「森のイスくん」の原画です。
   (画面左上にテキストが入ります。)
P0809a1.jpg
森の動物達とイスくんが、楽しそうにたわむれている、ほのぼのしたシーンです。
イスくんの、控えめだけど嬉しそうな表情や、
草花を描くのが好きな石井さんらしく、明るく可憐に描かれた花々、
何よりも、この森に遊びに行きたくなる雰囲気が素敵!
・・・と見る側の私達は思わず『ぽわーん』としてしまう様なのんびりした風景です。

更にもう1枚!快心の1枚です。↓↓   
(スタッフFさんもこの絵を見て話が気になって仕方がなくなった模様。)
P1011a2.jpg
このすかっと抜ける気持ちのいい青空。
どうやら、イスくんが動物達に運ばれています。遊びに行くのでしょうか?
      
・・・と、とても平和な雰囲気です。
でも実は、ここに来るまでには「産みの苦しみ」「絵本づくりのこだわり」などなど、
様々な戦いがあったのでしょう、そんな事は想像もつかない絵ですね。
石井さんが
「例えば、遊園地の遊具をつくる人の様に、人を楽しませる為のものをつくる人が
 必ずしも楽しいだけで作る必要はないと思う。」

というようなことをおっしゃっていて、なるほど納得してしまったのでした。さすがプロ!
      
そんな石井さんですが、ここまでくると
イスくんと森の動物達が絵の中で勝手に遊びだし、
石井さんはだた「描かされている」という境地になっていくそうです。
普通味わうことのないであろう、この感覚。
やっぱり「楽しいに違いない!」と私は思ってしまうのでした。

徐々に明らかになりつつある、「森のイスくん」。
  「どうしてイスくんが森にいるのか。」
  「イスくんと森の動物達がどうやって遊ぶんだろう?」
気になります。この気張らないテーマに、気がつくとすっかり心を奪われあります。
早く読みたい!
    
さて、こうして出来上がった原画は「編集者が大事に保管し・・・」
というのは、もう一昔前の話だそうで
今は、印刷会社に持って行って、データにするそうです。
そのデーターをもとに色の調節など・・・と、ここからは主に津田さんのお仕事!
次回は「入稿」です、お楽しみに。

2007年12月17日

●●特別企画メイキングレポート「絵本ができるまで」●●
【1】テーマが決まる、ラフ制作

◇はじめに・・・。

CIMG2021 2.jpg
↑アトリエで真剣に原画を描いているこちらの作家さんは・・・?

私達、絵本ファンの素朴な疑問。
「絵本って、どんなふうに出来上がっていくんだろう・・・?」
絵本をつくろう!と思いついてから、その絵本が私達の手許に届くまで、
どんな工程を通って出来上がっていくのでしょう。興味ありませんか?
・・・私はおおいにあります(笑)。

そんな漠然とした素人の疑問への答えとして、
今回ある作家さんと編集者の方が、ご協力して下さることになりました!!
来年1月に新刊【森のイスくん】(ゴブリン書房)を発売予定の

絵本作家 石井聖岳さん 主な作品に『つれたつれた』『ヤドカシ不動産』『ぷかぷか
                 『ふってきました』『もうすぐここにいえがたちます』他多数・・・。
                                    ★著者紹介ページはこちらから>>>   
         ×

担当編集者 津田隆彦さん 主な仕事に 『いってかえって星から星へ』(ビリケン出版)
(ゴブリン書房代表)      『まよなかさん』『ぷかぷか』『スケッチブック』(ゴブリン書房)他。


絵本づくりのお仕事に必要不可欠な、作家さんと編集者。
そんなお二人に、今回の新作が出来上がるまでの様子を、少し覗かせてもらえる事になったのです。こんなチャンス、なかなかないですよね。

絵本や作家さんによって、その工程は大きく変わるでしょう。では、『森のイスくん』の場合はどうだったのでしょう?大きく5段階にわけてみて・・・。

【1】 絵本の内容が決まります。(テーマ、ラフ制作)
【2】 原画制作スタート!
【3】 入稿します。
【4】 印刷して製本工場へ・・・。
【5】 完成!販売開始です。

ざっくり、こんな感じでご紹介して行きたいと思います!(週1回の更新予定です。)
面白そうでしょ?気軽に読んで、絵本や作家さんに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

ちなみに、こちらはお会いした時に頂いた名刺がたまたま手書きで、あまりにも可愛かったので
思わずパチリ。ここにも、今作のヒントが・・・。
↓↓
DSC_1120.jpg

原画が完成したばかりで、幾らかほっとした表情の石井さんにお話を伺っているところです。
絵本ナビスタッフも、興味津々!
↓↓
DSC_1111.jpg

絵本の内容、発売日、作者石井さんのお話などなど、、、
決定次第、順次お知らせしていきますね。
それでは早速、第1回からお楽しみください!


【1】テーマが決まる、ラフ制作


□□ ラフというのは・・・ □□

テーマが決まって『さぁ絵本の原画を描き始めよう。』という前に、イメージを決めるラフスケッチの事です。
作家さんによって形式、方法は様々でしょうが、絵本全体の流れや、場面の展開、構図、テキストの位置がここで大体決まります。とっても大事な工程ですね。

□□□□□□□□□□□□□□


さて、今回その完成までの裏側をちらっと見せてくれる絵本が、
ちょっと不思議な題名の「森のイスくん」。
一体どんなきっかけで誕生したのでしょう?

↓こちらが絵本が生まれるきっかけとなった1枚の絵です。
(ポストカードから引用させてもらっています。)
post card.gif

2年程前、石井さんがある家具屋さんのお店内で展覧会をされたそうです。

本物の家具の間の壁に、ランダムに飾られた「家具」がテーマの絵。
そこへ見に来た津田さんの目に止まったのが、「イス」がモチーフとなった上の写真の絵。
(なぜかこの「イスくん」にだけ顔が入っていたそうです。)

この1枚の絵に「物語性を感じた」津田さん、
すぐに石井さんに、「この絵をもとに、絵本をつくりましょう!」と提案するのです。
言われてみると、何だか想像力をくすぐられる絵ですよね。(なぜこんな所で佇んでいるのでしょう・・・。)


再び話が浮上し、具体的に絵本づくりがスタートしたのは今年の夏。
そこで、石井さんはまず
じゃあこのイスは一体何なのか・・・
と、いうところから考え始めます。
「いすくんはどこから来たの?」「動くの?しゃべるの?」「どんなキャラクター・・・」
などなど。

↓スケッチブックを見せていただきました。(これは貴重!)
011.jpg

アイデアがいっぱいです。
絵が描いてあったり、設定やストーリーが断片的に書き込まれていたり。
たくさんのスケッチをしながら、「イスくん」のストーリーが生まれていきます。

何もない「ゼロ」からのこの作業。実は1番大変?
(石井さん曰く、どの段階の作業も大変!だそうです。)
「絵本を創るとき、絵が先?文章が先?」
・・・なんて質問をしようと思っていたのですが、スケッチを見ていると、
石井さんの場合は、こうやって絵もストーリーも、両方が同時に自然とうまれてくる様子がわかります。

このたくさんのアイデアをもとに、編集の津田さんと話し合います。
この時の津田さんの仕事は、石井さんの頭の中にあるイメージをうまく引き出していく事!
だそうですよ。
どうやら、「イスくん」は森の動物達と楽しそうに遊んでいるようです。
そして、何を聞かれても「くふふ」と笑うだけ。・・・楽しみです。

↓いよいよ具体案。最初はこんな風に、絵と文を16場面に分けてみます。
DSC_1113.jpg

映画のコマ割りのようですね。
なるほど、これなら絵本全体のイメージがつかみやすそう。
おおまかなストーリーの流れと場面が描き込まれています。


次に、一場面ずつのラフを描いていきます。
↓実際のラフスケッチです!
DSC_1115.jpg

描き方はかなりラフでも、鉛筆でイメージを画面に定着させるべく、
何度も描き直した後が見られ、1枚1枚、かなり練られている事が伝わってきます。
構図なども、ここで細かく検討していきます。
(今回は文章も御本人なので、この段階で入る位置も決まっていきます。)

頭を悩ませながら、自宅のアトリエにこもって作業をしているのかな、と思いきや、
意外と喫茶店やファミレスなど場所を変えて作業をしたりするそうです。
(やっぱり自宅にいると色々な誘惑があるようで・・・。)

ラフを描いて、津田さんと話し合い、また描き直して・・・という作業を大体2週間位の周期で繰り返します。
今回はスタートからOKが出るまで、約1ヶ月半程かかったそうですよ。

こうして絵本の構成が決まったのですが、やはり絵本の要は原画です。
原画を描いてみないと、イメージや印象など分からない事も多いそうで、
どうやら、まだまだここからも、大変な作業が待っているようですよ。
・・・という訳で、次回は「原画制作の様子」です。

お楽しみに・・・。

こどもに絵本を選ぶなら 絵本ナビ
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