きれいな月夜の夜、こぐまはたぬきからお月見に誘われました。
嬉しくなったこぐまは、お月見のときにたぬきと歌う
「おつきさまのうた」をおみやげに持っていくことにしました。
おつきさま まるいの なんで なんで?
おつきさま きんいろなの どうして どうして?
おつきさまが いなくちゃ よるは まっくら
ああー おつきさまって おいしそう
ところが、突風で転んだとたんに、大切な「おつきさまのうた」が
すっかり消えてしまいました。
「ああ! きっと かぜが おちばといっしょに
ぼくの うた とばしちゃったんだ!」
大あわてで風を追いかける、こぐま。
風が吹いているあちこちで出会った動物たちのおかげで、
「おつきさまのうた」は少しずつ完成しますが、
それは最初の歌とはちょっと違うみたい……。
こぐまは、たぬきと一緒に「おつきさまのうた」を歌うことができるのでしょうか……?
動物たちが拾った歌の歌詞が、こぐまの歌とちょっとずつ変わっていることで、
あたたかな笑いを生む作品。
最後のページに楽譜が載っているので、歌いながら絵本を読むと、
動物たちの気持ちにより近づけるかもしれません。
登場人物たちがみんな優しくて、かわいらしく、どこかちょっとおとぼけ。
そんなキャラクターが織りなす物語が、はせがわさとみさんの作品の特徴です。
こぐまとたぬきと森の動物たちが登場する『のはらでまたね』もオススメです。
(木村春子 絵本ナビライター)
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