お母さんにたのまれて、はじめてひとりでお買い物に行くことになった、たかしくん。
行き先は、なんでも売ってる楽しいところ。
デパート? スーパー?
いえいえ、その名は
「しょうてんがいくん」!
でも、そこはふつうの商店街とはまるっきり違っていたのです。
奇妙キテレツ、こんな世界は見たことない!
強烈すぎる個性で、一度見たら決して忘れることのできない一冊です。
空にはアドバルーンが浮かび、街全体がブリキのおもちゃのような質感で描かれ、どこかなつかしい昭和感あふれる街並みが広がって――
かとおもいきや、空にはUFOが行き交っているし、建物や乗り物には顔があるし……。
ノスタルジー? SF? 分類不能の不思議な世界。
そして、街のはずれには、物語の舞台となる巨大な建築物「しょうてんがいくん」が鎮座しています。文字通りひざを折りたたんで、礼儀正しく正座をしながら。
ロボを操縦するコビト、床を掃除するモップのような生き物、かっぱにゆうれい、宇宙人まで!?
あげつらねていけばキリがない、独特のキャラクターたちがトコロ狭しとひしめく、しょうてんがいくんの内部。
連なるお店もやっぱりふつうじゃなくて、たかしくんは行く先々で、まちがい探しや迷路に挑戦することになります。
昭和感まんさいのシュールな世界は、大人こそじっと目をこらしてながめていたくなるような魅力が満載。
ゲームで遊べるのはもちろん、読むごとに新しい発見のある、長く楽しめるおすすめの一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
続きを読む