制作風景の観覧をしている人を、絵の中に登場させ、たくさんの登場人物のストーリーを、一枚の絵の中に落としこむ画法。
「キャラストレーション」
この独自の画法によるライブペインティングや、「一度で見きれないアニメーション」シリーズで知られるアートユニットが描く、初の絵本作品!
いつも仲良しなボンとハレトモ。
ある日、ふたりは美術館に出かけます。
世界各国の著名な美術作品が、一堂に会する大展覧会!
ふたりがツタンカーメンの描かれた壁画を見ていると――
しゅばばばばばば!!
まばゆい光の中に吸いこまれてしまったふたり。
気づけばそこは、壁画の中の世界でした。
ヒマを持てあましたツタンカーメン!?
おしゃれに悩むモナリザ!?
考えすぎる「考える人」!?
有名な美術作品の世界で出会う、あまりにも意外すぎる人物たち。
ボンとハレトモが巻き起こす騒動に、彼らの世界も大さわぎ。
ふたりが入りこむ美術作品の世界には、その作品の個性をよく表した人々が住んでいます。
ページいっぱいに描かれている彼らはとても個性豊かで、その表情や動きも生き生きとしています。
ドタバタとにぎやかな中で、思い思いに過ごすにぎやかな彼らをながめていると、ひとりひとりの背景にあるささやかな物語が、少しずつうかがえてくるよう。
いろいろな想像を巡らせながら、ついつい見入ってしまいます。
美術館に飾られている絵画は、ボンとハレトモが入りこむもののほかにも、よくよく見てみれば、葛飾北斎からフェルメール、ラファエロ、ボッティチェリ、ミケランジェロと、そうそうたるラインナップ!
かの有名画が、かわいらしいイラストレーションで絵本化されています。
巻末には、登場した美術作品の一覧があるので、本物と見比べながら読むのも楽しいかもしれませんね。
あとがきで語られている、「この作品が美術作品との出会いのきっかけになれば」という作者の言葉の通り、美術作品の楽しみ方は自由だと教えてくれる、そんな一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
続きを読む
リスのボンと、親友で好奇心旺盛な男の子ハレトモが、美術館に行きました。展示されているのは、世界的に有名な美術品ばかり。ツタンカーメンの壁画の前にくると、ハレトモは図書館で調べた秘密の呪文を読み上げました。そのとたん、しゅばばばばばば! 二人は、まぶしい光とともに壁画の中へ吸い込まれてしまったのです‼
気がつくと、そこは作品の中の世界。絵や彫刻で見た人たちが生きて動いているのです。ボンとハレトモは、ツタンカーメンとゲームをしたり、ダヴィンチの「モナリザ」と街に出かけたり、マネの「笛を吹く少年」と演奏をしたり…。
世界の美術品から楽しい想像を広げたファンタジー。名画や彫刻への関心も深まるお話です。
続きを読む