今日は雨降り。せやから、公園にはだ〜れもおりまへん。
「だ〜れもおらへんし、ぶらんこくん いっぺん あそばせてや〜。」
「ええけど できんの?」
そう言ってもぞもぞ動き出したのは、なんと…砂場の「すな」!!
ということは、答えているのは…そう、ぶらんこです。
つまり、「砂場のすな」くんが「ぶらんこ」くんで遊びたいと言っているのです。
…んな、アホな!?
でも、ページをめくると遊んでいるのです。すなくんが、ぶらんこで。
「ひゃっぽーー!!」
さらに声をかけてくるのは、「すべりだい」くん。
「すべりだい」くんが、「ぶらんこ」くんで遊びます。
さらに、さらに。
「ぶらんこ」くんが、「すべりだいくん」で遊ぶという荒業も飛び出して…
「うおおおおおーー!!」「うっしゃーー!」
……この話、かなりごついです。そして、面白いです。「いっぺん やって みたかってん」は、きっと作者の「いっぺん 見て みたかってん」なんでしょう。気持ちがグイグイと伝わってきて、強引に引き込まれていきます。その様子は、実際に絵本で確かめてみてくださいね。
関西弁で楽しめる、このナンセンスコメディー絵本は第39回講談社絵本新人賞受賞作。ということは、作者はっとりひろきさんのデビュー作品となる訳です。なんだか目の離せない魅力があって、今後の作品も楽しみになってしまいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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