リンドグレーンとの名コンビで知られる画家ヴィークランドは,子どもの時にエストニアからスウェーデンへ亡命した.戦争の荒波にもまれる幼い少女の涙と希望の日々を描いた自伝的作品.
この絵本の表紙を見て、「どこか懐かしい」気持ちになった方!
そういう方は、私と同じ「アリステッド・リンドグレーン」の作品が好きだった方だと思います。
この作品は、アリステッド・リンドグレーンのおはなしに数多く挿絵を描いてきたイロン・ヴィークラントという方の幼少時代を描いたもので、今回のこの絵本では自らイラストも担当しています。
大陸続きである土地では、色々な政治・経済的な理由で戦渦に巻込まれたり、自分の故郷を追われ苦しい生活をさせられることがあります。
これはバルト3国と呼ばれる肥沃な土地・エストニアに生まれ、子どもの頃から流れ流れて生きていかなければならなかったイロン・ヴィークラントさんのお話ですが、
なんと、この絵本の文章を書いてくれたローセ・ラーゲルクランツさんもナチスに追われスェーデンに亡命してきた経緯のある作家さんだそうです。
島国の私たち日本人にはピンとこない出来事ですが、こういう作品に触れることで、子どもたちが世界にはいろいろな人たちがいることに少しでも気づいてくれたらいいなぁと思いました。
お話自体はつらく悲しい出来事ですが、小さなイロンが常に前向きで頑張っているので、応援しながら読みました。
子どもたちにはブックトークなどで紹介できたらいいなと思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子13歳)
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