主役は数字の「ゼロ」くん。
見た目は丸くて、気だても優しいゼロくんですが・・・。
他のみんなとくらべっこすると負けてばかり。
あんまり弱いので、誰もゼロくんとは遊びたがりませんでした。
確かに他の数字と比べて「ゼロ」と言ったら。
どうしたって勝ち目はないですよね。
・・・でも、それは本当かな?
ある時、不思議なことが起こるのです。
数字をうまく数えられなくて落ち込んでいた「いち」くんを見かけたゼロくんは、勇気を出してドライブに誘ったのです。
車に並んで乗っている二人の姿を見て、今まで見向きもしなかったみんなが、ゼロくんに向かって丁寧に挨拶をしている!?
一体どうしたというのでしょう?
「発想の転換しだいで物の見え方が変わっちゃう!」
子どもたちのやわらかい脳を楽しく刺激してくれるこの物語。
作者は、『チポリーノの冒険』などイタリアを代表する児童文学作家ロダーリです。詩人で教育者でもあったロダーリの作品は、子どもの発想力を大切にした独自の理念をつらぬき、教育界にも大きな影響を及ぼしたのだそう。そんな彼の詩に、イタリアで活躍するグラフィックデザイナーが絵をつけて、おしゃれで新しい絵本としてここに誕生したのです!ただの数字なのに、とってもチャーミングに見えてくるからまた不思議。
子どもから大人まで楽しめる1冊ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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