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デオは年のはなれた兄のイノセントとともに,ジンバブエの故郷の村での虐殺を生きのびて,見知らぬ父のいる南アフリカを目指す.ワニが棲息する川をこえ,野生動物の保護区を走りぬけ,さまざまな困難の果てに待っていたのは,外国人である自分に向けられる憎しみとおそれだった.過酷な運命に翻弄されながらも,少年はサッカーで人生を切り拓いていく.
ジンバブエの村の大虐殺で家族を失ったデオは、知的障害をもつ年の離れた兄と、父親が働いている南アフリカを目指します。
次々と描かれる残虐なシーンに息がつまりました。
どちらが保護者なのかわからない兄と弟の、助け合う関係が危機を乗り越える際の 緊張感に現実感を加えています。
その兄が焼き殺されるという地獄とデオの虚脱感は、痛いほど共感出来ました。
この物語はフィクションですが、それを作り上げる事実と社会の現実がとても哀しいと思いました。
デオが好きなサッカーが、物語の中心におかれています。
実際に行われたホームレス・ワールドカップをモデルにしているそうですが、このスポーツが包み込む闘争心とチームワークと、国や民族を越えた連帯意識が象徴的でした。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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