今日は待ちに待った「だるままつり」の日。
でも、よりによって一緒に行くはずだったさくらちゃんとるりちゃんはケンカ中なのです。
そんな二人に声をかけたのはお店のおばちゃん。
「このだるま、本当は500円なんだけどおおまけのおおまけで200円」
二人が買っただるまは手から飛び出して…穴の中へ!
慌てて追いかけていったら、そこは何とだるまの国。すました顔してみんなの願いを叶えているだるま達、実は知らないところで厳しい修行をしているのだとか。画面狭しと登場するだるま、だるま、だるま。一体どんな修行をするのでしょう。
まゆげが太い顔、大きな鼻の顔、困り顔、ふざけ顔。それぞれ全然違う顔をしているだるまが、感情豊かな表情をしていて。こんなにいっぺんに色々なだるまの顔を見るのは初めてかもしれません。
修行は「おきあがる」から始まって、「がまんする」「どっしりと」と続きます。確かにだるまにとっては大事なような、そうでもないような。でも、真剣な顔をして修行に励むだるま達の顔を見ていたら笑っている場合じゃありません。みんな必死になって「合格」を目指しているのです。(とは言え、その顔を見ているとやっぱり笑っちゃうけどね)
ケンカ中だったはずのさくらちゃんとるりちゃんも、すっかり夢中です。さて、二人とも親分から合格はもらえるのかな?
とても味のある線と色彩で描かれたこの絵本、作者の方はこの作品がデビュー作なのだそう!
登場するだるま達が百人百様の顔を見せる中、さくらちゃんとるりちゃんの可愛らしく変化する表情が一番の大きな魅力となっていますよ。二人とも、願いが叶ってよかったね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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