縦にひらく絵本『100かいだてのいえ』からはじまった大人気シリーズ。
『ちか100かいだてのいえ』『うみの100かいだてのいえ』に続き、今度の第4弾は……どんないえ?
なんと、そらの上へ登っていく『そらの100かいだてのいえ』です!
主人公はシジュウカラのツピくん。寒い雪の日に、食べ物をさがしていてひまわりのたねを見つけます。
でも、たねはたったひとつぶ。
「うーん、これじゃおなかいっぱいにならないや」「そうだ! このたねをそだてれば、はながさいて、たねがいっぱいできるツピ」
くいしんぼうのツピくんはたねを植えるところを探しますが、地上は見わたす限り雪景色。
困っていると「くものなかへいってごらん」と声が聞こえて、ツピくんは雲へ飛び込みます!
雲の中にあったのは、白いふんわりしたくもさんが住むいえでした。「はなをさかせたいなら、このいえの100かいにいくといいよ」といわれたツピくん。不思議な部屋をのぼっていくと、あめさん、にじさん、かぜさん、ゆきさん……。そらの上の住人たちがそれぞれの特徴にぴったりの形のかわいい部屋に住み、おふろに入ったり、歌を歌ったり、洗濯したり、すべりだいで遊んだり、それぞれの「雨」「虹」「雪」「氷」などをつくるお仕事をしていてワクワクします。
ツピくんは途中で、あめさんから水をもらってたねに根っこをはやしたり、かぜさんに風をかけてもらって双葉にしたり。60階、70階、80階とどんどんてっぺんに近づいていきます。さて、てっぺんには誰が住んでいるのでしょう……?
10階ごとにページをめくっていくと、10見開きで100階! すなわち大きな数を理解できるようになっていて、しかもたねが芽を出し、育つには何が必要なのかを教えてくれる科学絵本の要素もあるのがすごいです。
ツピくんが拾ったたねから、ひまわりがぐんぐん育ち、最後には花を咲かせる爽快感! これまでのシリーズとはまた違った意味で、想像力を刺激される『そらの100かいだてのいえ』です。すみずみまで眺めて楽しんでくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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