死んでしまったケンタくんのおじいさん。ながいながい階段をのぼっていくと、そこは天国…いや、雲の上にはねこがいっぱい!?「人間の天国」ではなくて、間違えて「ねこの天国」に着いてしまったようです。また別の階段をのぼるのも大変だと、おじいさんはここにいることに決めます。
すると、おじいさんはある仕事を任されるのでした。
これから生まれるねこたちにとって、とても大切なチャームポイントを作ってあげるそのお仕事とは?
おじいさんが「ねこの天国」に行ってしまうのも、そこで任された仕事の内容も、予測のつかないことばかり。どうしてこんなユニークな発想が出てくるのでしょう。更に天使のねこ達、これから生まれるねこ達の可愛いことと言ったら!どの子もみんな個性的でねこ好きな方々は正常な精神ではいられないかもしれません。
それもそのはず。作者の山西さん、物心ついた時から周りにねこがいて、兄弟のように育ってきたのだそう。沢山のいろんな面白い柄のねこ達をじっくり見ているうちに、一体この模様はだれが決めたんだろう?と考えるようになったのだとか。それがこの絵本が生まれるきっかけになったのですね。そんなエピソードを聞いてしまうと、どの子も本当に愛おしくなってきて、おじいさんがちょっとうらやましくなったりもします。
そして最後の場面。離れていても、ちゃんとおじいさんとケンタくんはつながっているんだなって感じられて、体の中があたたかいものでいっぱいになってしまいました。ねことおじいさんが大好きな子に贈りたくなる絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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