こみねゆらさんの美しい絵による、
オルゴール人形のドラマチックな運命の物語。
お人形のくるくるちゃんは、むかし小さな女の子と暮らしていましたが、
年月が過ぎ、博物館の中でオルゴール人形として、毎日楽しく
くるくる踊っていました。
でも、他のお人形とリズムが合わないからと、
学芸員さんに外されてしまい、窓のそばのカゴに置かれることに。
すると、ある風の強い日、窓から落ちてしまい…。
広い世界に放り出されてしまったくるくるちゃんに、
どんな運命が待っているのでしょう。
こみねゆらさんは、数々の絵本でヨーロッパ調の美しいイラストを
描かれている人気の絵本作家さん。絵本創作と同時に、
お人形制作もなさっているそう。本作は、お人形に寄り添った、
まさにこみねゆらさんらしい世界ですね。お人形の衣装、室内の
描写なども、魅入ってしまうかわいらしさ。
お人形の目から見た世界の、ちょっぴり切なく厳しい現実が続きますが、
ここぞという時、勇気をもって行動するくるくるちゃん。
何だか読んでいるとわたしたちも勇気をもらえる気がします!
その勇気があったからこそ、最後すばらしい再会が待っているのですよね。
ハラハラどきどきの先にある心温まる物語を、
ぜひたっぷりお楽しみください。
(長安さほ 編集者・ライター)
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