この本には、子どもにしか撮れない写真、書けない文章がたくさんつまっています。
東日本大震災の被災地に、デジカメを抱えた33人の子どもたちがいます。
「仮設住宅に住む人たちの笑顔を撮りたい」
「津波で流された父の寿司屋が、再建する様子を記録したい」
「放射能から逃れるため引っ越した親友に、ふるさとの様子を見てほしい」
メンバーたちは被災後の日々を、何を見つめ、何を思いながら過ごしているのでしょう。小1から中3までの少年少女のまっすぐな思いを、世界中の人たちに届けます。
■キッズフォトジャーナルとは
「3 / 11 Kids Photo Journal」は東日本大震災で被災した子どもたちが写真と文章を使い、3 / 11のその後を世界に向けて定期的に発信するプロジェクトです。岩手・宮城・福島の3県の子どもたちが、プロの写真家のサポートのもと、写真を撮影し、言葉を綴ります。
https://www.kidsphotojournal.org/
参加メンバーの作文より――
●4月に妹が生まれて、9人家族になりました。名前は和花(のどか)です。平和にくらせるようにとつけたそうです。わたしの家族はあいじょうにつつまれています。(岩手県 小川留以さん 小3)
●水は出ない、電気もない……。生きるのに精一杯でした。そんななかで一番印象に残っている場面があります。それは、「ふだんから、僕たちを引っ張っている大人が、泣いている」ところです。(宮城県 佐藤翔太くん 中3)
●この震災で学んだ事となくした物、手に入れた物は多すぎて、子供の僕の手ではあふれ出るくらいです。これだけの事はもうないでしょう。だからこれは人生を早めに勉強したんだと思います。子供には早すぎる人生の。(福島県 渡部有麻くん 中2)
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