子どもと暮らす毎日に「まさにこんな本が欲しかった」と言いたくなる本が生まれました。
朝の身支度から、着替え、トイレ、食事、片づけ、夜のお風呂、寝るまで。
子どもたちが生活の基本を身につけられるように作られた、心強い本です。
分厚くボリュームたっぷり。大きな文字が見やすく、カラフルなイラストが豊富で飽きません。
ストーリー仕立てのイラストは『ツレがうつになりまして。』などで人気、子育て真っ最中の細川貂々さん。
朝、昼、夜と色でタグ分けされた図解には、絵本作家としても活躍されているスギヤマカナヨさん、つがねちかこさんはじめ素敵なイラストレーターが参加しています。あれ、この絵見たことある!?と思うページも多いかも。
服のたたみ方、お手伝いの仕方、日常生活のマナーやルールなど、大人が子どもに教えてあげたいことはいろいろありますよね。
でも忙しいとつい「(やり方が)ちがうでしょ」「ママがやるからいい」という対応になってしまいがち。
本書のいちばんのポイントは、「子どもが『一人でできる』をアシストする」視点で作られているところなんです!
イタリアの教育思想家モンテッソーリの考え方に基づき、作者の田中昌子さんがていねいに生活を解剖し、技術指南しているのが特徴です。
ちなみにわが家の7歳にとっても「知らなかったことがいっぱい出てる」とか。
「かみのけをむすぼう」のページを見て「まとめた髪を、さいしょに左手でもてばいいんだ……!」と納得顔。
お弁当の包み方やちょうちょむすび、ふきんでテーブルでふく作法など、しっかり解説されているのがおもしろいそう。
子ども自身が「今できていること」と「まだできていないこと」が分かるって、すごく大事なのですね。
子どもは本来、自分でやろうとする生き物。
一つ一つ身のまわりのことができるようになっていく楽しい年齢を、親がイライラしながら通りすぎるのはもったいない。教え方のコツに、目からウロコですよ。
4・5・6歳、そして7歳以上とその親に学ぶことの多い本。家の本棚に常備しておきたい本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む