『ちいさなちいさな王様』『思いがけない贈り物』などの挿し絵を見てファンになった方も多いのではないでしょうか。現代ドイツを代表する画家ミヒャエル・ゾーヴァ。
ため息が出るような美しさの中に見えるユーモアと風刺の効いた絵が世界中の人々を魅了するのです。
そんなゾーヴァが初めて創作絵本を手がけられた!
そう聞けば、どんな奥の深いお話なんだろう、どんな美しい絵本なんだろう、色々想像を膨らませてしまうのは当然ですよね。
表紙でも、美しくほのぼのとした村の絵が描かれています。
・・・ところが。
その舞台となるプクプクハイムに密かに伝わるという秘密の過去の物語がとんでもないのです。
なにしろ、プクプクハイムはその昔「クサイハイム」と呼ばれており、とんがりがふたつある山を、地元の人は「オケツ山」と呼んでいたというのです!?
聞いただけでも鼻をつまみたくなります。
一体どんなわけがあったというのでしょう。
実は、村の近くの山に住んでいた謎の巨大な生き物が、食べ物を大量に食べるたびにお腹がガスでいっぱいになり、ものすごい勢いで「ドッカーン!!!」爆発のようにおならをするのです。
これは悪夢です。
さすがに我慢できなくなった住民たちは立ち上がります。何としても退治しなくてはなりません。
そこでとった作戦とは。
びっくりしましたか?
ゾーヴァの新作絵本は、終始おならが登場するお話です。
かなりチャーミングです。
これは、深く考えずに子どもたちと大笑いしながら読むのが正しいのです。
それにしては、豪華で贅沢な絵が楽しめちゃいますけどね!
ゾーヴァの新境地。これからの展開が楽しみで仕方がありませんよね。
子どもたちが楽しめる絵本を、もっとたくさん創作してくれる事を期待しちゃいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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