ブルドーザーのブルくんは、足が地面につかないくらいに朝からうきうきワクワクしています。だって、今日はブルくんにとって大切な日なのです。工事現場のみんなにも気づいてほしくて、まずはパワーショベルさんのところへ行ってたずねるブルくん。
「今日はなんの日だと思う?」
でも、パワーショベルさんは掘る仕事で大忙し。
セメント・ミキサーさんも、クレーン車さんも、みんな大忙しでかまってくれません。だれも今日が何の日かに気づいてくれない…。
すっかりしょげてしまったブルくんの耳に、あら? 聞き慣れないホイッスルの音が! さあ、何が起るのかな?
コルデコット賞作家のエリック・ローマンさんの最新作です。活気ある工事現場を舞台にした、エリックさんの版画タッチのイラストが魅力的! ブルドーザーはじめ工事現場の車たちの働く姿が、地響きを感じるくらいにリアルでかっこ良くて、車好きの男の子たちの心をぎゅっとつかむことでしょう。
車たちのセリフもおもしろいんです。パワーショベルは「きょうは、ほる日だ。ほる日だほーっ!」と言ったり、ダンプカーは「ダーンと、おとせ!」とうなったり。それぞれの個性を出して読むと、読み聞かせも盛り上がりそう。
ブルくんと一緒になって、わくわくしたり、しょげたり、最後、心がじわーっとうれしくなったり。いろんな気持ちを味わってくださいね。
(長安さほ 編集者・ライター)
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