「さよならぼくたちのようちえん」「さよならぼくたちのほいくえん」と聞くと、あの感動の卒園ソング(新沢としひこ作詞・島筒英夫作曲)を思い出す方もいるのではないでしょうか。その歌をモチーフにしたテレビドラマ「さよならぼくたちのようちえん」が2011年春放送されました。その内容を絵本にしたものがこの作品です。
ひなた幼稚園すみれ組のカンナ、タクミ、ミコトたち5人組は、どうしても卒園の前に会いたいおともだちの所に行くために、大人には内緒で見知らぬ土地へ出発してしまいます。5人で決めた約束、それは「なにがあっても、ぜったい、なかないこと。」
小さな5人の電車の旅、子を持つ親としては、声をあげたくなってしまう場面の連続。でもこれは起こってしまった出来事として、子どもたちの目線になって物語を読み進めていくと、それはもうヒリヒリするほどピュアで研ぎすまされた感覚が蘇ってきます。大人の目をかいくぐり、知らない土地で不安ながらも歌をうたったり、広く澄んだ青い空を見上げたり。ところが、一人一人はぐれて保護されていき、外の景色も暗くなってくると様子は一変。最後の一人になったカンナの不安の大きさにこちらまで押しつぶされそうになります。その先に待っていた景色とは?
純粋すぎるカンナの思いが直球に投げかけられる場面、ここで泣くなと言われても私には無理そうです。・・・・が、読み終えるととても清々しい気持ちになれるので安心して読んでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ひなた幼稚園すみれ組のカンナ、タクミ、ミコトたち5人組は、幼稚園を抜け出して、新宿駅から高尾行きの中央線に乗りました。5人は、幼稚園の卒園式を前に、大人にはないしょで、自分たちの力だけで、見知らぬ土地に行こうとしています。5人で決めた約束、それは「なにがあっても、ぜったいに、なかないこと」。途中、次々起こるアクシデントで、子どもたちは一人ずつ保護され、主人公のカンナが最後まで残されてしまいます。果たして5人は思いを実現することができるのでしょうか。そして、5人が決めた約束の向こうに待っているのは?
●2011年春、芦田愛菜ちゃんの初主演(日本最年少)となったドラマが、子どもの視点の物語として、珠玉の絵本になりました。
●人気脚本家、坂元裕二原案による、愛と冒険と感動の物語。ぜひ、親子で読んでください。
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