春に生まれたヤマメのピンク。ピンクのひれがちょっと自慢。
いつもおなかがぺこぺこ、夢中で虫をおいかけます。
そんなピンクが暮らす豊かな山には、人間も遊びにやってきます。釣りを楽しんだり、山菜を採ったり。
だから時にはヤマメだって釣られてしまいます。
人間のいる地上の世界。
「ヤマメ、ウド、クレソン…そしてヤマメ。今日のメニューはきまりだ」
おじいちゃんと女の子が並べた山菜とヤマメの美味しそうなこと!
二人は丁寧に美味しそうに平らげて、星空に包まれて眠りにつきます。
次の日の朝、また川の中ではピンクたちがおなかをすかせて虫を追いかけて元気に泳いでいくのです。
「ヤマメのピンク」シリーズ完結編となる今作では、またピンクの小さな頃の日常に戻ります。
その輝くばかりの緑の中には、ヤマメがいて、自然があって、そして人間もいます。
その間には爽やかな風が吹いています。
それぞれがいきいきとして、共存している様子を描いた見開きの大画面。
シリーズ3冊を読んできてからこの場面を見ると、なぜだか涙が浮かんできます。
自然が元気でいることの素晴らしさを、親子で理屈抜きで感じてみてください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む