ADHDで字が読めなかったダグラス少年が、リトル先生の粘り強い指導のおかげで読めるようになり、今では作家として活躍するまでになった、著者の自伝的感動物語。
2010年7月と、わりと最近出た絵本です。
ちょっとびっくりしたのが、出版社からのお薦めの年齢が小学校低学年〜と、いうところです。
主人公の少年(作者の幼少時代)は確かに小学校の低学年のようですが、ADHD(注意欠陥障害)を持つ子どもの話を、低学年の子に理解してもらうというのは難しいように思います。
今は、日本のほとんどの学校に「特殊学級」があり、重度のお子さんから軽度のお子さんまで、ご両親や地域の考え方によって、普通の公立の小学校で勉強していますので、小学生のお子さんでも
周囲を見渡せば、主人公・ダグラスみたいな子はきっと一人や二人いると思います。
でも、低学年のお子さんに、彼らの思いや悩みを感じたり考えたりすることは難しく、「ただのうるさい子」「できない子」としてしか見えないような気がします。
ですから、この絵本はぜひとも、そういうことも含めて理解できるようになる年頃の小学校高学年以上のお子さんに!
読み語ったり、ブックトークしたりしていきたいです。
作品自体はとても素敵な、素晴らしいものです。
絵本の作中に出てくる「ちいさな島(原文『The Little Island』)」は、自分自身つい最近読んだばかりだったので、読んだページがダグラスと一緒にリアルに目に浮かんできて、ワクワクしました。
ぜひ、たくさんのお子さん、
そして教育者の方に読んでいただきたい1冊です。
いろいろな発達障害を持つお子さんは、周囲の大人の理解と、認識と努力で人生が大きく変わるのだと、改めて分かりました。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子10歳)
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