さてさて、歌舞伎調の幕があいたら誰が登場する?
諸国各地の人気者、天下ごめんのめんのめんめん。
まずは「みざる きかざる いわざる」も「食べざる」とは言わざるの「ざるそば」。上品ないでたちがよく似合う。ずるずるっとすすりたくなっていると、続いての登場は、揚げたて天ぷらをちょいと乗せ、はんてん姿でおてんとさまに出前する天ぷらそば!
お姫さま姿の月見うどんに、いかにも涼しげな冷やしそうめん。
あれあれ、粋な麺類たちが続きます。麺と言ったらやっぱり日本ですね。
なーんて言ってると、いいにおいがしてきましたよ。
はるばるインドからやってきたカレー粉で人気は太鼓判、カレーなんばん。
しゃれた洋服のナポリタン、可愛いフリルで踊るあの子はスープ春雨。
目移りしていると、さらにチャーミングな麺たちの登場です。
ベトナム生まれの歌姫フォーに、笑顔が素敵な世話やきばあばの焼きそば!
もちろんレギュラーポピュラーのラーメンも。どうやら麺類の活躍はワールドワイド、奥が深いのです。
自慢の衣装に自慢の笑顔、ああ、なんてみんな美味しそうなのでしょう。
そして、なんて個性的なのでしょう。
にぎやかな麺類たちの大競演を描いているのは、庄司三智子さん。
歌のような、言葉遊びのようなリズミカルな文章が、読む人につるつるっとしたくなる勢いをつけてくれます。
『もちもちおもち』『おやおやおやつ』に続き、読んで楽しい、見てよだれ・・・いえ、見て楽しい愉快な絵本。最後に紹介される出演者たちの名前にも注目です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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