信号機の箱の中でお仕事をしている赤信号の「あかくん」と青信号の「あおくん」。
二人の役割は正反対。
あかくんが車や通行人を止めれば、あおくんが車や通行人を歩かせます。
来る日も来る日も、交代でお仕事をしていた二人なのですが、
ある晩のこと、一匹の犬が横断歩道をわたるために赤信号を待っていました。
すると、車が全く走っていなかったもんだから
楽観的なあおくんはあかくんに犬を渡らせてあげようよと提案します。
どんなに車が走っていなくてもルールはルール。
真面目なあかくんはとんでもない!と断ります。
二人は意見の違いからとっくみあいのケンカを始めるのです。
さあ、赤信号と青信号がケンカしてしまったんだから
もう信号機は赤なんだか青なんだか激しく点滅し始めて。
あっ危ない!混乱した車が信号機に正面衝突!
その衝撃で、あおくんが信号機からふっとばされてしまったのです。
なんてこと?!あおくんとあかくんが離れ離れに・・・。
そこからは街はしっちゃかめっちゃかの大混乱。ああ、一体、これからどうなるの?
フランスからやってきたエスプリのきいた信号機の絵本。
毎日の単調なお仕事。自分たちの役割もわからず繰り返し繰り返し。
でもはじめて自分たちのお仕事の本当の意味を知ることになるふたり。
なかなか奥が深いのです。
信号機の役割をわかりやすく知ることもできるし
ケンカの仲直りのしかたも考えさせられるユニークな絵本です。
デザイン性も高いのでビジュアルも楽しめますね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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