パパもママもぐっすり眠った夜おそく、
何がはじまるかしってる?
そっとベッドを抜け出して、
パジャマ姿のお友達と一緒になって、
「よるのおさんぽ」がはじまるの。
舟にのって歌ったり、大きなお菓子をつくったり、
かくれんぼ、おえかき、でんぐりがえり…
みんなで思いきりあそんだら、
おつきさまも一緒になって、楽しい仮装パレードがはじまるよ!
リリー・ロスコウさんが書かれたこの心躍るのびやかなお話は、すてきなベッドタイムストーリー! この絵本の特長は、眠る前の子どもたちがみんな主人公になれる絵本であることです。まだ眠りたくない、もっと遊びたい子どもたちにとって、「よるのおさんぽに出かけよう」という誘いは、何て魅力的なんでしょう!
絵本の原題は、“Night Parade”(夜のパレード)、つまりお祭りのようなニュアンスがあります。絵本の中盤で出てくる仮装パレードが、この「よるのおさんぽ」のクライマックス。子どもたちの遊びは、そこに向かってどんどん活発になっていき、そして、パレードの後、絵本がいっぱいの広場で、絵本を読んだり空想を始めたりするうちに、徐々に眠りの世界へ向かう準備が整っていきます。
デイヴィッド・ウォーカーさんのすばらしい水彩イラストもたっぷり楽しめます。夜の街や森は、パープル、ブルー、ピンクでカラフルに彩られ、楽しい音楽が聴こえてきそう。パジャマ姿の子どもたちがのびやかに遊ぶ姿はキュートで、羽はないけれど、まるで天使のようです。いろんなタイプの女の子男の子がいるので、お子さんも一緒になって遊んでいる気持ちになることでしょう。この絵本では、おつきさまも、歌をうたったり仮装をしたり、陽気なのがいいですね。そんなおつきさまに見守られながら、子どもたちがだんだん眠たくなって、最後は目がふさがりそうになる様子を見ているうちに、きっと読んでいるお子さんも、つられて眠くなっていますよ。さあ、そろそろ「よるのおさんぽ」もおしまい! だんだんと声のボリュームを下げながら、絵本を読み終えてあげたいですね。
楽しい夢の世界への入り口になってくれそうな一冊。お子さんの枕元にそっとおいておきたい絵本です。
(長安さほ 編集者・ライター)
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