「ゆきは とけるものなのです。とけて きえてしまうまで すてきなものを ごらんなさい。たくさんたくさん ごらんなさい。」その冬、最後の雪の日、冬の女神に見送られ、ゆきんこは風に乗って旅に出た。大きな白い鳥、せいたかのっぽの杉の木、色とりどりの帽子をかぶった子どもたち……。どうせとけてしまうなら、すてきな場所でとけたいな。小さなゆきんこのファンタジー絵本。
とてもきれいで、癒される絵本でした。
ゆきんこは、とけるのが嫌で、とけないようにとけないようにと飛んで生きます。
でも、いつかはとけてしまうということはわかっています。
その様子が、いつか死んでしまうのはわかっているけど、それに抗う人間の姿に重なりました。
最後には、捨てられた子猫の鼻の上に落ち、結果としてその子猫を救います。
すてきな世界をたくさん見てきたゆきんこ、自分でとける場所を選んだゆきんこ。なんだか、せつないような、うれしいような、おめでとうと言いたくなるような、素敵な絵本でした。 (こにゃららんさん 20代・せんせい )
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