「かんでも かんでも なくなれへん。」
「あごが だんだん おもうなる。」
小さな女の子「わたし」は、食事の時間があまり楽しくなさそう。
今日もなかなか食べ終えられなくて、ごはんを持て余しています。
そんなとき、飼い犬のドンが、わたしのお皿から落ちたウインナーを、ぱくっ!
ふぁぐ ふぁぐ ふぁぐ、ごっくん。
「なんで、ドンは、あんなに、はよう たべれるんやろ。」
わたしは、ドンの食べているところを、観察することにします。
ドンはお肉を上手に噛むために頭をちょっと傾けます。
そしてよそ見もせずお皿に鼻をつっこんで一心に食べます。
大きな口!ぎっしり並んだ歯とザラザラの舌。
がふがふ、ぼりぼり、ガジガジ
ドンは、なんてパワフルに食べるんでしょう。
そんなドンの様子を見ているうち、わたしも、自分の中の食べる力に気が付いたみたい・・・?
作者は、こしだミカさん。
読み手の感覚にストレートに訴えかける力強い「食べる」絵は、見ているだけで、つられて口を動かしたくなります。
人も動物も、口を使って食べて、生きているんだなあ、となんだか感動してしまうのです。
食べることについて、あたりまえで1番大切なことを感じさせてくれる、「噛めば噛むほど味のする」新しい食育絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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