小さなさつきちゃんとしょうくんがお話をしています。
「こいのぼりが、たくさんおよいでいるね」「でも、こどものひにこいのぼりを かざるのはなんでかなあ?」
そんな場面にどこからともなく登場する・・・ものしりおばあさん?しかも鯉のぼりに乗って?!
「ハーイ、わたくし ナンデ・カンナよ。さあ、ふたりも こいのぼりにのって!」
子どもなら誰もが抱く行事についての「なに?」「なぜ?」をきっかけに、案内役のナンデ・カンナおばあさんはわかりやすく身近な例でその由来や背景を教えてくれます。
3人を乗せた鯉のぼりがやってきた先は・・・江戸時代の日本。
武士の家で男の子が生まれた時「強い子になるように」と願いを込めて旗を飾る風習、これを倣って町の人々が飾るようになったのが鯉の形の旗。
でも、どうして鯉なの?僕は大きな鯨がいい!私は可愛いめだか!・・・
ひとつの事がわかると、さらにあっちへこっちへと広がるのが子どもたちの疑問。
そのあたり、さすがのナンデ・カンナおばあさんはちゃんとわかっているんです。
「しりたい?つぎはちゅうごくのおはなしのせかいよ!」。
大昔の日本や世界の国にタイムトリップしたり、みるみる体が縮んでおせち料理と同じ大きさになったり、鏡や夜空に昔の様子が映し出されたり。
広がっていく疑問も小さな子どもたちの興味と思考にそって、ひとつひとつ楽しく解き明かしてくれます。
こんな頼もしい案内役と飽きることないストーリー展開は、子どもにとって定番ですね。
大好きなママ・パパに読んでもらえば、まるでおばあさんと一緒にお話の世界を旅する感覚!
「地域や家庭によって違うやり方や考え方があるのも行事を豊かにしていると思うわ。」
冒頭のナンデ・カンナおばあさんの言葉は、意味深く感じられます。
生まれ育った土地や家庭によってそれぞれに違う、季節や行事の思い出。
家族や仲間と過ごす時間の大切さをかみしめながら、親から子へと行事を受け継いでいきたいと思います。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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