最初の場面は、まくらに「のっぺらぼう」がのっぺらぼうの顔(頭?)をのせてどーんと寝ている(顔だけこちらを向いている?)絵です。
わがはいはのっぺらぼうであ〜る。
なまえなんて、ない。のっぺらぼうはただ、のっぺらぼうと よばれるだけであ〜る。
一瞬、あっけにとられたような顔をしていた4歳の娘が、次のページ「のっぺらぼうのくらしはたのしいのであ〜る。おばけは、はやおきなんてしないのであ〜る。」と続けて読むと、うふふと笑い出します。なんで「あ〜る」なの?と言いながら、おかしくてしょうがない様子。
きゅうりのパックで顔のお手入れ、「のっぺらふで」に「のっぺらてぬぐい」も登場し、え〜?ぜんぜんこわくないよ、へんなの!!と笑いが止まらない娘を見ていると、読むほうもえへへと笑いが止まりません。
「ムジナ探偵局」シリーズや「やまんばあさん」シリーズなど人気作多数の富安陽子さん。リズミカルでユーモアたっぷりの文章は、口に出して読むとその名調子ぶりがわかります。そして飯野和好さんの絵がおばけの姿を思いっきり鮮やかに描きだし、濃いインパクトたっぷりの絵本になりました。
お二人のコンビは『わがはいはのっぺらぼう』にはじまり、おばけ絵本シリーズとなって引き続き刊行されるそうです。次はどんなおばけが主人公になるんでしょう?「のっぺらぼう」みたいにかわいいヤツなのかな。
勢ぞろいしたらきっとすごいおばけたちになりそう。親近感がわいてきて、おばけシリーズを集めたくなってしまいそうです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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