絵本作家の発掘を目的とした日本児童文学者協会第1回絵本テキスト募集優秀賞の、記念すべき第一回目受賞作。
内田ちえさんのテキストに、『わにわにのおふろ』をはじめとする「わにわにシリーズ」など絵本作品多数の山口マオさんが絵を描いています。
山のふもとの、ひつじの村。ひつじたちは家をつくり、畑を耕し、草を植え、仲良く平和に暮らしていました。
そこへやってきた一匹のオオカミが、山の上から村を見下ろして舌なめずり。
「あそこに おいしそうな むらが あるぞ」
オオカミが近づいていることを山鳩から教えてもらったひつじたちは、大騒ぎで緊急会議を開きます。
家に隠れるのか、隣村へ逃げるのか、それとも・・・?
さて、このお話のおもしろいところは、弱いひつじたちがオオカミを村に招き入れ、一計を案じてオオカミをやっつけるため手分けして大奮闘するところ!
テープを目元に貼って(目がつりあがります)、野いちごをたっぷり食べ(口が真っ赤になります)、しぶい実を食べ(声ががらがらになります)みんなでオオカミににじりよって・・・。
真っ黒い顔のひつじたちがオオカミを取り囲んだときの決めゼリフ(!)絵本でご覧くださいね。
個人的には「強い奴の撃退法」が笑い出したくなるほどユーモラスに書かれているところが、ちょっぴり弱虫なお子さんにひそかにおすすめしたくなってしまう、お話絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む
山のふもとに、ひつじの村がありました。一匹のオオカミが、山の上から見下ろし、「あそこにおいしそうな村があるぞ」とねらっています。それを知ったひつじたちは、オオカミをやっつけようとみんなで相談します。
「この村のひつじはかみつくのがだいすき?」ちゅうしゃを打たれそうになったり、ふみつぶされそうになったりで、オオカミはすっかりふるえあがります。絵本のキャラクターの典型であるオオカミとひつじ。これまでにない、逆転の発想で、両者の関係を描いたユニークな作品。
新しい絵本作家の発掘と育成、新しい絵本の出版を目的とした、日本児童文学者協会第1回絵本テキスト募集優秀賞の、記念すべき第一回目の受賞作です!
続きを読む