まるで映画のワンシーンをそのまま本の中に閉じ込めたような、
メロディ付きの素敵なしかけ絵本ができました。
ページを開けば、そこは「オズの魔法使い」の世界。
最初のページをめくると、突然のゴーゴーという風の音に混じり、
耳に残る牛の悲鳴とけたたましく吠える犬の声。
あせた色の乾いた農地に、突如発生した大きな竜巻が立体的に目の前に出現します。
竜巻は、木や牛を放り投げ、黄色のトラクターやドロシーと子犬のトトがいる赤い屋根の家まで
巻き込んで、蛇行しながら、ものすごい勢いで進んでいるようです。
その様子はまるで、映画そのもの。
効果音と詩情的な絵が、立体的なしかけとなって目の前にいる私達を呑み込みます。
しかけのあるページには、必ずその場面にぴったりの音楽や効果音、時には笑い声が流れ、
物語に抑揚をつけると同時に、手に汗握る臨場感を与えてくれます。
もちろん物語には忠実で、ドロシーの仲間になるかかし、ブリキ男、弱虫ライオンも健在。
エメラルドの都を支配する大魔法使いのオズに会うために大冒険を繰り広げるのです。
このしかけ絵本に瑞々しい存在感を与えているのは、オーストラリア出身の絵本作家ポール・へス。
圧倒的な表現力で描かれた美しいイラスト。そして、それを包み込む音楽としかけの融合!
まるで、紙のページの上が舞台となり物語が展開していく様子が目に見えるようです。
今までに見たことのない、新しい「オズの魔法使い」に出会ってみませんか。
大人にも喜ばれるしかけ絵本です。
(絵本ナビ編集部)
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