どこかに、言うことをきかない、いたずらっ子はいませんか?
そんな子どもたちにぜひ読んであげたいシリーズがこの「あくたれラルフ」シリーズです。
あくたれねこのラルフは、セイラのねこです。
ある朝セイラが起きると、ラルフがセイラの戸棚をごそごそあさっていました。
「ぼくのたんじょうびプレゼントはどこにあるんだろう」と探していたのです。
戸棚のものは床に放り出されて、中身がこぼれてしまっている物もありますが、セイラは怒りません。
ラルフを抱きしめて「おめでとう」と言います。
さて、ラルフを知らない方はここから先にびっくりするかもしれません。
何しろ、ラルフは、にたっと笑ってセイラのスリッパに歯磨き粉を流し込んだりするんです。
たんじょうびケーキもクリームだけ全部なめてしまうし、部屋の飾りも壊すし……せっかくセイラが準備してくれているのに台なし。
とうとうセイラは「パーティーなんかしない!」と叫びます。
「パーティーなんてしなくていい」と思うラルフですが……?
ひげがよれよれの大きくて赤いねこのラルフは、正直なところ、あまり可愛いとは言えません。
そんなラルフがにたっと笑っていたずらの限りを尽くすのですから、ますます可愛く思えません!
でも悲しそうなラルフを見ると、「しょうがないなあ……」という気持ちになっちゃいます。
作者のジャック・ガントスは、子どもたちに、いたずらっ子で、感性ゆたかで、いつもいきいきとしていて欲しいと願い、あくたれラルフのお話を作ったそうです。
すごいのは、どんなにいたずらをされてもセイラの愛情が変わらないところ。
ラストシーンには幸せな気持ちになりますよ。
カラフルで見応えたっぷりの絵をお楽しみに。
ラルフのあくたれぶりと子どものいたずらを笑い飛ばしたくなる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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きょうは、あくたれねこのラルフの誕生日です。ラルフは、朝から「自分のプレゼントはどこにあるのだろう」とセイラの戸棚をあさっていました。ところが、プレゼントは誕生日パーティーまで待っているように言われてしまいます。ふてくされたラルフはいたずらをしはじめました。セイラのスリッパのなかに歯磨き粉をながしこんだり、セイラのお皿にプルーンジュースをぶちまけて台無しにしてしまったり、セイラが作ってくれた誕生日ケーキのクリームだけを全部なめてしまったり……。とうとうラルフはセイラに叱られます。元気をなくしたラルフですが……!?
本作でも、ラルフはものすごい“あくたれ”ぶりを発揮します! それでも、セイラはいつも深い愛情で見守り、受け止めてあげます。その存在は、まるでいたずら盛りの子どもを持つ母親のようです。
ユーモラスで心あたたまるお話!
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