ねことさかなで「ねこざかな」。あれ?いつものことみたいだけど・・・。
「ねこざかな」シリーズが大好きな読者の方はそう思ってしまうかもしれませんよね。
ねこがさかなの中にすっぽりと入る、もうその何ともいえない姿が大人気の絵本です。
ところが今回は同じのようで全然違うのです。
なんと、さかながねこの中に入って「さかなねこ」になっちゃうのですから。
きっかけは、浜辺にテントをはったさかなやさんを見つけたこと。
ちいさなさかながたくさん泳いでいて、ねこもさかなも目がキラキラ。
「もっと ちかくにいきたいね」
ということで、「ねこざかな」の姿だった彼らは「さかなねこ」に入れ替わるのです。ただのねこだったら怪しまれませんからね。
それじゃあ、ねこがさかなを食べちゃうのでは??
いえいえ、心配ありません。なにしろ、ねこはさかなが好きですし、さかなもねこが好きなのです。
さて、さかなねこは、ちいさなさかなたちを目の前で眺めているうちに、彼らの声が聞こえてきます。
「ここからでたーい」「ひろい海にかえりたーい」
「たすけてあげる!」そこで、さかなねこが取った作戦とは?
聞いたこともない奇想天外なお話の展開には、それだけでも大爆笑してしまうのですが、更にねこざかなになったり、さかなねこになったりする変身場面が透明フィルムやミニページなど工夫をこらされたしかけになっているのです。しかけをめくるたびに姿を変えていくねことさかな。これは楽しい!
♪さかなと ねこで さかなねこ
たまには これも いいもんだ
にゃん にゃ にゃ にゃーん ふん ふ ふ ふーん
悩んでいるのがバカバカしくなってくるくらい、大らかで元気になれる1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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