長い牙に大きな体、ひれ状の足の海の動物、セイウチ。セイウチたちはどんな親子の時間を過ごしているんでしょうか。海鳥になった気分でちょっとのぞいてみましょう。
ここは静かな北極の海。狭い氷の上でかあさんセイウチがお昼寝中です。ぼうやが話しかけても、かあさんは寝ながら生返事。ぼうやが「おさないで、おちそうだよ」といっても「はい、グー」、「もうすこし そっちいって」と言っても「はいはい グーグー」。スヤピーむにゃむにゃ。ぼうやがおなかをのりこえたって、ねぼけたまんま。
そしてそのうち、ぼうやのまぶたも重くなってきて・・・。
あべ弘士さんが北極で実際に見たセイウチ親子を描いた、「おひるね絵本」の第2弾。
かあさんとぼうやのやりとりに思わず笑いがこぼれます。この感じ、何だか憶えがあるような?
人間も動物も一緒だな、親子でお昼寝っていいな、純粋にそんなことを思ってしまいます。
かあさんセイウチのドテーーッとした寝姿と、そこにちょこちょこまとわりつくぼうや。なんて平和で幸せな光景なんでしょう。眺めているだけで、どんどん気持ちがゆるんでいって、読んでいる私たちもいつのまにかあくびが・・・。
お昼寝前に、ゆったりと親子で読みたい絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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