あたしが失くしたのは、おはなしでした
ゆめみの駅の遺失物係には、失くした「おはなし」が届けられる。
探している物語は、ここにあるのかもしれない。
「拾われて届けられた物語は、ぜんぶここに保管してあります」
あたしは、椅子にかしこまってうなずきました。
ぺらぺらと紙をめくっている音がします。
「おたずねしますが、失くした物語はどんな種類でしたか」
「短いおはなし、だった気がします」 (本文より)
――遺失物係が読んでくれるおはなしは、
あたたかくてちょっぴりほろ苦い。
何度でも読みたくなる、ふしぎな味わいの物語。
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