世界的ベストセラー『まるまるまるのほん』『いろいろいろの本』につづく第3弾!
独創的な絵本を作るフランスの作家、エルヴェ・テュレの新作です。
主人公(?)は、たいくつしている、きいろいまる。
「つまんないなあ… ぼくと いっしょに あそぼ」
と始まります。
「みぎうえの かどを おしてみて」
「こんどは みぎしたの かど」
言われたとおりに押してみると、きいろいまるがそっちへ移動するみたい。
(実際に絵がうごくわけではないのですが、ページをめくるとその位置に移動しているので、動いているように見えます!)
今度は、ゆびで線をなぞったら、線はぐにゃぐにゃ。
きいろいまるはローラーコースターみたいに上へ下へ。
あおまる、あかまるも登場して、きいろいまるは黒いトンネルの中へ……。
「きゃああ…… だいじょうぶかな?」「…しー …ぬきあし さしあし しのびあし」
読み進めるうちにただの黄色い丸がすっかりお友だちになり、子どもたちは無心にこの世界へ入り込んでいきます。
「ぼくを おして」「はなして」「さけんで」「ぷうっと おもいっきり ふいて!」
きいろいまるが呼びかける言葉は、詩人、谷川俊太郎さんの翻訳。
茶目っ気あり、呪文あり、爽快感あり。
言葉の展開できいろいまるとの一体感があじわえますよ。
真っ白いキャンバスを舞台に、赤、黄色、水色、黒といったシンプルな色と形だけでくりひろげられるストーリー。
きいろいまるの冒険を読者はいっしょに体験します。
子どもたちを、とりこにする絵本です。ぜひ一度おためしあれ!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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