「ぷく ぷうー」「ぷくぷく ぴいー」
ひとり暮らしのタキさんのお買い物かごから現れたのは、ぷくみみちゃん。
そして、相棒のぷくいもちゃんとぷくの木。
ぷくみみちゃんは、いいことをたくさんするとやってくるという福の神なのだというけれど・・・
・・・ぷくみみちゃんの可愛さといったら!!
物語の序盤からすっかり目は釘付け。それにぷくみみちゃん。まちじゅうにとっても不思議ないいことを起こしてくれるっていうのです。
「すごい!ぷくみみちゃんだ!」「タキさん いい人だからねえー」
タキさんとぷくみみちゃんが並んで歩けばこんな声が聞こえてきます。
「ぴゅるるるー るーるー」
ぷくいもちゃんの笛に合わせてまちの中を行進すると、
「こんなに大きな桃ができたわ」「うちはたまごが」
という嬉しい声から、
「ぼく おばけと友だちになったよ」「わたしは宇宙人と」
なんていう驚きのものまで!
“いいこと”って幅が広いんですねえ。老人会のおじいちゃんたちの“いいこと”にも意表をつかれたりして。
この、見たこともない聞いたこともないキャラクターとお話の展開がまさに“やぎたみこワールド”。タキさんとぷくみみちゃんたちの幸せな時間。すっかりぼんやりいい気持ちになっていると、ぷくみみちゃんに小さな事件が起こります!
読み終わった後、おだやかな気持ちになりながら、ちょっと思ったのはこんなこと。
「タキさんみたいなおばあちゃんになりたいな・・・」
それから画面の隅々までじっくり見て楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む