1953年はまだ、動物園にさえカバがほとんどいなかった時代です。
その年に、1歳で日本にやってきたカバがいました。
企業の宣伝用トラックに乗り、東海から西日本を回ったという、
めずらしい経歴の持ち主で、名前はカバ子。
およそ一年半ののち、大きくなったカバ子は動物園に引き取られ、
やがて石川県の動物園に移り、デカという名前に変わって、国内最長寿を記録しました。
デカが生きた半世紀年の間には、地球環境が大きく変化し、野生動物がずいぶん絶滅しました。
そのために、動物園の役割やありかたが変わり、わたしたちの動物に対する意識やかかわりかたも、大きき変化してきたのです。
子どもたちへの調査で、高い人気をもつカバ。長寿で人気者だったデカの生きざまをとおして、
動物と人間の関係を考えるノンフィクションです。
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