パジャマのうわぎが洗濯されて、洗濯ロープの上でそでをひらひらさせていると……
やってきたのは、うさぎと、うなぎ。
「こんにちは。ぼく、うさぎ」
「こんにちは。ぼく、うなぎ」
「こんにちは。ぼく、うわぎ」
……というわけで、名前がそっくりな3人はすぐにともだちになりました。
おどりを踊ったり、おにごっこをしたり。
うわぎは、うなぎにつかまったときに泥がついて後で叱られましたが、そんなことはへっちゃら。
あたらしいともだちができたことが、うれしくてたまらないんです。
この気持ち、きっと子どもはわかりますよね?
次の日。また泥を洗ってもらって洗濯ロープの上にいたうわぎは、あたらしいともだちを紹介されます。
それは……やっぱり名前が似てる、さなぎ!
みかんの木の、葉っぱの上にいたさなぎです。
ところが、うわぎは、あたらしいともだちの存在を素直に喜べません。
せっかく、うさぎとうなぎとうわぎで、ともだちになっていたのに……と思ってしまうのです。
うさぎとうなぎが、さなぎにやさしくすると、おもしろくなくてぷりぷりしてしまいます。
そんなうわぎが、しばらくしまわれていたタンスから出され、洗濯されてひさしぶりに出てくると、見たこともないちょうちょが「おはよう、うわぎ」と声をかけてきて……!?
二宮由起子さんならではのユニークなストーリー!
カラフルでほのぼのする海谷泰水さんのイラストがマッチした、なんともかわいいお話です。
表情ゆたかなうわぎ、くすっと笑える言葉のしゃれのおもしろさがたまりません。
名前が似ていても、ともだち。
名前が似ていなくても、ともだち。
ほんのりあたたかい読後感と、味わい深さがくせになる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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