静かなクリスマスの夜。窓から外をのぞくと、雪景色が広がっていて、庭にたつもみの木の上に、明るい星がきらめいています。おや、そこに森や野に住むたくさんの動物たちが集まってきたようですよ。
つやつやでほかほかの黒くま。
ちくちくとげとげの背中をもつ、ふとっちょのやまあらし。
黒い仮面のあばれんぼう、あらいぐま。
つもった雪のようにふかふかで、金貨みたいな丸い目を光らせている白ふくろう。
青い羽根と中国のせんすのような尾羽を持つあおかけす。
まつかさの実をほっぺたにつめこむ、しまりすたち……。
まだまだやってきます。
たくさんの動物たちがもみの木にずらりと並んだら、そこにはあっと驚くような、クリスマスの素敵な光景が広がります。
次はどんな動物がやってくるのかな? ページをめくるたびにわくわくします。動物たちの毛なみや鮮やかな色、目の輝きやはばたき、生き生きとした動きが、目だけでなく、肌や音で感じられるよう。
まるで詩集を読んでいるかのように、味わい深くしっとりした文章に、素朴さと温かみをもつ魅力あふれる絵。最後のページは驚きと静かな感動に満ちています。クリスマスを楽しみに待ちながら、大切に読みたい一冊です。
(光森優子 編集者・ライター)
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