しゅんの村の子どもたちは、夏祭りが近づくと、
盆踊りで披露する太鼓の練習をします。
でも、しゅんは何度やっても、リズムが遅れてしまい、
みんなとうまく合わせることができません。
練習の帰り道、しゅんが
「ドンドンドン カラカッタ ドドンガドン」と
口真似で太鼓の練習をしていると、後ろからしゅんの太鼓をまねる声が……。
振り向くと、なんと、そこにいたのはキツネ。
キツネは「おめえ、太鼓へたくそだなぁ!」と、
しゅんに太鼓の打ち方を教えてくれました。
次の日はうさぎが、その次の日にはクマとタヌキが
しゅんに太鼓の打ち方を教えてくれるようになりました。
動物たちのおかげで、太鼓の練習が楽しくなってきたしゅん。
やがてやってきた、夏祭り当日。
しゅんの太鼓は上達しているのでしょうか……?
太鼓が下手で、動物たちのおかげで、だんだんと上達していくしゅんは、
まるで、「セロ弾きのゴーシュ」のよう。
苦手なものを克服していくしゅんの姿に、
子どもたちも一生懸命練習を重ねることの大切さを感じることでしょう。
高部晴市さんの描く、子どもたちの姿、祭りの雰囲気は、
どこか懐かしく、子どもの頃を思い出させてくれます。
しゅんの太鼓に合わせて、みんなで踊る迫力満点のラストは必見です。
(木村春子 絵本ナビライター)
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