カンガルーのおかあさんのおなかに、よじのぼろうとしている、ピンクのちっちゃな生き物。
これ、なあに?
答えは、あかちゃん!
ほ乳動物のあかちゃんは、人間も犬猫もカンガルーも、生まれたばかりは目もよく見えなくて、名前のとおりうすピンク色の(「あかちゃん」と呼ばれるゆえんですよ)、もぞもぞしている存在です。
おかあさんの暗い袋のなかでおっぱいを飲むうちに、だんだん毛並みが生えそろい、目や手足もしっかり、カンガルーらしくなって・・・ついに外に顔を出す様子は、かわいい絵本でありながら感動的。
観音開きのしかけとともに、カンガルーの子が袋から顔を出す夕暮れの時間を味わってくださいね。
様子を見にくるコアラなど、オーストラリアの動物たちが登場するのも見どころです。
「おかあさんのおなかから出てくるのを、みんなが待ってるよ〜」と呼びかけたくなるこの絵本、幼い子をひざに抱いて親子で楽しむのはもちろん、妊婦さんへのプレゼントや出産祝い、きょうだいができたお兄ちゃんお姉ちゃんへのプレゼントにもよさそうです。
絵本のなかの小さないのちを、見つめてみませんか。
きっと、にこにこしたくなる幸せをわけてもらえますよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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