二人の男の子、かんたとつよしが積み木で遊んでいます。
「たかーいビルをつくろうよ」
つよしが先に積み木を置いていいました。
かんたも賛成して「ホイ」「ほい」と交互に積み木をのせていきます。
楽しく積み上げていた二人ですが、次第にビルは高くなり、とうとうかんたの番になったとき、どうやっても倒れてしまいそうになり……。
なかなか一番上にうまく積み木をのせられないかんたは、イライラして思わず「やーっ!」とビルを壊してしまいます。
おまけに「なにするんだよお」といったつよしの頭をコツンとたたいてしまい……!?
あれれ、どこかで見たことがあるようなけんか。
「もうぜったいあそばない!」「いいよーだ。おまえなんか、あそんでやんなーい」
なんて、子ども同士のよくある風景ですよね。
むしゃくしゃする気持ちを持て余して、いっしょに遊んでいるものを壊して、「ぜっこうだ」なんて思わずいっちゃって……。
でも……、仲良しのともだちと遊べなくなるのって、さみしい。
かんたくんとつよしくん、どうやって仲直りするのかな?
丘修三さんのまっすぐな文章と、長谷川知子さんの子どもらしさいっぱいの絵が、いきいきと子どものけんかを描きます。
けんかしても大丈夫、みんなけんかするんだよ、と、この絵本をいっしょに読むことで、子どもたちを安心させてあげたくなります。
些細なことでけんかをしても、根にもつことはなく、ぶつかりあって仲よくなっていく子どもたちの姿に、なんだか元気をもらえる一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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