一夜にしてつくられた巨大な壁がベルリンのまちをまっぷたつにした。友だちをひきはなし、恋人たちを、家族をはなればなれにした。どんな危険をおかしても、家族みんなでまたひとつ屋根の下で暮らすと決めた少年がいた。
ある日突然出来た壁。
家族、恋人、友人達の間に立ちはだかる壁。
多くの人達が苦しみ、命を落とした戦争が終わった筈なのに、なおも人々を苦しめる策が、考え出され、実行される。
これが本当にあった出来事だと考えると、人間の恐ろしさを感じずにいられません。
このお話では、子供目線で、とてもソフトに描かれていますが、それでも引き裂かれた家族の悲しみが伝わってきます。
現在は壁もなくなり、その存在を見たことのない人も増えていることでしょう。
けれど忘れてはいけないこともあるのだと、考えさせられる内容でした。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子7歳)
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