ロンドンに住む15歳のサムは優等生でもなく不良でもない、ごくフツーの15歳。女の子よりスケボーに夢中だったのに、 つきあってまもないアリシアを妊娠させてしまったかもしれない、と気づく。父親になる覚悟の定まらないサムは ジタバタするばかり……。そんな折、「スケボーの神様」の超能力によって未来に飛ばされ、まだ生れてもいない 赤ん坊と対面したりして!?イギリスの人気作家がはじめて十代を主人公にして描いた、リアルでキュートな青春小説。
15歳の少年がガールフレンドを妊娠させてしまった。
青少年にはとても重いテーマだけど、ユーモア小説の域で描ききっているところがスゴイと思いました。
軽いつきあいだったはずの彼女が妊娠したかもしれないとわかって、少年は逃避に走ります。
あまりに現実離れしていて失敗。
舞い戻った少年は次第に現実を見つめるようになります。
存在感を増していくガールフレンドは、母親になりますが、妻にはなりません。
ガールフレンドの家族は、少年を赤ん坊の父親として許容しますが、子供の夫としての認識からは距離を置きます。
ガールフレンドの母親になる体を直視できない少年。
夫としてではなく、親としての自覚を持っていく少年。
これが15歳かもしれません。
少年の母親は、新しいボーイフレンドと、時期を同じくして妊娠します。
設定はスゴ過ぎるけれど、それがかえって生々しさを感じなくて済む要因かもしれません。
まだまだ精神的に未熟でも、肉体的には大人になった年頃のブラックユーモア。
中学生には正面から向かってほしいテーマの小説でした。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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