子どもの頃読んだあの作品をもう一度手に入れたい、自分の子どもに読ませたい、そう思っても、なかなか手に入らない作品があります。
「探しているのですが、あの作品は買えませんか?」そんな声が、絵本ナビにもよく届きます。
手に入れたいけれど、手に入らない絵本。なぜそんなことが起こるのでしょうか?
ちょっと長いですが、ご説明させてください。(事情に詳しい方は読み飛ばしてください)
本の世界では、出版された本が売り切れると、一定部数が印刷製本されて、また本屋さんに届けられます(これを「重版」といいます)。特に絵本の世界では、時代を超えて愛されるロングセラーが多く、100刷り(100回重版される)を超えるような作品もあります。(お手もちの絵本の最後のページに、「○刷」または「初版」などと印刷されています)
そんなわけで、売れ続けている作品は重版され続けるのですが、重版する際はコストの問題である程度(一般的には少なくとも千部単位)の冊数を一度に刷る必要がありますので、その本の売れ行きなど様々な事情によって重版されない(時期が未定となる)ようになってきます。そうなると、本屋さんからどんどんなくなっていって、品切になっていくんですね。
一旦「重版未定」となった作品は「入手困難」となって、なかなか世の中に出てきません。図書館で古いものを読むか、オークションなどで高値がついた作品を購入するくらいしか手はないようです。
それでも、千部単位といった大きな単位にはまとまらないけれども、多くのファンがいる作品があります。ファンの根強い声を受けて、これらの作品が限定復刊されることがあります。
この11冊セットの絵本は、そんな待望の「限定復刊」作品です。
福音館書店の創立60周年の記念として復刊された今回のラインナップは、絵本好きのママたちの間で話題になっていた『わたしのおふね マギーB』、『幸せの絵本2』でご紹介している『ママ、ママ、おなかがいたいよ』など、シュルヴィッツ、ハッチンス、マーシャ・ブラウン、オルセン、クライドルフといった巨匠たちの名作絵本。派手さはなくともなんともいえない味がある(そして絵本好きの皆さんにはたまらない)通好みの作品と言えるのではないでしょうか。
限定復刊の11作品を記念の箱入りにしたセット、この機会をお見逃しなく!
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
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